最後に手紙を書いたのは

私が最後に手紙を書いたのはいつだっただろうか。高校生の時だから、2年前くらいだ。あの頃、スマホを持っていなかった私は家でしかSNSを使えなかった。手紙の方が便利だった。
気持ちを込めた手紙の返事はもちろん手紙で帰ってきた。その手紙にも気持ちがこもっていたと思う。

部屋の片づけをしていたら、高校時代にもらった手紙が目に留まって、読み返してみた。
その手紙は、相手から始まるものだった。今考えると、私はこの手紙に手紙で返信したかも分からない。たぶん言葉で直接話したのではなかったかなと思う。実にもったいないことをしてしまったと思う。手紙で返信すればよかった。

実は私はこの何気ない手紙にずっと支えられている。だから、大学に進学するときに一緒に持ってきた。この手紙につづられている言葉は、全部、本当だと思えて、本当だと思いたくて、こんなに小さな紙切れが私にとって非常に大切だと思うのだ。自分が誰かに大切にされていて、誰かに想われていた証拠だったと思うのだ。部分だけ切り取ったらよくわからない言葉もたくさんあるけど、私にとって素敵な言葉たちで溢れている。

「ミサトさんの登場。いくつかの心の壁を登ってくれてありがとう。」
「無理しないでください。言いたい時に、言える分だけ、言いたい分だけ、がベストです。」

私は高校の時まではよく手紙を書いていた。それは、とても大切なことだったのかもしれない。でも、いつの間にか手紙を書く習慣はなくなってしまって、相手にこころの内を出すこともせずに過ごしている気がする。手紙を書く習慣が無くなってしまっているのは、とても寂しいことだと気が付いた。

でも、いまさら、誰に手紙を書けばいいのだろうか。大人になるって手紙を書けなくなることなのかな。そんなことないと信じたいな。

もし、何かに心動かされたとき、本当にありがとうって想えた時、好きだと思った時、そんなときがあればたくさん手紙を勝手に書こうと思う。

今、書きたい相手が思い浮かんだ。期末レポートが終わったら、手紙を書こう。

あの時、あの人が送ってくれたあの手紙みたいな文面を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?