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魔女狩りされた夏(遊戯王)

夏休みもいよいよ終盤だからか「最後にいっぱい遊んだろ!」と言わんばかりに、近所ではキッズ達が自転車で遊びに向かう姿をよく見かける。ポケモンカードの話をしていたので、おそらく友達の家でポケカをするのだろう。

その光景を見たからか、ぼくも小~中学生の頃、夏祭りの時期に友人宅に六~八人ほどで集まり、連泊して遊んでいたのを思い出した。

ゲームしたり、カードで遊んだり、祭りを見て回ったり、深夜に眠くなりながらもアニメ「メジャー」の再放送を観たりホラー番組を観たり、
起きてるメンバーでこっそり深夜に家を抜け出して、近くのコンビニに行ってカップ麺を買ってきたりと、本当に楽しかった。

ぼくが小~中学の頃といえば遊戯王が盛り上がりまくっていて、
それこそ持っていない男子はいないレベルで、当時の少年達には必需品ともいえるものだった。

よく知らない相手でも遊戯王がきっかけで遊ぶようになったり、
クラスカーストが高めの人とも一緒に遊べるツールだったので、高橋和希先生は本当に素晴らしいものを生み出した偉大なお方だと思う。


いきなりだが、ぼくは「魔女狩り」をされたことがある。


中学生の頃。
夏祭りの季節に、ぼくは少ないお小遣いで買ったパックで「混沌の黒魔術師」という、当時最強クラスだったカードを2枚引き当てるという衝撃の奇跡を起こした。


ぜひともこのカードを使いたいと思い、トレードや単品購入、お年玉の前借り作戦などの頭脳プレー(笑)を駆使し、ぼくは魔法使い族デッキ、もとい「ぼくの考えた最強のマジシャンデッキ」を作り上げた。

「熟練の黒魔術師」「墓守の使い魔」「見習い魔術師」「魔導戦士ブレイカー」などの低級魔法使いを展開したあと、
「ディメンション・マジック」という、原作で遊戯が闇マリクを倒す切り札としても使用した魔法カードを使い、
相手モンスターを除去したあとに「混沌の黒魔術師」「ブラック・マジシャン」といった上級魔法使いを特殊召喚してガンガン攻めるという、魔法とは名ばかりの脳筋デッキだったのだが……

泊まり一日目にして、
全員の全部のデッキに勝つという怒涛の強さを見せた。

「王宮のお触れ」という、罠カードを全て無効にするという鬼畜カードを採用していたこともあり、ぼくの魔法使い族達はそう簡単には倒されず、
一度倒されても「ディメンション・マジック」を「聖なる魔術師」や「混沌の黒魔術師」の効果で回収し、すぐに使用して除去+上級魔法使いを展開するという、まぁいやらしいデッキだった。


自分でも驚くほどの無双っぷりに、友人たちもヤケになって何度も挑んできたが全部返り討ちにしてやった。そのぐらい、この脳筋魔法使い族デッキは当時、妙に強かったのだ。

が、この無双っぷりは三日天下どころか、一日で終焉を迎えることになる。
こいつのせいである。

フィールド上の魔法使い族モンスターは、すべて破壊される。


フィールド上の魔法使い族モンスターは、すべて破壊される。


なんとゲス野郎ども親愛なる友人たちは、この「魔女狩り」というカードをかき集めると、ぼくとデュエルする時にみんなで使い回すという驚異の頭脳プレー(笑)で、本気でぼくを倒しにかかってきたのだ。

「●●●、まみやとやるから魔女狩り貸して~」
「いま魔女狩り誰持ってる? 貸して~」
「やべっ、魔女狩り四枚入ってたw」
(遊戯王は同名カードは三枚までしかデッキに入れられない。ルールを守って楽しくデュエルしよう!

結果、ぼくの俺TUEEEEは一夜城の如く幕を閉じた。
ゴレイヌもビックリのえげつなさである。魔女狩りが発動するたびに、ぼくも含めてみんなで腹を抱えて笑っていた。

少年時代の楽しい思い出というものは、時に人を切ない気持ちにさせるが、思い出すことで笑うこともできるのだから、これからも大切にしていきたいものである。


にしても魔女狩りはねぇよ……

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