【期間限定】Compass AIを使って夏休みの自由研究をやってみよう!
天地人は、衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXA認定ベンチャーです。
地球観測衛星の広域かつ高分解能なリモートセンシングデータ(気象情報・地形情報等)や農業分野の様々なデータを活用した、土地評価サービス『天地人コンパス』を提供しています。
天地人は2023年8月1日から8月31日まで期間限定で、AIが質問に答えてくれる 「Compass AI」機能を搭載します。
本記事の前半では、Compass AIの使い方を詳しくご紹介します。
また後半では、Compass AIや無料版の天地人コンパスを使用した、小中学生の「夏休みの自由研究」の一例をご紹介します。
是非こちらの記事を参考にして、天地人コンパスを夏休みの自由研究にお役立てください。
1.Compass AIの使い方
(1)ログイン方法
Compass AIを使用するためには、 アカウント情報を入手していただく必要があります。
お問い合わせ先(info@tenchijin.co.jp)に、下記の情報をお知らせください。
お名前
所属
ご連絡先(メールアドレス)
Compass AIの利用目的
天地人コンパスに登録できたら、早速Compass AIにログインしてみましょう。
ログインはこちらのリンクから行うことが出来ます。
リンクに飛ぶと、下図のような画面が表示されます。免責事項に目を通していただき、同意いただける場合は、一番下の「OK」をクリックします。
次に、ログイン画面になります。こちらでは、お問い合わせにより入手したメールアドレスとパスワードを入力すると、ログインすることが出来ます。
左側にチャット画面、右側にマップ画面が出れば、無事ログイン成功です。
(2)使用方法
次にCompass AIの使用方法についてです。
・チャット画面(左側)
使い方はとってもシンプルです。画面左下の「Type a message」と書かれているボックス内にメッセージを打ち、その隣の「Send」ボタンを押して送信するだけ。
数秒待てば、AIが自動で答えてくれます。
Compass AIの言語は、日本語と英語に対応しています。
また、Compass AIは、これまでChatGPTが学習していないリアルタイムな気象データなどの宇宙ビッグデータを、ChatGPTで呼び出すことが可能です。
例えば、「新宿駅の今日の気温は?」という質問を投げかけると、Compass AIが宇宙ビッグデータからピンポイントで気温を提供します。
Compass AIが提供可能な気象データは、
気温
降水量
日射量
UVインデックス
の予報値です。
・マップ画面(右側)
チャットで具体的な場所の気象について尋ねると、画面右側のマップが自動でその場所に遷移し、ピンで示されます。
また、マウスホイールを操作すると、マップをズームイン・ズームアウトすることができます。
さらに、マウスを左クリックしながら動かすとマップ画面をスクロールでき、右クリックしながら動かすとマップの2D表示・3D表示を変更することが可能です。
なお、Compass AIによる回答は不適切な表現をする場合や正しい情報が表示されない場合があります。また、宇宙ビッグデータを呼び出す際には、質問を工夫しないと欲しい回答が得られないことがあります。
2.Compass AIを使った夏休みの自由研究
それでは、ここからはCompass AIを用いた夏休みの自由研究の例をご紹介します。
今回取り上げたテーマは、「東京近辺の涼しい地域について」です。
今年は7月から日本各地で連日猛暑日が続き、多くの人が夏の暑さが深刻化していると感じているのではないでしょうか。
ニュースでは北海道でも猛暑日を記録したと報道しており、果たして日本で暑くない場所、特に都心部の近くで暑くない地域はあるのか気になり、調べてみることにしました。
今回の自由研究では、Compass AI、天地人コンパス フリープランを使用しました。
また、Microsoft OfficeのExcelを使用し、グラフの作成を行いました。
スライドの作成には、Microsoftの「楽しもうOffice」で紹介されている、夏休み自由研究用のテンプレート「自由研究ノート ステーショナリー (調べ学習)」を使用しました。
テンプレートはこちらのリンクからダウンロードすることが可能です。
(1)手順1:インターネットで情報収集
初めに、インターネットを使用して、東京都心の付近で、夏でも涼しいと言われている場所がないか調査しました。
その結果、複数のサイトから、千葉県勝浦市は110年間猛暑日を記録したことがなく、涼しい場所として近年話題になっていることがわかりました。
