価値観が変わっていく

小学校・中学校が同じだった友人と春ぶりにお話をした。このご時世であるので、電話で。
私とその友人との関係は、親友であったというにふさわしいくらい、中学時代はとても仲が良く周りからは相思相愛と言われていたほどだった。高校が別々になり、話をしなくなった。どちらも新しい人間関係を作ることに必死だったから。何かきっかけがあったと思うが、たぶん私が原因でけんかをしたような感じになったのは覚えている。でも、高校2年くらいの時に久しぶりに再開して私がその友人を見た瞬間に心が揺れて崩れて泣いてしまって、謝った。それからまた少しずつ連絡を取るようになり今に至る。その友人は一年遅れて大学生になったのだが、私の大学の隣の県の大学に進学した。

近況を報告し合った。アルバイトがどうだ、恋人がいないだ、友達ができないだ、学費が大変だ、なんて、学生っぽい話をした。

友人の学部と私の学部は全く違う学部で、学んでいることが全く違う。私の方が1学年上ということになるので、それなりに友人より経験があるかなぁくらいであるが、久しぶりに話をすると価値観が違くて少しお互いに戸惑いがあった、と思う。

私が「将来はこういう風に人と関わっていたいよね」と言うと友人は少し黙って、「あぁ」と言ってまた間を開けて「自分にはそんな考えしたことなかったな。そういう風に考えているんだね。でも、自分は違う。」と言った。

あぁこんなに価値観が違ったか。
と思った。中学時代はあんなにお互いのことが良く分かって好きなモノコトも似ていて、高校時代もなんとなく見ている方向が同じだったような気がしていたのに、違った。友人も当たり前だけど。友人の見ている道や将来があるのか、そうだよな。と思った。

同じ環境にいたから、同じ価値観をもっていた。違う環境にいたら、違う価値観を持つ。

違う価値観だったから、嫌いになったわけでは無いし、たぶん嫌いにはならない。けれど、昔感じていたあの同じ価値観を持った人といた時間がどれだけ貴重で心地よかったのか、思い知った。でも、今なら、きっと価値観が違った方がおもしろい。だって世界が広がる感じがするから。私はあの頃よりもっと友人を好きになる気がする。

まだ、友人の将来の話を聞けていない。今日はお互い戸惑ったけれど、今度話をするときは楽しくなるだろう。価値観が違うくなって良かった。だって絶対そっちの方がおもしろい、わくわくしてきた。
友人よ、今度話をするときは覚悟してて。長電話になるぞ。

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