$2028年 街から書店が消える日本屋再生!識者30人からのメッセージ
2028年 街から書店が消える日
本屋再生!識者30人からのメッセージ
~本屋を憂(うれ)うあなたへ~
この本を手に取ってくださって、ありがとうございます。あなたは、きっと本が大好きな方か出版界の関係者なのでしょうね。そんなあなたは、日本から街の本屋が消える日が想像できますか?
なぜ今、街から本屋が消えていっているのだと思われますか?
この問いに対して著者の私が「本屋を殺す犯人を突き止める」訳ではありません。「出版社に原因がある」「本屋に責任がある」「取次が悪い」「読者の活字離れ」、それぞれ少しずつ当たっていても一面的です。本屋が消えつつある理由は、そんなに単純なものではないのでしょう。
この答えを出すために日本初の試みとして出版界のプロフェッショナル達が実名(一部匿名)で、それぞれの立場で本屋について熱く本音を語ってくれました。読者のあなたと一緒に出版界の現状を俯瞰(ふかん)しながら、問いの答えに近づいてゆこうと思っています。
この本を読み終える頃には、本屋が消え続ける理由も分かり、一方では本屋の明るい未来への希望も感じ取ることができるでしょう。ようこそ、出版流通という名のラビリンス(迷宮)へ!
四六 判( 264 頁)
ISBN: 9784833425346
$解説
~本屋を憂(うれ)うあなたへ~
この本を手に取ってくださって、ありがとうございます。あなたは、きっと本が大好きな方か出版界の関係者なのでしょうね。そんなあなたは、日本から街の本屋が消える日が想像できますか?
なぜ今、街から本屋が消えていっているのだと思われますか?
この問いに対して著者の私が「本屋を殺す犯人を突き止める」訳ではありません。「出版社に原因がある」「本屋に責任がある」「取次が悪い」「読者の活字離れ」、それぞれ少しずつ当たっていても一面的です。本屋が消えつつある理由は、そんなに単純なものではないのでしょう。
この答えを出すために日本初の試みとして出版界のプロフェッショナル達が実名(一部匿名)で、それぞれの立場で本屋について熱く本音を語ってくれました。読者のあなたと一緒に出版界の現状を俯瞰(ふかん)しながら、問いの答えに近づいてゆこうと思っています。
この本を読み終える頃には、本屋が消え続ける理由も分かり、一方では本屋の明るい未来への希望も感じ取ることができるでしょう。
ようこそ、出版流通という名のラビリンス(迷宮)へ!
目 次
まえがき ~本屋を憂(うれ)うあなたへ~
第1部 本屋をめぐる厳しい現状
第1話 なぜ、街から書店が次々と消えていくのか
第2話 書店が消えれば出版社も無くなる 加藤和裕
第3話 出版業界の「構造問題」変革の時 矢幡秀治
第4話 紀伊國屋書店、TSUTAYA、日販「大連合」の衝撃
第5話 ある地方書店「倒産」までの一部始終 業界記者
第6話 地域に愛された本屋が消える時 匿名
第1部まとめ 書店はいまや『構造倒産業種』になっている
第2部 注目の個性派書店から見える希望
第7話 書店界の「再生請負人」登場 大垣全央
第8話 本屋ほど安全な商売はない 洞本昌哉
第9話 北海道の雪にも負けない「4頭立ての馬車」 佐藤暁哉
第10話 エンジニア書店員が起こした革命 本庄将之
第11話 本屋が目指すリージョナルマーケット 長﨑健一
第12話 独立系書店先駆者(パイオニア)の商売手法を拝見 大井 実
第13話 トレカ、リユースは本屋の救世主になるのか? 匿名
第2部まとめ 書店が生まれ変わるための鍵は何なのか?
