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ダサい

だっさぁーい君の服
民族衣装みたい
それとも羊飼い?

ださい、ダサいダサい
もっとお洒落な服着なよ

あーあもったいない
かわいい顔して
そんなダサい服着て

ほんとだっさぁーい

でもそんなところが可愛い
ダサい服が似合う君もかわいい

なんなのよ、もう

イラッとしちゃう

私なんて、朝早く起きて、2日前から丹精込めて揉み込んだ顔も脚も浮腫んでることにちょっと落ち込んだのに

メイクだってここ一週間ずっと模索してきたのに

それに今日着ていく服も買って、靴も靴下も新調してきたのに

君はいつも通り、自然体なんだね

ほんとだっさぁーい

私ってほんとだっさぁーい。

なんだか、機嫌の悪い君

今日はいつもより綺麗に見える

見ない間に痩せた?それともメイクを変えた?目元がいつもより大人っぽい気がするよ

服も白に金とパールを基調としたデザインの服を着ていて可愛らしい

今流行りのなんだっけ?ふれんちがーりー?だっけ?
でもなんかそれとも違う?気がする、、

ガーリーというよりレディーな君が僕の隣を歩くから少し気恥ずかしくなる

もっと君の隣に並んで恥じない僕になりたいよ

ねぇなんか言ってよ
私、今日はいつもより綺麗にしてきたんだよ
ほんと。よくわかってないよね。私のこと。

気恥ずかしくて黙っていたらもっとイライラしてきた君に、少しだけ怯えてる
でもそれはそれでかわいい

そろそろ帰ろうかな
もういいの
君ってそんな人だよね
わかってる
わかってるつもりだった

『ねぇ、今日はもう帰ろうよ。』
君の背中に向かって声をかける
君はびくりともしない
声も出さない
ほんと、今日は一段と変だね

これで私たちの関係も終わりにしようかな
ふとそんなことが脳裏をよぎった

君は砂浜から水平線に向かってカメラを向けて、落ち行く陽を撮っていた。

そのカメラがこちらを向き、シャッターが切られた。

動揺を隠せないまま、静寂が私たちを包んだ。

おかしい人ね。

シャッターを切ったカメラの中を見てニコッと笑ったまま君はカメラを捨てて、こちらに走ってきた。

ぎゅっと抱きしめられる。

12月、落ち行く陽にさえ寒さを感じるこの時期。

君のハグがとっても暖かい。

数分前の私はもうここにはいない。

ここにいるのは、やっと君からの愛を感じられた私と静かに愛を注いでくれた君だった。

『帰りたくない。』

抱きしめた途端、冷たい雫が僕の腕に滴る。

君の涙が僕を濡らした。

続けて僕は言った。

『今日の君は素敵だ。だから、写真の中に収めようとしたけど、やっぱり写真の中の君より、ここにいる君の方が魅力的だってことに気づいたんだ。』

愛してると言おうとして少しキザすぎることに気づく。だから何も言わずもっと強く抱きしめた。

少し笑った後にこんなことを言った。

『変な人。でも好きだよ。』

僕も好きだよ。と返した。

ロマンチックすぎるかな?笑
わからないけどこんな作品どうですか?
私は好きです。
こんな男性がいるといいなぁ。

彼氏くんは個性的な人だから、服も個性的です。
だから、個性的ではない彼女ちゃんから見ると彼氏の服はダサい。
けれど本当にダサいのは誰なのでしょうか。
それはきっと愛を感じ取れなかったあのコね。

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