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ドキュメント72時間アーカイブ          島根・黄泉比良坂 あの世との境界で 


2023.10.6

神話に惹きつけられて人がぽつぽつと訪れる場所、黄泉比良坂。そこは、生と死が別れた場所。

イザナギとイザナミの神話はちょっと怖い。

最初は協力し合ってあっていても、うまく行かなければ、たった二人しかいない世界にも諍いが起こる。そして、断絶。

神様であっても男と女。暗くて深い河が間に流れてる。

どんなに深い愛も追い詰められれば憎しみに変わる。イザナギは、おまえと会えないなら毎日、人を1000人殺すと言う。イザナミは、それなら私は毎日、人を1500人産むと言葉を返す。

そして、大きな岩を置き二度とお互いが会えなくなった。そしてその場所は、生と死の境界に。

時は流れ、情報化、グローバル化が進み、だれもが納得する合理的な判断が支配的な社会になりつつある今だけど変わらない人の心がある。

また、あの人に会いたい。
強い思いや、願いの言葉をあの世に届けてほしい。

ここには、古事記の時代から変わらない今は亡き人への思慕を持つ人たちが現れるよう。

一心に祈り、手紙を書く人の姿は、神話の時代から、そしてこれからも続く、人の心に宿る哀しさを写し出す情景のようだった。

島根・黄泉比良坂 あの世との境界で
初回放送日: 2023年10月6日
緑豊かな自然の中に、大きな岩。一見、特別な場所に見えないが、ぽつりぽつりと人が訪れる。今回の舞台は、島根県松江市の山あいにある“黄泉比良坂(よもつひらさか)”。「古事記」にも登場し、この世とあの世の境界と、古くから言い伝えられてきた。亡くなった親友に会いに来たという人。神話の世界に興味があると遠方から訪れた人。亡き父宛てに手紙をつづる人もいる。この不思議な場所に、みんな何を求めてやってくるのか。

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