かのんさんへ、片づけの呪縛を解き放つ
麗し片づけ学園 1年生
高橋 かのん様
かのんさん、お手紙どうもありがとう。
お手紙を読んで、胸がグッとなりました。あなたはかつての私とよく似ていて、私自身の過去の経験を思い出したからです。
今まで、本当によく頑張ってこられましたね。
かのんさんは、今のかのんさんのままでいいと思うんです。
どうか、もうこれ以上自分自身を責めないであげて欲しい。
片づけはやらなければならないこと、ではないと思うのです。
一口に片づけといっても、2種類の片づけがあると考えています。
1つは日常の片づけ。
2つ目は趣味の片づけ。
日常の片づけは、そんなに肩肘張る必要ないんです。大きなカゴとかのんさんのお気に入りの大判のハンカチをご用意ください。床に転がっているものをとにかく片端から集めてカゴの中へぜーんぶまとめてぽいぽい入れちゃいましょう。おもちゃも、テイッシュも、タオルも、本も、なんでも。最後に目隠しのハンカチでカゴを覆い、隠しちゃいます。
床が見えさえすれば、ともかくホッと息をつくことができます。散らばっていた物が減り目の前の情報量が減ることは、脳に入ってくるインプットが減ることになるので、心が落ち着きます。
落ちているものを集めてカゴに入れる。疲れていてそれすら億劫だと感じることもあると思います。
そんな時におすすめなのはお香を1本焚くこと。それで空間を清めたことにするのです。
子供に、
「お部屋が散らかってるから、お部屋の空気を綺麗にするために、今から魔法をかけるよ」
といって線香のお香に火をつけ、お部屋の中でくーるくーる、煙が広がるように回してやります。
あとは寝ちゃうのもよし。
お香を焚きながら、その時間はお香を焚いている間、こどもと一緒にカゴに物を集めるもよし。
使ったものを使った場所にもどす「だけ」。と片づけするときはよく聞きます。だけどそれがたいへんなんじゃ〜!と、思うのですよね。
疲れているときはまず、回復に努めましょう。片づけは本来、楽しいものです。やりたくないのに、無理してやる必要はないんですよ。ほうっておいて、疲れがとれたら、いずれやりたくなるものです。自然に身を任せましょう。
日常の片づけをする理由は、かのんさん自身がホッと息をつくためです。日常の中で安らぎを見出す時間を作るためです。その目的を忘れないようにしてください。その目的が損なわれないように、気をつけてください。
片づけをするために、身を削る、心を削るのは本末転倒なのですよ。順番を間違えないでくださいね。
そして、日常の片づけと趣味の片づけは別物です。
趣味の片づけは、自分自身を楽しませるものです。あなた自身の表現として、あなたの部屋を、空間を、あなた自身の作品としていく遊びです。
趣味の片づけは、とても楽しいですよ。他に多々ある趣味がそうであるように、人生が彩られる、素晴らしい知恵です。
でも趣味は、健康な心があってこそ。まずはかのんさん、あなた自身を大切にしてあげてください。あなた自身を取り戻してあげてくださいね。
「片づけなければならない」という呪縛から、少しずつでいい、あなたを解放してあげてください。そういう意識を持ちましょう。
大丈夫ですよ。
また授業でお会いいたしましょう。何かございましたら、またお手紙いただけると幸いです。
それではごきげんよう。
麗し片づけ学園長
大橋綾花
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