認知症の母:遠隔介護 春だもの。お弁当受け取れなくてもいっか。
以下、当時のFBから。
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2022年3月16日
母には安否確認を兼ねたお弁当が毎日届くが、
「ご不在なのでお弁当は持ち帰ります」
とよく電話が来る。
受け取って欲しいので、母の目に留まりやすいようダイソーで300円の壁掛け時計を買ってきてドアに貼ることに。メモをどう書けばいいのか家で試行錯誤していたら、また今日もお弁当不配達の電話があった。
どうしたのかと思っていたら直後に母から電話が来た。
「今ね、リリーさんと一緒に海まで歩いてきたの。ソフトクリーム食べちゃった。あなたはどうしてるのかなぁと思って。元気ぃ〜?旦那さんにも会いたいわ〜」
と楽しそうな声。
お弁当は受け取って欲しいけど、こんなに天気がよくて暖かい気持ちのいい午後のお散歩なら、どんどん出かけて行って欲しい。
「出かけないで」は消して書き直そう。
2022年4月1日
玄関ドアに大きな時計とお弁当が届きますというメモを貼ったら、お弁当の不配達がパッタリとなくなった。
母も「お陰様で」といつも機嫌がいいのだが
「自分の能力が落ちていくのが嫌で仕方ないの。どうしたらいいの?」
と今週だけで2回、電話してきた。
こればっかりは認知症という病気なので、どうしようもない。
「仕方ないね。できることは薬をちゃんと飲むことだよ。あとは天気が良かったら楽しいこと考えてリリーさんとお散歩してください」
とだけ。
認知症状への対策は一応追いついているが、進行する病を止めることはできない。
波がある己の不調をまともな時にハッと気づいて絶望する母。
それはもうどうしようもない。
母にとっても私にとっても長い別れの最中だ。
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ちょうど2年前。
この頃はまだ母は一人で買い物ができた。
でも好きな食べものばかり買ってしまうし、いつ買い物そのものができなくなるかわからなかった。
お弁当配達は
・栄養のバランスをとるため
・毎日一定時刻にお弁当を受け取る習慣をつけるため
この2点が主な目的だった。
だから天気がいいからと外出してしまってもお弁当代が無駄になることくらい大した問題ではなかった。もちろん母を怒ったりしないし別に腹も立たない。歩けるうちにたくさん歩いて足腰を衰えさせないでいて欲しかった。
時計とメモ書きが効いたのか、その後は、意外なほどちゃんと受け取れた。もちろん、ドアセンサーで事前に察知して電話して母の外出を止めたこともあったが、1年半の間、お弁当配達を止めるまで月に1〜2回程度、不配達になる程度だった。
意外だったのはもう一つ。
母よりも、弟家族が問題だった。
前日までに弁当をキャンセルするのを忘れて週末に母を連れ出してしまう。おそらく1年半の間、10〜20回は無駄な支払いをした。不配達の電話は私にかかってくるので、その度にキャンセルを忘れないようLINEしたが全く是正されなかった。
実は他にも諸々あり、弟とその嫁にはMCI(軽度認知障害)の疑いがあると考えている。
介護現場の高齢化はそれ単体でも結構な問題だ。
介護者もフタッフも平均年齢は50歳を超えていて、ルール失念や失敗や勘違い、間違いが交錯することも多くそのための対策が必要だった。
母の介護だけでも頭ぐるぐるなのに…
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