見出し画像

海外ゲストが食事中のおしゃべりで「金継ぎ」を話題にしたけれど…

こんにちは、冠木です。



ここしばらく
文化祭みたいなノリでの
楽しい通訳が
続いているのですが…

皆さんならこんな場面で
どうします?




長時間のセミナーが終わって
ドイツからのスピーカーも
日本のスタッフたちも私も、

かる~い興奮の余韻のうちに
カンパーイ。


そりゃ、ビールもゴハンも
すすみます。




旬を活かした日本料理に
みんなでう~んスンバらしい!(昭和)と
感動していた時のことです。



来日7回目という日本好きの
スピーカーがちょっと真顔で
こう言いました。


「今回は金継ぎのお茶碗が
欲しいんだけれど、高いのよね。
10万円、とか。
数も少ないみたいだしね。」



みなさんだったらどう答えます?



若いスタッフの女の子たちは
ニコニコ。



あるスタッフは
“That’s traditional in Japan”.と。



いや、まあ、そうだけど…



みなさんだったら何と答えます?




まぁ食事中だし、
大して深刻な話でもないから
「いいのが見つかるといいね」と
そのまま流す…



反論して空気が悪くなるのはイヤ。
楽しい雰囲気を壊したくないから
相槌打って流す…



皆さんならどうします?



金継ぎに興味が無ければ
「よく知らないんだけど、
いいのが見つかるといいね。
値段とか、変だと思ったら
連絡してね。」
あたりでしょうか。




実は、私は金継ぎセットを
持っています。


20年くらい前に
父がプレゼントしてくれた
真っ白なマグのふちが
欠けてしまい、
なんとか直したいと
ムック本のセットを
買ったのでした。


その出来栄えは…
ご想像におまかせします…



まあ、そんな想いもあって
こんなふうに言いました。



「ああ、確かに。
あんまり売ってないし
売ってるのは高いわよね。



たぶん、金継ぎって
もともとはこんな感じだと思う。


たとえばあなたが私に
マグをお土産にくれた。





私は大事に使っていたけど
うっかり割ってしまった。





とても燃えないゴミに
出す気にはなれない。






そうだ!金継ぎすれば

また大事に使える。




で、私、それ売らないよ。」



ここで彼女の眼の色が
変わりました。


「金継ぎって、
器を壊して金で直して
高く売るためじゃないのね。」



そうそう、ご明察。



「じゃぁ、おばあちゃんの
紅茶カップも直せるのね!!」


そうそう、その通り!
直せる、直せる。


そこで、スタッフみんなと私で
私が持っている
ムック本の金継ぎセットを
離日までにお届けできるか
いろいろ試しました。



でも、残念ながら今回はムリなようで…

でも、禍転じて福となす。




8回目の来日には
金継ぎ教室のお稽古を
予約することにしました。



食事中の気軽なおしゃべりに
ディスカッション調で
反論するのは野暮です。



ニヤニヤごまかすのは
頼りないです。



私は、せっかく遠くから来てくれた
親日家に、日本でよい時間を
過ごしてほしいと願います。




なので、
しずかに、はっきりと
小さな本当を伝えたいと
思っています。


最後のキメの一言を
相手が自分の口で言えるように
話を運べたら嬉しいことです。


時々、私が
言っちゃうんですけどね。



さて、7月6日、14時30分からの
西日暮里での言語造形のお稽古、
続々とお申込みいただいています。

イベントページ作る間もなく
あっという間に残席1となりました。


ご関心おありの方は
お早めにご連絡ください。

【言語造形ご案内】
この記事、後半です。
イベントページがないもので…
https://note.com/tender_gnu298/n/n9c0ceca783ef

Have a fab week ahead!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?