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いけばな歳時記

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いけばなに使われる花材は、四季の移ろいを映す「季語」のような、連綿とつながる文化の結び目であり、いけばな作例を使った「歳時記」としてまとめることができます。
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#葉組み

いけばな歳時記 カキツバタ

いけばな歳時記 カキツバタ

 カキツバタは「伊勢物語」の歌枕が有名で、古い文化的な背景を持ち、屏風絵・手箱・着物などの他、いけばなでも八つ橋の歌枕を念頭に「水もの」の扱いで景観描写的に使われて来ました。葉組みはほぼハナショウブと同様に行いますが、ハナショウブより早く咲き、四季咲きのものもあります。

 左は生花スタイル。右は自然調株分け自由花。
 下は、カキツバタの葉組みの手順説明YouTube動画。→広瀬テキスト92p

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いけばな歳時記 ハナショウブ

いけばな歳時記 ハナショウブ

 初夏を代表するアヤメ属(ハナショウブ・カキツバタ)は、葉組みが大切な要素です。それらの花には花茎(花の付いた茎)と組み葉(葉だけ重なる茎)があり、葉組みをいける時は、花茎を差した前後にそれを包むように組み葉を入れます。アヤメ属の葉組みはふつう一度ばらして組み直して整えます。
 一枚一枚の葉にはスプーンのような凹凸があり、刃先には独特に曲がった(つめ)があります。葉組みする場合「1、へこみを花茎に

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