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巫女とおじさま

元旦、神社に行った。我が家は神社Aと神社Bのちょうど中間地点にある。どちらも地元でしか有名じゃないと思うが、神社Bの方がSNSにも力を入れていて、階段が長い、なんかすごそうな神社である。しかし、私は昨年から泥臭いダイエットの一環で朝ジョギングをしていて、神社Aの方を走ることが増えた。そうして調べてみると、神社Aはなんと1000年の歴史ある神社であった。
こういう時に、創立でも開店でもない正しい単語を知らないあたり教養のなさがうかがえてわれながら残念である。

で、元旦もジョギングでそちらを通ってみると、朝から巫女さんも大忙しで普段よりもにぎわっている。我が家は麻雀しながら紅白見てみんな朝寝坊しているが、そうじゃない家もたくさんあるんだな、と思いつついつも通り無銭でお参りをした。
その日の午後神社Bの方に家族でお参りして(こちらは30分以上並んだ。)、ぴちぴちした巫女さんたちに「ようこそお参りくださいました」と言われながらお守りを買い、おみくじも引いた。ちなみに末吉だった。が、なんとなく神社Aに不義理をしたというか、心残りがあった。

それで今朝、ジョギングの時に500円握りしめて神社Aを訪れた。順序を無視しておみくじを先にしてお釣りをお賽銭にしようという罰当たりな計画である。巫女さん巫女さん、と鼻歌でも奏でる勢いで社務所にいくと、そこにいたのはスマホで暇つぶししている狸のような胡麻塩頭であった。
ちなみに挨拶は何もなく、「はいはい、300円」と言われた。八百屋かなんかのようだった。

こういう時、最近流行りのルッキズムやジェンダーについて考える。どうせなら巫女さんの方が縁起よさそうだったな、と思うのは差別意識なんだろうか。それともおじさんが今は亡き大杉連さんのような方だったらいいのか、それもルッキズムか。

そんなことを考えながら開いたおみくじは大吉であった。巫女さんの末吉か、八百屋のおじさんの大吉か。新年早々盛大に罰が当たりそうである。


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