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トム・ハンクス『オットーという男』からウッディ・アレン『カメレオンマン』

トム・ハンクス制作主演の映画『オットーという男』を観た。アマゾンからのおすすめ。繰り返し言われると気になるわ。

これが、当たりだった。

衒いが無く、ど直球で心が暖かくなる作品。この手の映画は、時々見たくなる。

ソニー・ピクチャーズの作品紹介は、こんな感じ。

オットーは町内の嫌われ者。集合住宅の規則を守らないことにいつも腹を立てている。自分から近所を毎日パトロールし、ルールを守らない人を見つけると注意しないと気が済まない。いつも仏頂面で挨拶もしない。なんとも面倒で敬遠される。それが《オットーという男》。

この紹介には、食いつけなかったのだけれど、ジャンルがコメディーだったので、金曜日だし、明るいもの見ようとチョイス。

人生を儚んだ時、誰が助けになるのか?人を助けられるのはやはり人だろうと思うが、壁を作ってしまった人間には、周りの声はノイズでしかない。

俺をほっといてくれ。俺の何がわかってるっていうんだ。俺は、早く愛する人のもとに逝ってしまいたいだけなんだ。

それが、トム・ハンクス演じるオットーの心の声。

だけど、きっちり、ひとりの人を愛し続けた、または愛し続けているオットーは幸せを手に入れる資格のある人。

この世にはいない最愛の人からのメッセージは「苦しくても生きて」

愛すべき隣人たちとの交流の中でオットーの心が解れていく。

マリア・トリビーニョ演じるマリソルが良い。笑い方、笑い声が素敵。

ずけずけと人の心に入っていける人だからこそ気難しいオットーにも恐れをなさず飛び込んでいく。バリアを超えるのは越境人。

越境人好きだなぁ。物語を動かしてくれる。

オットーが悲しい過去を語る気持ちになったのは気づきがあったから。自分のことを見る鏡は、他人の言葉や行動。孤立してはなにも生まれない。

本当に大切なものに気づいて、親友とも和解ができたオットー。

生きる意味は、自分の為すべきことを為すこと。宿題が終わらない限りは、人生も終わらない。

ストレートな物語。いいね。

宿題が終わらない前に、逝かないように頑張ろうと思ったけど、難しいかな。(笑)

確か、ウッディ・アレンの『カメレオンマン』セリグの最後の独白も「まだ、メルヴィルの白鯨を読み終えていない」だったような‥。


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