第3部 出版界の三大課題は正味・物流・教育
第3部 プロローグ 出版界の教育(研修)不在を憂う
第14話 大きな再編が進む書店業界の実情 近藤午郎
第15話 出版配送トラック荷物の半分は食料品 手嶋宏彰
第16話 疲弊する書店の現場から聞こえる本音 野坂匡樹
第17話 出版界が失ってしまった稀有な書店人 萩原浩司
第18話 すれ違う本音―取次のもう一つの役割 匿名
第19話 教育の不在 「出版界の死に至る病」 江渕泰子
第20話 図書館問題と街の本屋の未来 須藤令子
第3部まとめ 日販「ファミリーマート・ローソン」雑誌取引停止の衝撃
第4部 提言 ~生き残る本屋の道~
第21話 広島の過疎地域で世界と商売する 佐藤友則
第22話 本好きが望む、本屋の形とは 藤坂康司
第23話 書店店頭広告ビジネスの儲け方教えます 津嶋 栄
第24話 気分がアガる場所としての本屋 川上徹也
第25話 「直木賞作家」今村翔吾が見据える先 今村翔吾
第26話 出版界のマーケティング3・0 千葉 均
第27話 書店と出版社の新たな関係の構築 小野寺優
第28話 次の時代への希望はある 角田真敏
第29話 書店は出版事業の一番大切なパートナー 堀内丸惠
最終話? 街に書店が必要な訳……セレンディピティ
特別寄稿 有隣堂 松信 健太郎
「本は大切です。だから守ってください」は通用しない
あとがき
$読者レビューより引用・編集
出版流通と中小企業経営指導のプロフェッショナルである筆者による、書店業界への極めて質の高い問題提起本。
と同時に、読み進めていくうちに本書前半は応援本であると同時に書店・出版取次へのレクイエム、弔辞ではないかと思えた。
総論として、書店の大量廃業は、業界構造云々の前に、要は圧倒的多数の市民がリアル書店を必要としなくなったから、であろう。それをごく一部の本・本屋ファンが「活字文化の危機」という錦の御旗を振っている。
それをわからない著者ではない。
問題の本質は、出版、活字、書籍の危機ではなく、紙の本とそれを扱うリアル本屋、取次の危機であろう。
例えば街のレコード屋がCD屋になり、やがて音楽配信の台頭によりそのCD屋も続々と消えていった。市民が音楽離れしたわけでも、音楽文化が廃れたわけでもない。媒体と流通が変わっただけで、これは紙の書籍が例えばkindleにかわった出版にも通底する。
モノとその運搬が無くなったわけだからコストも下がり、購買量も増える。
出版全体としてはチャンスとも言える。
一方で、書店の存在意義は、「偶然、思ってもいない本を」「手にとって読める」点が大きかろう。予め大量に売れるとわかっている本だけでなく、書店員ですら知りもしない(=発注しようもない)多品種の本との出会いの機会提供。
それを担保するための委託販売、再販制度ではなかったのか。世間一般の商売からすれば羨ましくてたまらないアドバンテージであろう。
しかし、本書のいくつかの話では、書店による注文仕入れへのシフトが謳われる。自殺行為ではあるまいか。
正味調整の話も同様である。
街で老舗の文具屋が、隣に百均ができたので、仕入れ値を下げてくれ、と文具メーカーに頼んでいたら、アホかと思うだろう。みんな必死で頭に汗かいて自分のビジネスを守っている。それを「出版文化のために値下げしてくれ」という本末転倒なアピールはいかがなものか。
取次も、そうした零細企業の経営のためにどんな支援がてきていたかも問われる。
例えば伊藤忠の営業マンが自然農法のレストランを開業したい経営者にどんな支援をするのだろうか。単に立地や農家からのトラック手配をするだけではなかろう。
書店経営指導という看板の内実はどんなものだったのだろうか。取次では経営指導能力をどう育んできたのだろうか。惨憺たる現状という結果だけを見れば、書店のみならず取次自体も推して知るべし、か。
赤字廃業の書店対し、支払いの猶予をいくら行っても、単黒への施策がセットでなければ、見せかけの延命でしかない。根本改善が見えなければ、傷を広げないように納品を止め、取れるうちに貸した金を剥ぎ取っておくことを責められまい。
とにもかくにも、他に類をみない制度上の特権を手にしながら、単に変化について行けず市場に葬られた死者の葬儀で、業界とその知人への愛に満ちた著者の心を尽くした弔辞が第一部と読めた。
一方で第二部は、そうしたレッドオーシャンの中でも、キチンと結果を出している経営者とその経営を豊富に語っている。
業界の話ではなく、その企業経営の話と言ってもいい。
開店-廃業が山ほどあるラーメン業界の話ではなく、一蘭はどうやったらうまくいったか、という話に通ずる。
この、安い批判ではなく、瀕死の業界に心を寄せながらも、やれることはいくらでもありそうでっせ、という、
著者の、まさに圧倒的な情報量と、経験と、筆致をコーチングの発想に乗せた1冊。
登録情報
出版社 : プレジデント社 (2024/5/22)
発売日 : 2024/5/22
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 264ページ
ISBN-10 : 4833425343
ISBN-13 : 978-4833425346
寸法 : 13 x 1.3 x 18 cm
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