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♯29 現代ならではの教育資金設計を考える上で欠かせないポイント

こんにちは、甘夏です。
FPのカバー領域の中でも、人生の三大資金の一つと言われる『教育資金』設計は非常に重要な分野だと思っています。
子どもが小さい我が家はなおのこと、当事者としてとても興味がある分野でもあります。

実は先日研修を受けまして、まだまだ絶賛学びの最中ではありますが、一言に教育資産設計と言っても奥が深いな〜と思ったので、現時点での気づきや感じていることについて綴っています。


婚姻・出産年齢の変化による教育資金・住宅資金・老後資金設計への影響

これは研修の序盤で学んだことの一つで、「確かにそうかー!だからか~!」と思った内容です。
それは【晩婚化に伴う出生時の父母の年齢の上昇】によりどういう影響があるのか、ということです。
データによると2022年の概況では、初婚者の婚姻時の平均年齢は夫31.1才、妻29.7才。1975年は夫27.0才、妻24.7才。47年前と比較すると夫は+4.1才、妻は+5.4才と大きな変化があります。
そして、さらに大きく変化したのは2022年の第一子出生時の妻の年齢は30.9才、1975年は25.7才。47年前と比較すると+5.2才。
これが人生の最大資金の 【教育資金・住宅資金・老後資金】にどういう影響を及ぼすのか?
それは、以下の①②と③の年齢の幅が狭まり、老後資金を調達できる期間が短くなる、という点です。
①教育資金の支出が完了時の年齢
②住宅購入した際の住宅ローン完済時の年齢
③定年退職の年齢
確かにそうですよね。
出生時の年齢が上がるということは、当然教育資金の支出を終えた時の年齢も上がっているわけで、それを考えると現在多くの場合で想定されている【60才で役職定年で収入ダウン】→その後【65才で定年退職で給与収入ゼロ】ではなかなか厳しいだろうな、と改めて思いました。

教育資金は費用や時期の見通しが立てやすい(が・・・)

これも「なるほどなるほど、確かにそうだ!」と思った内容の一つですが、
人生の三大資金のうち、この教育資金は【時期の見通しが立てやすい】ということです。
子どもの年齢で大体の支出時期は分かりますよね。
また、入学時の入学金・受験費用・塾の夏季講習/冬季講習など、一気にまとまった費用が出ていくタイミングが結構あったりします。
ライフプランを考える上では【年単位】でシュミレーションすることがほとんどですが、この教育費に関しては、シュミレーションのタイミングによっては【月単位】で考えた方がよい、ということを講師に教わり、
これも自分事として考えると、子どもの年齢が大きくなったら、一気に数十万円単位でお金がかかるタイミングについては、把握しておく必要があるポイントだな、と思いました。

ただ、一方で自分自身にかけてもらった教育費を振り返ると、
果たして両親はこれをどこまで見通せただろうか・・・?という疑問が残りました。
わたしの場合は高校までは公立でしたが、大学は4年制の私立大学に通い、在学中に海外留学もさせてもらっています。
また、例えば希望の大学に入学できずに浪人をした場合、もしくは単位取得数が足りずに留年した場合など、予備校や大学費用などが約100万単位で増えていくことになります。
わたしの兄は私立大の4年制の理系の学部に通っていましたが、在学中にその学部が4年制→6年制に変更となり、(そういえばこの頃家では大騒ぎでした)父が他の学生の父母たちと結託し、1年ほどかけて大学側に抗議し、兄の場合は何とか5年の途中で卒業をすることができました。
仮に1年の在学費用が175万円とした場合、4年制を想定していたのが6年制になると突如350万円の支出が増えるわけです。
これはかなりイレギュラーなケースで増加金額も大きいですが、
子どもがどんな進路に進みたいか、は子どもが大きくなってからでないとなかなか見通しがつかないのでは・・・?とも思います。

ただ、そうは言っても支出額が大きいからこそ早い段階でシュミレーション・見通しを立てることは必要だと思います。
そのために今からどのくらいの積立が必要か、貯蓄が必要か、あるいは資産運用が必要かを考えておくこともとても重要だと思っています。
現時点でのわたしの考えは、ある程度余裕をもったシュミレーションをしておき、子どもが大きくなって想定とかけ離れた進路を希望した場合は
「ここまでは用意できそうだけど、これ以上お金がかかる場合は奨学金で賄って、それを自分で返済してほしい」だったり
「こういう学部に進みたいなら、私立は難しい」だったり
「浪人はしてもいいけど、予備校に行くのは難しいよ」などなど。
まだ子どもが2才にもなっていないので完全に想像でしかありませんが、
将来は経済状況を子どもに話して、一緒に考えていきたいなと思っています。

資金設計の手段は・・・?

