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【ルヴァンカップ第3節】FC東京 2-1 湘南

■2022年3月26日(土) 15:00キックオフ
■味の素スタジアム

いつ降りだしてもおかしくない雲行きだったが結局降らなかった。気温は高かったが風が強く、スタンドで見ていると思ってたより寒く感じられた。ルヴァンカップは1敗1分と出遅れている。グループステージ突破を目指すためには今日のホームゲームは何としても勝ち点3が必要になる。

長友、松木が代表招集で不在。若手やリーグ戦でサブとなっているメンバーにもチャンスを与えるべく一部ターン・オーバーを実施し、平川がアンカーが先発した他、波多野、鈴木、東、三田、山下らが出場機会を得た。

フォーメーション

波多野
鈴木 木本 森重 渡邊
安部 平川 東
三田 山下 永井

前半

ボールを保持し主導権を握りつつ攻撃をしかけたい東京に対して、前プレからのショート・カウンターを狙う湘南という流れに。ある程度予想された形ではあるが、東京は後ろからのビルド・アップがままならず、最後は裏にけってボールを失うシーンが散見される。

アンカー横のスペースを使われてピンチに陥ることもあり、いつものようにこの時間帯のゲーム・コントロールには苦労している。ボールを持っても中央を固められ、ブロックの外でボールを回すことはできるもののなかなか縦にボールが入らない。

7分には東が左寄りにこぼれたボールにダイレクトでシュートを放つが枠外に。9分には永井がドリブルで裏にしかけ左サイドからシュートを放つがファーに外れる。29分、左サイド深いところで獲得したFKを三田がけると東が頭で合わせるがクロス・バーに嫌われる。チャンスは作れている。

39分、森重からのロング・フィードを敵DFが後ろにこぼし、安部がこれを拾って一気にGKと一対一になる。安部がGKをよく見て流しこみゴール、東京が1-0と先制する。いただきものではあるが森重のフィードもよく、また安部もGKに当てがちなヤツを落ち着いてよく決めた。

前半はそのまま1-0で終了。決してやりたいことがすべてきれいにできているわけではなく、ビルド・アップには引き続き苦労しているが、個の技量と昨季までのレガシーでそれを補い前向きなチャレンジはできている。リードを得て後半もやり続けたい。

後半

後半に入っても流れは大きく変わらないが、東京がボールを持つ時間が少しずつ増えてくる。48分には山下がこぼれ球を拾ってシュートを放つがイージー・ボールになりGKにキャッチされてしまう。

60分、三田が右サイドでボールを受けるとドリブルで持ち上がりエリア手前からシュート。これが敵DFに当たってボールの軌道が変わり、GKの逆を突くかたちとなってゴールに。東京が2-0とリードを広げる。ラッキーもあったが三田が意地で押しこんだゴールとなった。これもしかけてシュートを打ったからこそ。積極性が光った。

63分、永井、山下、平川に代えてアダイウトン、オリヴェイラ、青木を投入、それぞれそのままのポジションに入った。さらに70分、三田と鈴木に代えて髙萩と中村を投入。これもそのままのポジションに。

その後はオリヴェイラが前線でボールを受けて時間を作り、敵陣で試合を進める流れとなるが、77分、左サイドの深いところから折り返されたボールに正面で合わされ失点、2-1と1点差に詰め寄られる。

その後も80分、81分とたて続けにアダイウトンがシュートを放つなどチャンスも作ったものの追加点は奪えず。敵に押しこまれる時間帯もあったが大きな破綻なくしのぎきり、結局2-1でルヴァンカップ初勝利を挙げた。

戦評

攻撃の組み立てを試行錯誤しながらもいい時間帯に先制、加点でき、試合としてはきちんと勝ちきった。起用された選手がそれぞれアピールし、いい競争ができていることが窺えた。

特に東、三田がしっかり動けていたのが印象的。一方でトップの山下はFWだけに結果が欲しかった。合っていないわけではないが、まだ周囲が山下の生かし方をわかっていない感じではないかと思う。

平川はアンカーとして必要な仕事はできていたと思うが、敵の前プレもあり余裕をもってボールをさばくシーンが多くなかったのは残念。ただ、以前のような線の細さは消えたくましさを感じた。レンタルでの武者修行はムダではなかったと思う。

まだまだボールを前に運ぶ方法がサイドからの遅攻か裏への一発フィードくらいしかなく、丁寧にプレスをはがしながら徐々に数的優位を獲得して前進するシーンや中央のレーンで縦に通すシーンがなかなか見られないのは課題。前プレにあわあわしないはがしの技術、奪ったボールを確実につないで危険地帯から逃がす技術を磨きたい。

これでルヴァンカップは3試合を終えて1勝1敗1分で勝ち点4となりグループ2位に。ターン・オーバーしながらだがまずはグループステージ突破は目指さなければならない。結果を出しながら課題に取り組みたいし、この流れはリーグ戦にも生かしたい。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
波多野(3.5) 失点はノー・チャンス。成長しているように見える。
鈴木(4) 斜めにトップに当てたパスなどでセンスを感じさせた。
木本(3) 落ち着いてボールを扱い、縦への意識も高かった。
森重(3.5) 得点につながるフィード。さすがの質の高さだった。
渡邊(3.5) やはりこの人は前に置くべきでは。巧さが際立った。
安部(3) ゴールは偶然ではないし流しこみも上手かった。
平川(4) 十分及第点の出来だったと思う。落ち着いていた。
東(3) ポジショニングがよくボールに多く触った。
三田(3) 持ち上がって自分で打ったのがよかった。
山下(4) ひとつゴールが出れば楽になると思う。続けよう。
永井(3.5) いいシュートもあったが決めきりたかった。
===
オリヴェイラ(3) さすがのキープ力。何度も削られて可哀そう。
アダイウトン(3.5) 惜しいシュートあり。敵への脅威は大きい。
青木(3.5) 視野の広さ、判断の的確さを改めて認識。
高萩(3.5) 一瞬でチャンスにするマジックは健在。
中村(3.5) いい裏への飛び出しあり。ポジション取りたい。

この試合、湘南がファースト・ユニを着てくれたが嬉しかった。ファースト・ユニ同士での戦いは熱い。

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