見出し画像

止まり木という幸せ

「ご両親から受けた強烈なトラウマがまだ残っていますよね」

「‥‥」

「親から愛してもらえなかった悲しみを手放さない限り、自分の人生の舵を取れません。

僕も同じでした。今、ご自身の持っている力を思い出してください。」

「はい」

あるセッションでのやり取りで、


子供時代の親子関係を完全に癒し、自分自身を立て直さなければ

本当の意味で 人を幸せにすることはできない

と思い出した

だからまず、根本から傷を癒すために

私自身の魂が 心から喜ぶことをして 

自分を大事にしないと。

ただ 愛された記憶が薄いから
  
両親のことは、自己犠牲によって

許したつもりになっていた

そして

今回のセッションで、一番心に残ったやりとりは、私の口から無意識に出た本音で始まった

「親が喜ぶことを絶対したくないから、好きなことで自己実現して報酬をもらうことはしたくないです」

私はそのとき、子供の頃に

「橋から飛び降りたい」

と言った母が帰ってくるのを 

ひたすら待ち続けた日に見た

残酷で 真っ赤な夕焼けを 思い出していた

しばらくして先生は

「その逆を言って下さい」

「ええ?? あ、はい」

「親に喜んでもらいたいから、好きなことで自己実現して報酬をいただきたいです」

「そうなんです お金は愛ですから

人にたくさんの愛を与えるために、自己実現してください」

「 はい」

そして翌日から、先生に教わったワークをやり始めた。

すると、体の周りにつけていた余分な鎧が溶けていって、気持ちがスーっと楽になり、素の自分にもどっていく感覚がしてきた

自己犠牲からくる想いは

自身の魂から かけ離れた想いだった

母が、周りの人が、すべてのものが

私にそれを伝えるために

「自分の魂の光をただ輝かせるために

生きなさい」と教えてくれるために 

これまで存在してくれていたことに

気づいた

他者を通して 自己の弱さを知ったことで

私はもっとしっかりと 根を張った木になり

本当の意味で人の役に立つことをして

自己の魂を喜ばせることが 

私自身が生まれる前に自ら選んできた両親を 

喜ばせてあげることにもつながる

そう気持ちが変化したことで

感じる空気も変わった

散歩の途中、舗道の木々も

ありのまま存在していることに気づく

木々たちは じっとその場から動かず

優しい風を正面から受けとめ

わたしに向かって 愛を送り返してくれる

わたしも 

愛を受け止めて 送り返す木のように

なれたら

すると昨日 

小さな赤とんぼがわたしの右腕に止まった 

しばらくの間 ぴくりとも動かず

じっととどまっていた

そのせいで 仲間の大群に置いていかれたけど

空を舞うより 夢を追うより

何より

安心していられる居場所がほしいって

まるで幼い頃のわたしのようだった

赤とんぼは 両手をすりすり擦り合わせながら

しばらく わたしの腕でくつろいでいた

疲れたトンボの 止まり木になれた幸せ

ありがとう 人生の中のひとときに

私のもとで安らいでくれて 

でもいつか 成長して 

羽を広げたいと

思えるときがきたら 言ってね

飛び立っていく人を 見送る幸せを 


心から感じたくて

わたしは生まれてきたから































この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?