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メンタル脳 (新潮新書 1024) 新書 アンデシュ・ハンセン (著), マッツ・ヴェンブラード (著), 久山 葉子 (翻訳)


メンタル脳
(新潮新書 1024) 新書
アンデシュ・ハンセン (著), マッツ・ヴェンブラード (著), 久山 葉子 (翻訳)

$解説
現代人のメンタルは「史上最悪」!
100万部突破『スマホ脳』シリーズ著者が
世界的危機「10代のメンタル」に応えるベストセラー、上陸!

ユニセフは世界の10~19歳の若者の7人に1人以上が心の病気の診断を受けている
と報告、米CDC(疾病予防管理センター)は10代のメンタルヘルス問題を「国家
的危機」と警告している。
日本の調査でも高校生の30%、中学生の24%、小学4年生~6年生の15%が「中等
度以上のうつ症状」を訴えている。とりわけ深刻なのは10代の女子だ。男子に較
べ、3倍もうつ症状に苦しめられているという。
では、それはなぜなのか? どうすればよいのか?
脳科学の見地から、それらの問いに応える「心の取説[トリセツ]」

現在、日本全国に配置されたスクールカウンセラーは1万人を超えます。その一方、
文部科学省によれば2022年に自殺した小中高校の児童・生徒は過去最多と史上最悪
です。不眠により受診する10代がこの20年で10倍に増えたというスウェーデンでは、
『スマホ脳』の著者で精神科医のアンデシュ・ハンセン氏が、「10代のメンタルは
かつてないほど悪い」と警告、児童文学作家のマッツ・ヴェンブラード氏と本書を
上梓してベストセラーとなりました。本書は『最強脳』『脱スマホ脳かんたんマニ
ュアル』と合わせてスウェーデンの全学校数の80%にあたる4000校で、計20万人の
中高生に読まれるベストセラーとなっています。

【「日本の読者の皆さんへ」より(抜粋)】
 私たちの4人に1人が人生において、うつや強い不安といった精神的な不調を経
験します。25%という傾向は日本人にもスウェーデン人にも当てはまり、もっと言
うと世界中どこでもそうなのです。ではなぜそれほど多くの人が苦しまなければいけないのでしょうか。
 精神科医になって以来、ずっとその謎について考えてきました。そもそもそれが精神科医になった理由でもあります。しかも世界的に今、10代のメンタルヘルスは「かつてないほど悪い」とも言われています。
 スウェーデンではここ20年、不眠で受診する10代の若者が10倍に増えています。
 日本でも私の著書は『スマホ脳』をはじめとして、驚くほど多くの人に読んでもらえました。それはテーマが世界共通だからでしょう。スマホもメンタルも、どう付き合うかは世界中の人たちが毎日苦労している問題なのです。この本が日本でも良い効果を生み、多くの若者が自分の脳について学んでくれることを心から願うとともに、本を読んだ人たちがもっと運動をし、睡眠を大切にし、スマホに使う時間を減らしたいと思えるようになればうれしいです。成績のためだけでなく、メンタ
ルも身体も元気でいるためにできることなのですから。
 ――アンデシュ・ハンセン

【「目次」より】
はじめに――人は「いつも幸せ」でいられるのだろうか
第1章 なぜ私たちは生きているのか
第2章 なぜ感情があるのか
第3章 なぜ不安を感じるのか
第4章 なぜ記憶に苦しめられるのか
第5章 なぜ引きこもりたくなるのか
第6章 なぜ運動でメンタルを強化できるのか
第7章 なぜ孤独とSNSがメンタルを下げるのか
第8章 なぜ「遺伝子がすべて」ではないのか
第9章 なぜ「幸せ」を追い求めてはいけないのか
おわりに――人間はこんな風にできている

