夢は臨床検査技師

夢は臨床検査技師。
そう思ったのは中学一年生の時だった。
年長まで父母祖父母叔母の6人暮らしだった私は、持病持ちの叔母の”介護”が当たり前だった。
一緒にお風呂に入ったり、服を着せたり、靴下を履かせたり…
当時は”介護”という認識はなく”お手伝い”感覚で楽しくやっていたと思う。叔母は入退院を繰り返していた。入院期間はよくお見舞いに行った。これも”お見舞い”という認識はなく、ちょっと特別な場所に行く感覚で看護師さんとお話ししたり、家とは違うお部屋で過ごす時間が好きだった。
そんな背景があるので、気づいたころには医療系の仕事に就きたいと思うようになっていた。

中学1年生の時「総合的な学習の時間」という、自分のなりたい職業について調べる授業があった。
私は家に帰りいつも通り学校の出来事を話す。
母「ママは看護師がいいと思うな~。○○病院の○○さん、とっても採血が上手なのよ~!あと看護師さんはお給料いいわよ!」
父「救急救命士はどうだ!○○くんのお父さんは救急車に乗ってるんだぞ!」
こんな感じで会話は盛り上がり、結局結論はでないまま翌日。
母「病院通いの妹に聞いてみたらなんかわかるかもね~」

そうだ!叔母がいるじゃないか!
叔母はなにかと病院に詳しいはず…どんな仕事がいいか聞いてみよう!

そして母の助言がヒット。
私は叔母から「臨床検査技師」という職業を勧められた。

初めてきく職業だな…

話を聞くと、看護師やリハビリ(理学療法士)と違って患者さんと接する機会はなく、検査室で血液や尿の検査をする人で、内気な性格の私にはぴったりなんじゃないかとのことだった。

確かに自分に合っているかもしれない。
そう思った瞬間、「臨床検査技師 仕事」で検索をかけてたくさん調べたことを記憶している。
顕微鏡でがん細胞をみつける…超音波検査で心臓の病気を見つける…血液や尿だけじゃない、便や骨髄液も検査する…
なんか…なんか…めっちゃすごい仕事じゃない!?
知れば知るほど胸が高鳴る。すごい職業を知ってしまったかもしれない。

そしてまちになった総合的な学習の時間がきた。
私はワクワクしながらシャーペンをはしらせた。
なりたい職業の記載欄には”臨床検査技師”。
隣の友達は臨床検査技師って何?と聞く。
私は答える。
人の命を助けるかっこいい仕事だよ。

続く。



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