虐待と脳

以前に一度読んで、とても印象に残っている記事がある。
今回はそれをメモしておきたい。
私には大いに気付くことがあった。

ニサルガも苫米地博士も言っていたように、
気付くと解決へ向かうという作用が、人間に備わっているのだろう。

理解する、知るということ自体が、それを克服するのだ。
アンカーに気付くことで効果が大きく薄まる。
この辺で取り上げた話)

成長期に何らかの大きなストレスを受けると、脳はダメージを負ってしまいます。ここで言うダメージは、抽象的な意味ではありません。縮む、肥大するなど、本来と異なる形や大きさに変形してしまい、実際に〝脳の傷〟となってしまうのです
(中略)
過度な体罰は感情や思考のコントロールを司る「前頭前野(ぜんとうぜんや)」の一部を萎縮させます。

そのほかにも、集中力や意思決定、共感などと関係の深い前頭葉の「前帯状回(ぜんたいじょうかい)」の萎縮も引き起こします。

また脳の一番外側に広がる大脳皮質の「感覚野(かんかくや)」へ痛みを伝えるための神経回路が細くなり、痛みに対して鈍感になるように脳を変形させていることも明らかになっています。
(中略)
長期間にわたって暴言にさらされた子どもの脳は、側頭部にある「聴覚野」の一部が肥大し、聞こえや会話、コミュニケーションがうまくできなくなることがわかっています。
(中略)

親同士の激しい罵り合いや暴力を見ていると、大脳後方の「視覚野」が萎縮し、他人の表情を読めず、対人関係がうまくいかなくなります。
(中略)

ネグレクトは愛着障害につながり、喜びや快楽を生み出す「線条体」の働きを弱め、左右の脳をつなぐ「脳梁」を萎縮させます。
(中略)

身体に触るといった接触、性行為の強要のほか、性器を見せる、ポルノグラフィーを見せる、裸の写真を撮る、性行為を見せるといった行為も性的マルトリートメントに含まれます。性的マルトリートメントを受けると後頭葉の「視覚野」が萎縮します。
(中略)

感情の中枢である扁桃体は、刺激を受けるとストレスホルモンを分泌するよう副腎皮質に指令を出します。過度のマルトリートメントを受けると、扁桃体はしょっちゅう興奮を起こして大量のストレスホルモンが脳の中に放出されることになり、それが脳に重大な傷を負わせてしまいます。

この状況を回避するために脳が選んだ方法が、外部から入ってくる情報量を減らす、つまり変形することなのです。
(中略)

子ども時代に虐待を受け続けて脳に大きな傷がつき、こころにも大きなトラウマを負ってしまった人たちにしても、心理療法などの適切なこころのケアを受けることで脳の傷が癒されていく場合は少なくありません。その道のりは必ずしも簡単ではないものの、成人してからの脳も、治療によって本来の機能を取り戻していってくれるようになります。それが脳のもつ力のすばらしさなのです。

https://gentosha-go.com/articles/-/25215



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?