[著者]アンデシュ・ハンセン(Anders Hansen)
 1974年スウェーデン生まれ。精神科医。ストックホルム商科大学で経営学修士
(MBA)を取得後、ノーベル賞選定で知られる名門カロリンスカ医科大学に入学。
現在は王家が名誉院長を務めるストックホルムのソフィアヘメット病院に勤務しながら執筆活動を行い、その傍ら有名テレビ番組でナビゲーターを務めるなど精力的にメディア活動を続ける。『一流の頭脳』は人口1000万人のスウェーデンで60万部が売れ、『スマホ脳』はその後世界的ベストセラーに。『最強脳』『ストレス脳』なども含めた日本での同氏の著作は累計100万部を突破している。
[著者]マッツ・ヴェンブラード(Mats Wänblad)
 1964年スウェーデン・ストックホルム生まれ。児童文学作家。
[訳者]久山葉子(くやま・ようこ)
 1975年兵庫県生まれ。翻訳家。エッセイスト。神戸女学院大学文学部英文学科卒。スウェーデン大使館商務部勤務を経て、現在はスウェーデン在住。

$読者レビューより引用・編集

アンデシュ・ハンセン氏のこれまでの著作である『スマホ脳』、『動脳』そして『ストレス脳』の
エッセンスを集約して、ティーンエージャー向けにわかりやすく書かれている本です。
著者の作品を愛読してきた読者には物足りなさがあるかもしれません。そもそもハンセン氏が本書を執筆した動機は、ティーンエージャーのメンタル不調が見過ごせないほど増えていて、彼(女)ら、に自分のメンタルを理解できるようになってもらいたいことにあると〈はじめに〉に書かれています。
メンタル不調を考える時には、「ストレス」と「不安」を分ける方が理解しやすくなります。

◆ストレス:現実の ”危険” によって引き起こされる
◆不安:”危険かもしれない” と考える時にわき起こる

両者に共通するワードは ”危険” です。危険という言葉はネガティブな意味を含んでいるように私たちは捉えますが、危険を察知し、危険を避けることを最優先してきたから人類は生き延びたのだと著者は説いています。
一般論になりすぎることを承知でいうなら、今の子どもたちは「身体的な」危険からは慎重に守られているけれども、「精神的な」危険には無防備なままに晒されています。
それに拍車をかけたのが、日本では2020年から始まった新型コロナ感染症と、そこから派生する問題です。
本書には、不安に対処するためのテクニックが紹介されています。
・呼吸法:吐く息を長くすることを意識して深呼吸する
 … 息を吐くと副交感神経が活発になり心が落ち着く効果があります。
・不安な気持ちの吐露:つらさを言葉にする
 … 自分の中で起きていることを客観視できるようになり、感情に引きずられにくくなります。
・運動:心拍数を上げる
 … 心拍数をあげることで健康になるとともに、自己効力感を高め、食欲増進や快眠にもつながる。
最終章では、メンタル不調から回復する要素は「運動」「睡眠」「友人」だと書かれています。
大人である私たちをみた場合に、この3つが十分に満たされて人はおそらく多くないです。
今の子どもたちはどうでしょうか?
首都圏の大きな住宅街に住む子どもたちに限っていうなら、”お受験” の激化などもあり、「運動」と「睡眠」は厳しい状況にある子どもが多いように思います。「友人」についても、先に書いたコロナ
問題によって、子ども同士が触れ合う時間が制限されたことで、孤独を抱えている人が増えています。
運動と睡眠の重要性をしっかりと認識しつつも、特に子どもたちには「友人」を作って、一緒に過ご
す時間を多く取ってもらいたいと切に願います。友人を作ることは多くの人が思っているよりも難しいです。大人になってから、親友や気心の知れた友を作るのは容易ではありません。
子ども時代、学生時代に「友人」という財産を作ることの大切さを知りましょう。それが本書のメインメッセージだと受け取った。


$出版社より



登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2024/1/17)

  • 発売日 ‏ : ‎ 2024/1/17

  • 言語 ‏ : ‎ 日本語

  • 新書 ‏ : ‎ 208ページ

  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4106110245

  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4106110245

  • 寸法 ‏ : ‎ 17.3 x 10.8 x 2 cm






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