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認知症の母、衝撃の告白。 遠隔介護お助けグッズ探しスタート。
2021年の秋、母に呼び出されて用事を済ませた後、ランチをした。
母は夏頃からランチ時に「ビールを飲みましょうよ」と言うようになった。
夏より以前は、まるで『スーパーいじわるばあさん』だったので、まさかこんなに明るい母とまた話せるようになるとは思わなかった。
ビールのせいか会話が弾む。
よく笑って楽しく過ごした。
だが、私は油断していた。
「あのね、聞いたらあなた、驚くと思うんだけどね」
え?来た。
なに?怖い….
なんだろう….
母はちょっと悪い顔をして笑っている。
「実はね、薬、全然飲んでないのよ〜。飲むの忘れちゃってね〜。
でも体に問題ないからやめちゃったのよね〜。びっくりしたでしょ?」
「え〜〜〜!」
母は心臓に持病がある。
数年前の救急搬送で緊急手術の後、本手術(?っていうのか知らないけど)でペースメーカーを入れた。薬は8種類くらいあったはずだ。忘れやすいとは思っていたが全く飲んでない?!
しかも半年前からって?!
それは大問題だ。
「今日から絶対に薬は飲むようにしてね!」
と強く言ったが、忘れないための対策が必要だ。
どんな方法なら忘れないのか、どんなものがあるのか、そもそも売っているのかもわからない。ネットを調べまくって「お薬カレンダー」と言うものがあるのを知った。母にハマるかどうかもわからないのでできるだけ安いものを、とりあえず使い方の簡単そうなものを選んだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1709693208260-x2yQSe61Fp.jpg?width=1200)
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一番目立つよう、キッチン前の壁にかけた。
母はとても喜び、すごいスピードでカレンダーに薬をセットした。
でもこれだけでは飲み忘れは無くならず、朝晩に電話で「薬飲んだ?」と促す家族のサポートが必要だった。また、この2ヶ月後からは、母自身でカレンダーに薬を足さないようにした。薬を足されると飲んだのか忘れたのかがわからなくなるためだ。
週に1回、ヘルパーさんだけがセットする(家族が良かれと思って勝手にセットして混乱したので)ように決めた。
運用のルール決めもとても重要だ。
その後、介護スタッフの名刺を貼ったり体温計を入れたりして、1年間以上、母と介護する人たちを助けてくれた。飲み忘れがどのくらいの頻度で起きているのかも把握できでとても便利だったと思う。
これが最初に買った「介護お助けグッズ」となった。
家族もとても助かったし、何より母本人が安心したようだった。
「忘れたくないけど忘れてしまう。
何かいい方法があればいいが自分ではどうしようもない。
これがあれば間違えない思うと気分的に楽になった」
と、はっきり母が言ったわけではないが多分そんな心持ちだったろう。
飲み忘れる原因は「曜日を忘れる」ことでもあったので、デジタルの曜日カレンダーも同時に用意した。カレンダーの脇に1つ、室内の目立つ場所に1つ。
![](https://assets.st-note.com/img/1709695277304-oH3Q9kz7DD.jpg?width=1200)
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このデジタル曜日時計はとても良かった。
母にも大ウケだった。
でも母の役に立った期間は短かった。設置から半年ほどすると時計の場所があちこちに移動し1年後にはどこかに行ってしまった。
デジタルの漢字が読み取りにくかったのか、認知症の識字能力が落ちたせいなのかわからないが、母の目に入ってもすぐには理解できない時が増えていった。
介護グッズはその時々で必要なものが変わっていくが、一時的でも、母本人が自力で生きるための手段として役立ってくれる。
人の助けも必要だけど、ものの助けも必要だと思う。
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