上述の通り、支出額が大きいからこそ早い段階からどのくらいの費用がかかりそうかシュミレーションをして、見通しを立てておくことは重要だと思っています。
では、仮にその想定される資金の満額を準備することが難しいことが分かった場合はどうするのか?
よく聞く手段としては、
①国の教育ローン(学生一人につき最大450万円)
②民間の教育ローン
③日本奨学生機構による奨学金
あたりでしょうか。

わたしの場合はわたしを含める兄弟3人ともが③の奨学金の貸与を受けていました。
わたしは4年間で総額270万円貸与を受け、現在もまだ返済を続けています。
これも家庭の経済状況や両親の考え方・方針によって、誰が準備をするのかはそれぞれだと思います。

わたし自身も奨学金の貸与を受けたことについては全く何の不満もありません。
ただし、親を反面教師にしたいと思っている唯一の点は
•なぜわたしは奨学金を借りる必要があるのか?
•4年間で総額どのくらいを借りる必要があるのか?
•奨学金を借りるということはどういうことなのか?
をしっかり子どもと話す
、ということです。
恥ずかしながら、上記をわたしが全く持って理解せず、大学入学時に親に言われるがままに書類に記入をし、社会人になってから(というよりごく最近)、無自覚のまま総額300万円近い借金を負っていたことに気がついたからです。
奨学金は他の融資に比べて非常に金利が低いので(わたしの場合は大体年利0.5%程度)、学費の調達手段として一つの有効な選択肢だと思います。
ただ、それを親が返していくのか、もしくは子どもが自分で返していくのか、後者の場合はしっかりと家庭の状況や親の方針を説明したうえで、どのくらいの費用を貸与を受けてほしい、とか、もしくは返済の必要のない給付を受けられれば返さなくていい、などということを話して理解してもらう必要があると考えています。

退職金は教育資金のアテにできるか?

研修の中でもう一つ「自分には当てはまらないな、ここは要注意」だな、と思ったことがあります。
それは【退職金はアテにできない】ということです。
FP学習をしている中で事例として出てくるケースでは、60歳時に主たる家計の維持者には【退職金:2,300万円】などというかなりまとまった金額の収入を見込まれることが多いです。

例えば、主たる家計の維持者が30才時に子どもを出産し、その子どもに一番教育費がかかる18才~22才になる頃、48才~52才だったとします。ちょうど住宅ローンの返済とも重なっているし、どうにも資金が足りない・・・
そんな時に数年先の60才時点でまとまった退職金収入が見込まれる場合には、親が返済する前提で教育ローンや奨学金を借りるのは、支出を分散させるとても有効な手段だと思います。(手元に資金が無いのであれば調達するしかないですし)

ただ、ここで自分事に置き換えて考えなければいけないと思ったのは『そんなに退職金もらえるのか?』という問題です。

わたしは10数年、新卒から同じ会社に勤めていますが、大手企業ではなく、もし仮に定年まで勤めたとしても、先ほどの2,300万円には程遠い金額の収入しか見込まれません。
また、夫も自営業のため小規模共済には加入して少しは準備しているもののそんなに大きな金額にはなりません。
教育ローンや奨学金を親が返済する前提で借り入れる、というは調達の手段ではありますが、老後まで見通したときに「その支出を返済する目途があるのか?」を考えることも重要だと思います。
例えば退職金の他にも、親からの贈与や相続、持ち家の売却、など。
今のわたしに考えられるそういった類の一時収入はありませんが・・・。

もし返済の目途が立たないのであれば、無理に親が負債を背負うのではなく、前述と重複しますが、「ここまでは用意できるよ。でもこれ以外にやりたいことがあったり、これよりも学費が高くなる場合は、自分で返すことを前提としてこのくらいの奨学金を借りてほしい。」ということを子どもにも伝えたうえで、家族が一つのチームとして一緒に子どもの進路を考えることも必要などではないかな、と思います。

丸2日間の研修を受け、インプット過多、かつ、これから自分も子どもの教育費について考えたいタイミングだったため当事者としての気づきも多く、だいぶ長々とした記事になってしまいました・・・。
「これが正解」というものはないですし、わたし自身の意見もかなり自分事として視野が狭まっている自覚もありますが、お読みいただいた方が少しでも「教育費」について考えたり、ご家族で話し合ったりされるきっかけになれれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました🌸


~2023年11月からstand.fmで音声配信を始めています~
お金まわりの話・営業職ワーママとしてのキャリアの話・ここ最近取り組んでいるお片付けの話など、をお話しており、
気がつけばこのnoteの記事よりも配信数が多くなりました!
(最近noteの配信頻度が低いせいもありますが・・・)
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