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樹堂骨董店

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怪しい骨董屋店主イツキとその関係者が遭遇するナゾの世界にまつわるお話
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#小説

樹堂骨董店へようこそ29

那胡が気が付いた時にはふたりは再びもののけ道の中にいた。 もやもやした白い煙のような壁の…

丸井 もち
1か月前
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樹堂骨董店へようこそ28

「ちょっとお…那胡はどこへ行ったのよ…」 七緒は樹堂店内の長椅子に横たわる小林を見てわな…

丸井 もち
1か月前
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樹堂骨董店へようこそ27

樹堂の店内の一角にある休憩コーナーの長椅子の上に小林を寝かせると 「ここならば…死なない…

丸井 もち
1か月前
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樹堂骨董店へようこそ26

七緒はあわてて社務所を飛び出して本殿の前、三人が消えた場所にやってきた。 何事もなかった…

丸井 もち
2か月前
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樹堂骨董店へようこそ25

登場人物    樹  イツキ、那胡の父、骨董店店主、年齢不詳        那胡  ナコ…

丸井 もち
2か月前
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樹堂骨董店へようこそ24

1571文字あります。 イツキがどうやってレジを通らずに店からいなくなったのか那胡には全くわ…

丸井 もち
2か月前
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樹堂骨董店へようこそ23

那胡も七緒も互いに話したい事があったがお互い仕事が忙しかったりなんだかんだで会えないまま年末になった。 樹堂は年末の参拝客が休憩や土産物購入で来てくれるため、わりとにぎわっていた。ここ最近の売れ筋は桜杜まんじゅうだ。店の一角には休憩スペースがあり、地域で生産された飲み物や食べ物の試供品を自由にもらってその場で飲食できるので、これを目当てに来る客も多い。樹堂は地域にも貢献している。人間にも、もののけにもやさしい街づくりを目指しているのだ。 「ありがとうございましたー」 那胡の

樹堂骨董店へようこそ22

七緒は毎月開かれる東海支部定例会議というローカルな会議が好きではない。 同県内の代表が集…

丸井 もち
3か月前
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樹堂骨董店へようこそ21

七緒も那胡もお互いに明日は仕事があるので、話を終えて解散した。 神社の周りは人通りも車通…

丸井 もち
4か月前
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樹堂骨董店へようこそ⑲

「…まぁまずは温まろうか」 七緒からあたたかいミルクティーのたっぷり注がれたカップを受け…

丸井 もち
4か月前
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樹堂骨董店へようこそ⑱

那胡はほうづき屋の「もののけタクシー」を呼ぶつもりで、夕暮れに沈みかけた桜杜神社の前の大…

丸井 もち
5か月前
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樹堂骨董店へようこそ⑰

タヌキが応接室から出て行くとイツキは店番に声をかけた。 「りんさん、この後ちょっと出てく…

丸井 もち
5か月前
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樹堂骨董店へようこそ⑯

当時の森は霧が発生していた。その地に住む者さえげんなりするほどの濃霧だった。明るいが視界…

丸井 もち
5か月前
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樹堂骨董店へようこそ⑮

その後しばらくの間イツキ邸は落ち着いていた。先日のごたついた休日を境に家の中の状況が一変していた。 二階のイツキの部屋は相変わらず鍵がかかっていたが、リリアの籠っていた部屋は重く冷たい空気はなくなり、完全に雰囲気が変化していた。なにより、リリアがあまり姿をみせなくなったのだ。これは予想外だった。 あの後、休日の日に那胡は桜杜へと出かけた。お花見の中心エリアを抜けて森の奥へ行き、立ち入り禁止の柵を乗り越えて、いくつも地面に風穴のあるエリアへ入っていく。少し行くと急にあたりが開