勝浦市は千葉県の東南部に位置しており、東京都心部から70~80km離れた場所にあります。
勝浦市はリゾート地として知られ、日本の渚百選に選定されている守谷海水浴場などがあり、近年別荘を持つ人も増えているようです。
(2)手順2:Compass AIで現在の気温を調査
次に、現時点で本当に東京の都心部よりも勝浦の方が涼しいのか、Compass AIを用いて調査しました。
Compass AIに、調査当日(2023年7月30日)の1時間ごとの気温を、東京と勝浦のそれぞれについて、聞いてみました。
・東京(新宿付近)
・勝浦
「表にして」という指示にしてしまったせいで少し読みづらい回答になってしまいましたが、0時~23時までの1時間ごとの気温の予報値を回答してくれました。
これらの値をExcelを使ってグラフに表すと、下図のようになりました。
グラフから、1日を通して、勝浦の気温は東京と比較して2~5℃低いという結果になりました。
勝浦は東京よりもやや南側に位置しており、あまり距離も離れていないにもかかわらず、同じ日にこんなにも気温の差が大きいことには驚きです。
(3)手順3:天地人コンパスで年間の衛星データを取得
次に、東京と勝浦の年間の気候の違いを知るため、天地人コンパスを用いて調査を行いました。
天地人コンパスフリープランの気象データ表示機能では、指定した地点の1ヶ月ごとの地表面温度や降水量、日射量のデータを取得することができます。
気象データ表示機能の使い方を知りたい方は、こちらのnoteをご覧ください。
今回は、東京の新宿付近と勝浦市中心部の地表面温度(日中・夜間)と降水量について、それぞれ2022年の1年間のデータを使用しました。
それぞれのグラフは以下の通りです。
・東京(新宿付近)
・勝浦
グラフを比較すると、地表面温度の差は夏季に大きくなり、 特に6~8月は、勝浦の方が日中に約10~14℃、夜間は約1~5℃地表面温度が低いことがわかります。
また、降水量には大きな差は見られません。
(4)手順4:データをもとに考察・まとめ
ここまで、手順1〜3の調査を実施してきました。
手順1の調査からは、千葉県の勝浦市が「110年間猛暑日を記録したことがない場所」として話題になっていることが分かりました。
また、手順2ではCompass AIを用いて、勝浦と東京の7月のある1日の気温の変化を調査しました。その結果、勝浦の方が1日を通して2~5℃温度が低いことが明らかとなりました。
さらに、手順3では天地人コンパスを用いて、東京と勝浦の年間の地表面温度や降水量の比較を行った結果、東京と勝浦では、夏季の日中は地表面温度の差が10℃以上もあることがわかりました。
以上の結果より、勝浦は東京都心より夏季の気温や地表面温度が低く、涼しい地域であることが確認できました。
勝浦が夏に涼しくなる原因としては、夏季に水温が低い海から陸に向かって、涼しい海風が吹くことが理由の一つではないかと考えられます。一方、東京の都心部は都市化によって地面が高温になりやすく、さらに高いビル群によって海風が阻害されるため、地表面温度や気温が高くなってしまう可能性があると考えました。
この考察をさらに深めるため、夏休みが終わるまでに涼しい勝浦のビーチに遊びに行き、実際に体験することによって確かめたいと思います。
(5)完成した自由研究スライド
以上の(1)~(4)までが、今回Compass AIを用いて考えた自由研究です。
最後に、「楽しもうOffice」のテンプレートを編集して作成した、研究のスライドを紹介します。
テンプレートの構成に従って内容を埋めるだけで、簡単にきれいなスライドを作成することができました。レイアウトの変更も可能なため、自分なりの構成にしたい人も活用できます。
3.おわりに
今回は、天地人コンパスの期間限定機能「Compass AI」を用いて小中学生の「夏休みの自由研究」の一例を考えてみました。
宇宙ビッグデータや対話型AIといった天地人コンパスの最新技術を、夏休みの気象や地理の勉強に楽しみながら役立てていただければ幸いです。
「Compass AI」は、天地人コンパスの新たなニーズを探る目的もあり、開発を行いました。今後の機能追加や、新サービス開発になどに活かして参ります。
参考文献:
https://www.chibanippo.co.jp/news/local/1089056
https://dime.jp/genre/1432664/
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%9D%E6%B5%A6%E5%B8%82
https://fieldpro.jp/mamelog/tsensor/2726/
(記事作成:ビジネス開発インターン 龍崎)