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【♯96】それを目指すから、それに到達できない。

もうすぐパリオリンピック。

日頃からスポーツ観戦をしているわけではないが、各競技を極めた世界中の人が、身体的にも精神的にも己の限界に挑戦し、数秒・数分・数十分…の戦いに挑むその姿をみると、やはり心を奪われる。


今日たまたまテレビで、自転車競技(トラック)の代表の太田海也選手のインタビューがあって、それがとても印象に残った。

太田選手はもともとボート選手だったが、挫折経験を経て地元に戻り、サイクルショップでバイトをしていたことがきっかけで競技に興味をもち、競輪選手養成所を出て約2年というスピードで、このパリオリンピックで日本自転車界悲願の金メダル獲得が期待されている選手だ。


そのインタビューで、

「目指しているのは何か。」

というよくある質問で、答えも想像してしまっていたが、意外過ぎる回答で思わず笑ってしまった。

太田選手は、

「目指しているのは新幹線です。」

と答えたのだ。

レールの上を無駄なく走る姿……たしかにトラック競技から新幹線のような姿も重ねることができるけど。。

感銘を受けたのは、そのあとに続いた言葉だ。


「メダルというのは、目指しているものを追っていれば自然と取れているものだと思うんですよね。」

そう、目指す終着点が金メダルではなく、本来目指すものはその先にあり、その通過点として結果的に到達しているということを、いたって普通のことのように話している姿があっけにとられたというか、妙に納得してしまったのである。

そう、彼は自分自身が新幹線(のような状態)になることを目指しているのだ。
その過程でメダルをとっているという出来事はなんら驚くことではないと。

この考えはオリンピック選手に限ったことではない。
特別視しているのは自分たちの方だ。


称号や実績や肩書を手に入れることが目的だったら、それをとれるかどうかという範囲の中で四苦八苦し、その結果だけに一喜一憂してしまう。

でもあなたが真に実現したいものを目指していれば、おのずと称号が手に入ったり周囲に認知されたりしてくるというのが起きてくる。
周囲の評価というのは、本来そこに心を乱されるものではないのだ。


10を目指したいなら20を目指す行動をする。
Aを手に入れたいならA'になる行動をする。

我々も”新幹線”を目指そう。





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