映画「今夜、世界からこの恋が消えても」から学ぶ、愛の形と一瞬を生きる大切さ(ネタバレあり)
今回は、現在公開中の「今夜、世界からこの恋が消えても」の感想をお送りしたい。(ネタバレあり)
なぜこの映画を観に行こうかと思ったか。理由は一つ。
「みっちーが主演だから!」
なにわ男子にハマっている私。
たまたま取得予定だった休暇日が映画公開日!
勝手に運命を感じて「そりゃ観に行くしかないでしょ!」くらいのテンションで観に行った。
しっかり舞台挨拶ライブビューイングを予約して。
まさかそれが映画館であんなにも号泣することになるとは・・・
席に着いたばかりのときの私は思ってもいなかった。
そんな感動を与えてくれた本作品について、あらすじと感想をご紹介する。
1.あらすじ
2.感想
日記の違和感
物語の冒頭。真織(福本莉子)が目を覚ますシーン。
部屋中に貼られたメッセージとパソコンに記した日記。
そこで私は、なぜパソコン?と違和感を感じた。
予告では、真織が自筆で日記を記していたからだ。
そしてなぜか手書きで記された同じ日記を、真織の親友・泉(古川琴音)が持っている。
もちろんこの日記が物語の重要なキーとなるのだが、冒頭で感じた日記への違和感、そして手書きの日記を見つめる泉の表情によって物語に引き込まれていった。
垣間見える素のみっちー
映画を観る中で、「これはYouTubeで観る素のみっちーと一緒だ」と感じるシーンがあった。それは主に真織とのデートシーンだった。
舞台挨拶では、デートシーンはほぼアドリブだったと語っていた。
必死で会話をつないでいたと話していたが、アドリブだからこそ自然体のよさが出ていたのではないだろうか。
特に神社でのデートシーンで、見事大吉を引き当てた透の反応は、みっちーそのものだった。
本来は「凶」を引く予定のシーンだったそうなのだが、予想外に「大吉」が出た驚きがよりリアリティを醸し出したのかもしれない。
なにわ男子ファンの私にとっては、素のみっちーが垣間見えるのが微笑ましいシーンであった。
まさかの展開を数秒で描いた衝撃
透の抱える秘密を明かされたのは物語の後半。
幼いころに亡くなった母と同じく心臓が弱いということ。
友人の泉にそのことを告白してからの展開はあっという間だった。
検査をすると告げた透を心配していた泉が電話をかけ、結果がどうだったのかを問う。
しかし、聞こえてきたのは透の死を告げる透の姉・神谷早苗(松本穂香)の声だった。
その瞬間は「えっ、みっちー死んじゃったの?」とこんなにもあっさりと描かれるのかと驚いた。
だが、その死を取り巻く周りの人たちが、それぞれの大切な人を想ってとったその後の行動にフォーカスを当てたからか自分なり理解した。
大切なのは記憶だけではない
眠ると記憶を失ってしまう真織。
自分の記した日記を頼りに日々の生活を送っている。
そんな真織だが、疑似恋人として付き合っている透とは毎日が初対面であるにも関わらず、透への想いは日々募っていっている。
特にそれを感じさせたのが、透のお通夜で透の遺影を見て泣き崩れるシーンだった。
ありきたりな表現かもしれないが、記憶がなくても大切なことは”こころ”が覚えている、そう感じた。
誰かの”こころ”に残る人生はどんなに幸せだろうか。
そしてそれは、透が真織のために生きたからこそなのだろうと感じた。
むしろ主役級の存在感、綿矢泉役・古川琴音の名演
主役二人の演技ももちろん素晴らしいものであったが、私がこの映画で一番感情移入したのは古川琴音演じる綿矢泉だった。
物語後半、透の死以降のシーンでは特に、ひときわ存在感を放っていた。
透の死を一人で抱えることができなかった泉は、何も知らない真織を連れてお通夜に向かう。
そこで泣き崩れる真織を見て感じたであろう後悔の念は計り知れない。
だが、大切な友人・透の死を、これから残された親友・真織の人生を、まだ女子高生の泉が一人で受け止めるにはあまりにも重すぎる。
この選択に攻めうる点など一ミリもないと感じた。
透から自身の病について告白された際に、泉はあることを託されていた。
それは自分にもしものことがあったら、真織から自分の存在を消してほしいということだった。
その願いを果たすべきか悩む泉。
透の死から、どんどん壊れていく真織を見続けることは苦しかったが、真織の大切な思い出を消してしまってよいのか。
透の姉・早苗に相談し、真織を守るため透の願いを実行に移す決断をする。
真織が眠りについたあと、真織の部屋で貼り紙と日記をすり替える泉。
「神谷透くんを忘れないで」という付箋を見つけたときの気持ちを思うと、胸が締めつけられた。
物語終盤、真織に本当のことを告げる決意をした泉。
真織がどんな反応をするのか、隠し続けてきた真実の重みを感じているからこそ勇気がいったに違いない。
親友を大切に想う泉。
真っ直ぐな友情が、私の胸を打った。
日々を、一瞬一瞬を、大切に
この作品は、切ないラブストーリーという一言では語れない。
友人・家族・恋人、いろんな形の”愛”が詰め込まれた作品だ。
そして記憶・生命を通して、一瞬を大切に生きることについて教えてくれている。
この記事を書きながら思い出すだけでも涙が込み上げてきた。
冒頭のテンションはどこにいった!?という感じだが。
私は製作者でもなければ宣伝を請け負っているわけでもないが、本当に素晴らしいと感じたこの作品が多くの人の心に届くとうれしいなと感じる。
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