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あの子と私のコップ

この間、うつ病と闘っている友達と電話をしました。
病院のこと、薬のこと、そして病気になってしまった背景などをお互い話しました。



病院に通うほど本格的に精神疾患と闘っている人と話したのは初めてで、じっくり病気について話すことはとても新鮮でした。

特に、うつ病や双極性障害などの精神疾患になる時は人によってきっかけが全く違うし、人によって許せる部分や許せない部分、キャパシティは異なるんだと実感しました。

そして、どんなことが精神疾患のきっかけになるか分からないものだとも思いました。



詳しくは書きませんが、電話した子がうつ病になったきっかけは、日常に潜むよくある出来事でした。
それがだんだん大きなことになって、少しずつ彼女を蝕んでいった……と言ったものでした。



私が双極性障害になったきっかけは、普通に生きていたところにとても嫌な事がドカンドカンと来て壊れてしまった、といったものだったので、人によってきっかけや病気のなり方は本当に違うものだと思いました。



その子は「むっちゃんの方が私より壮絶な人生を歩んでるのに、私はこんな事で鬱になっちゃって……」というような事を話していました。






でも私は、病気になった人の人生に、弱いも強いも、凄いも凄くないも無いと思います。



確かに私がその子の人生を歩んでいたら、双極性障害になる事はなかったかもしれません。


でも逆に、私のような人生を生きていても鬱にならずに強く生きる人だっているでしょう。


実際、父は私よりも辛い人生を歩んできましたが、今では家族が大好きな父親で、しっかりと会社経営をしています。精神疾患にならずにここまで来れています。

でもそんな父でも、また違う辛いことがあったら一気に鬱になってしまうかもしれません。双極性障害にも、統合失調症にもなってしまうかもしれません。


人それぞれ違った形、大きさのコップをもっていて、それがいっぱいになって壊れるまでの時間や、早く溜まってしまう要素や出来事は異なるのではないかと思います。

コップの中身をはける方法やはけるまでの速さも人によって違います。

これは生まれ持ったものなので、人によって強いや弱い、凄い人生やそうでない人生も無いのではないかと私は思います。



私もあの子も持っているコップの形や大きさは違えど、どちらもキャパオーバーしてコップを壊してしまったもの同士であり、上下関係なく、平等に、頑張って生きてきて、今も頑張っている人だと思うのです。

人それぞれのコップであり、人それぞれの人生です。




そして誰でも、自分が知らないうちにコップを壊してしまうのではないかとも思います。

自分に無理をしないこと、素直に生きることが大事だなと改めて思いました。
わがままになってでも、自分を優先することが本当に大事です。


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