日本最大のDIY展示発表会「Maker Faire Tokyo 2024」出展・参加レポート
天地人は、2050年にも持続可能な地球環境を目指して活動するJAXA認定ベンチャーです。宇宙ビッグデータをWebGISサービス「天地人コンパス」で解析・可視化することで、まだ誰も気付いていない土地の価値や地球の資源を明らかにするサービスを提供しています。
『今日から使える宇宙豆知識 by JAXAベンチャー天地人』では、宇宙に関連するさまざまな最新情報を、天地人のエンジニア、研究者、ビジネスリーダーが一歩踏み込んで解説します。
本記事では、2024年9月21日(土)から東京ビッグサイトで開催された「Maker Faire Tokyo 2024」の様子についてお伝えします。今回、天地人は初めてシルバースポンサーとして出展しました。ここからは、天地人の出展展示内容や印象的なブースなど、出展者の想いに触れながら紹介していきます。
1.地上最大のDIYの展示発表会「Maker Faire 」とは?
Maker Faire(メイカーフェア)は、発明と創造に溢れ、機知に富む人々が集うメイカームーブメントのお祭りです。
あらゆる年齢の技術愛好家、クラフト作家、教育者、物をいじるのが好きなティンカラー、ホビースト、エンジニア、サイエンスクラブのメンバー、作家、アーティスト、学生、そしてビジネスを行う出展者が参加します。参加者は自分が作った物を見せるために、そして自分が学んだことをシェアするためにMaker Faireに参加します。
最初のMaker Faireは、2006年にサンフランシスコのベイエリアで開催され、現在は世界各地で開催されています。
そして「Maker Faire Tokyo」は日本国内で開催される最大のMaker Faireの一つであり、毎年東京ビッグサイトで行われています。誰でも使えるようになった新しいテクノロジー(カードサイズの教育用コンピューター、3Dプリンター、AIなど)をユニークな発想で使いこなし、ロボット、自作楽器、乗り物、光るアクセサリや、おもちゃなど、さまざまな物を作り出すメイカー(モノを作る人)が集まり、作品の展示・デモや、参加者との交流を行います。
2.天地人ブース紹介
今回、天地人は初のシルバースポンサーとして出展しました。それでは、実際に展示した様子を覗いてみましょう。
まずブースに着いて一番に目に入ってきたのは・・・・・・アスパラ!?
そうです、これは天地人の革新的な挑戦「月面アスパラガス」です!
月面アスパラガスは現在、月面でのアスパラガス栽培を最終目標として、段階的な栽培実験を進めています。その過程で得られた知見を、気候変動による地球の農業の課題解決に役立てています。実は、令和5年度から鳥取砂丘でも実証実験を行っており、本来産地ではなかった土地でも、「美味しい」高品質なアスパラガスの栽培を目指しています。
何がすごいって、このアスパラガス、実は展示中も成長してたんです!展示期間中、水をあげていないのにぐんぐん成長していました。なんて成長速度が速いんだ・・・・・・
月面アスパラガスについて詳しくはこちらからご覧ください。
月面アスパラガスの隣には、天地人を代表する「天地人コンパス」の展示があり、実際に触って体験できました。
天地人コンパスは、宇宙ビッグデータを活用した地球規模の課題を解決できるオンラインGISプラットフォームです。天地人の事業は、この天地人コンパスを活用して成り立っています。月面アスパラガスでも、土地環境データ・過去の気象データ等を天地人コンパスで参照し、その土地にあった適切な栽培管理プランを考えています。
実際に触ってみると、自分の住んでいる場所の地表面温度や降水量、夏の熱中症リスクを一瞬で見ることができました。写真のとおり、自分が見た地域は真っ赤に染まっていて熱中症リスクが周りの地域と比べて非常に高いことに危機感をいだきました・・・・・・
実際に事業として使われているツールを初心者でも簡単に触れて、すぐに目で情報を得られるのは楽しいですね。
月面アスパラガス、天地人コンパスを一通り触ってラストの展示物を見てみると、、、
「衛星利用ビジネス検定体験」が用意されていました。
早速やってみようと触ってみると、意外とクイズが難しい・・・・・・!?
実はこちらのクイズ、天地人と株式会社sorano meが中心となり、衛星データ利用人材拡大を目指し開発を進めている「衛星利用ビジネス検定」の体験版をクイズ形式で出しているんです。
3問4択で出題され、最後に正答数と顔写真を残せる点が面白かったです。
ちなみに筆者は恥ずかしながら1点でした・・・・・・
クイズ形式ということで大人から小さな子どもまで多くの方に楽しんでいただけた様子が印象的でした。小学生でも余裕で満点を取ってしまう方もおり、驚きが止まりませんでした。幼いころからMaker Faireに参加して「発明と創造」に触れている様子が非常に素敵に感じました。特に家族で参加されている方が多く、自分の好奇心を刺激することができるお祭りという印象が強く残りました。
ちなみにこちらのカラフルなボタンの装置は、天地人のエンジニアメンバーが休日にサクッと作ったオリジナルだそうです。すごい・・・・・・!
天地人のブースを一通り体験し終え、「宇宙って初心者(私)でも楽しめるんだ!」という新たな気付きが生まれました。「宇宙」と聞くとどうしても遠い存在に感じていましたが、展示品を触ってみると専門知識が全然なくても楽しむことができることに感動しました。こうした新たな気付きを生むことができるのがMaker Faireの醍醐味ですね!
3.Young Maker「宇宙×学生」視点でイベントを振り返る
Maker Faireはコンセプト別で多くのブースがありました。今回は筆者が大学生ということもあり、Young Maker(学生メイカー)のエリアを中心に学生視点から紹介していきます。
早速ブースを訪れてみると、Young Makerゾーンの一角に宇宙系が集まる場所がありました。筆者も宇宙系の所属なので興味があり、「宇宙×学生」をテーマにレポートします!
火星探査を想定した機能を有するローバー
まずYoung Makerゾーンの正面を覗いてみると、「火星ローバー」が動いていました!
火星探査機の開発に取り組む日米合同の国際学生チーム「KARURA」さんです。
今回の展示は、アメリカユタ州で5月末に行われた火星探査ローバーの世界大会、URCに日本で初出場した機体を展示していました。
「学生の宇宙開発技術力を底上げし、国際共同開発が当たり前となる社会を目指す」ことをミッションに、URCでの優勝を目指して活動しているそうです。2024年には、設立からわずか1年半にして日本初・多国籍チーム初の決勝進出(102チーム中38チーム)を決めています。
ブースでは日本人チームのリーダー、辻紅那さんとお話しました。
小さい頃から宇宙に興味があり、企業でないからこそ出来る「自分の好き」を実現する環境にやりがいを感じているそうです。「自身の興味」といった点では筆者と共通する点がありましたが、そこであえて企業を選ばず学生団体のリーダーを選ぶ姿勢に心から感銘を受けました。
ちなみにKARURAさんは以前、天地人の社内勉強会にゲストとしてお招きしました。KARURAさんの活動の裏にある熱い想いをぜひご覧ください。
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