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【Jリーグ第18節】鳥栖 5-0 FC東京

■2022年6月26日(日) 19:00キックオフ
■駅前不動産スタジアム

自宅DAZN観戦。インターナショナル明けは湘南(リーグ戦)、長崎(天皇杯)と公式戦2連敗中。水曜日に120分戦ってから中3日という厳しい日程だが、連敗は許されずしっかり勝ち点を持ち帰りたい。シーズン後半最初の試合かつ小川には東京での最後の試合となる。

オリヴェイラがベンチ外に。U23アジアカップから帰ってきた松木は早速スタメン起用。山下が古巣戦とあってか久しぶりにメンバーに入った。

フォーメーション

スウォビィク
中村 木本 森重 小川
安部 青木 松木
永井 アダイウトン 渡邊

前半

試合は予想された通り東京がボールを保持しパス交換から押し上げようとするのに対し、鳥栖は強度の高い守備で奪い取ったボールをすばやく前線に展開し一気にゴールに迫ろうとする。

東京はここしばらくの試合よりは前プレの意識が高く、序盤は二度追い、三度追いや複数ではさみこむなど奪いきることをイメージしたプレッシングができていたと思う。拮抗したゲームとなる。

6分、右寄りで得たFKを小川がけり、松木が頭で合わせるがバーの上に。これが東京のファースト・シュートとなる。26分、安部が渡邊とのワンツーでエリア右裏に抜け中央に折り返すとアダイウトンが枠にシュートを飛ばすが敵GKにセーブされる。これが決まっていれば流れは違っていたが…。

30分、自陣でボールを失い、これを持ち上がられてエリア外から強烈なシュートを許す。これが決まり0-1と先制されてしまう。直前のプレーで安部が敵FWと接触し傷んでいたが得点は認められた。安部はこの負傷で退場となり、33分、レアンドロを投入する。渡邊がインサイド・ハーフに下がり、レアンドロはウィングに入った。

その後は鳥栖がゴール前を固め、東京は例によってアダイウトンの突破頼みとなる。シュート・チャンスは複数あったが枠に収まらず。44分にはアダイウトンのヒールでの落としから左裏に抜けた渡邊がフリーでシュートを放つがこれもGKにセーブされる。得点機は作ったものの決めきれず、逆にワンチャンを生かした鳥栖に0-1とビハインドを背負ったまま前半を終えた。

形は何度か作れておりこれをやり続けなければならない。後半の早い時間帯にまず1点が必須だ。

後半

ところが後半立ち上がりの48分、右サイドを崩され、エリア内でルーズになったボールを拾われて角度のないところからニアにシュートを決められる。開始早々の失点で0-2となり出鼻をくじかれる。メンタル的にはこの失点が大きく、ここで流れはほぼできてしまったと思う。

余裕をもってボールを動かす鳥栖に対し、東京は前がかりになるがチャンスは散発。次第に疲れが出て強度も落ちてくる。疲労と暑さ、2点のビハインドという状況があいまって、モラルを保つのが難しくなってくる。

60分、中村、永井、松木に代えて長友、山下、東を投入。東と青木のダブル・ボランチとなり、レアンドロが右、渡邊が左のSHに。アダイウトンと山下が2トップを張る4-4-2の布陣となる。

しかしその後も攻撃はかみ合わず、パスミスも増えて自陣で受けに回るシーンが多い。鳥栖が主導権を握って試合を進める。70分、自陣でのボール・ロストから敵FWにシュートを許し失点。0-3となってほぼ終戦。

さらに78分、カウンターから押し上げられ右サイドの深い位置からのクロスをゴール前で押しこまれて0-4に。集中の切れた状態になっていたと思う。83分、森重に代えて岡崎を投入。監督はここで割りきったと思う。

85分、敵FWにエリア手前でドリブルを許し、最後はシュートを決められ0-5。その後もバーを直撃するミドル・シュートを打たれるなどサンドバッグ状態となり、結局1点も取れないまま試合終了。ブンデスリーガならアディショナル・タイムは取らない試合だと思うが、主審は親切にも1分のアディショナル・タイムをくれた。

戦評

前半は先制を許しながらも拮抗した試合でチャンスもあった。しかし後半立ち上がりに追加点を与えたところで歯車が狂い、選手交代でも流れを変えられないまま失点を重ねて大敗を喫した。

数字的にはシュート数8-10、CK6-3、ポゼッション52-48と悪くなかったように見えるが、鳥栖のシュートがスコスコ決まるのに対して東京はチャンスをモノにできず、加点されるごとに勢いを失って一矢報いることもできなかった。

確かに天皇杯の疲労もあったとは思うが、クリティカルな位置でのボール・ロストが多く、そこからひっくり返されて失点のパターンが目立った。ボールを大事にして自陣から丁寧につないで行くスタイルなので、どこかでズレが出ればいきなり大ピンチなのは当然で、それも自陣の深い位置でのロストや、前に付けようとしてのパスをカットされた時などは傷が深い。

それを怖れずにやり続けないといけないし、チャレンジからのミスで失点して試合を落とすこと自体は今季は割りきっているが、前後が連動してプレスをかける、奪われたらその場で奪い返すなどの基本的な約束ごとまでがあいまいになってグイグイ押しこまれるのをこの時期に見るのは厳しい。

アルベル監督として落としこみたいことの優先順位はどうなのか、完成度はどこまできているのか、目論見に対してアドバンテージがあるのかビハインドなのか、なんでもかんでも「今季はしかたない」ですませることはできず、やろうとしていることのうちなにができていてなにができていないのかをしっかり整理しないと先に進めない。

選手や監督が必死でやっていないとは思っていないし、目指す方向ややり方が間違っているとも思わないが、そこに至る道筋のなかでこのもたつきは果たしてあらかじめ覚悟した範囲のものなのか、それとも選手層なども含めてどうしても克服できていないなにかがあるのか。

僕としては選手層が戦術にマッチしていないとは思っておらず、リスクを取ってでもボールを捨てずに前に運ぶことにチャレンジするなかで、リスクが顕在化してしまうケースがまだまだ多いということなのだと感じている。

ただ、その前提となるゲーゲン・プレッシング的な守備戦術が強度的に落としこめていないうえ、パスをつなぐことに関してもまだまだオートマティズムができておらず、また技術も要求水準に達しておらず、いい感じでボールがつながり一気に裏まで行けるシーンもあるにはあるが、要はその数がまだ全然足りていないということではないか。

シュートは打てばすべて入るわけではなく、精度を高めることももちろん必要だがチャンスを数を増やすことが必須。まずは守備の強度を上げるところからだと思うが、それは本来シーズン前半にできていなければならないことだったのはないだろうか。

これで公式戦3連敗、リーグ戦も2連敗となった。18試合を終えて7勝7敗4分で勝ち点25(1試合あたり1.39)、順位はひとつ落ちて8位に。これから暑い季節になるが、ここで踏ん張って勝ち点を積み上げないと、戦術の落としこみ以前の話になってしまう。正念場だ。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
スウォビィク(5) 5失点はGKとしては言い訳できない。
中村(5.5) パス回しの終着点になることが多い。判断早く。
木本(5) 鳥栖の前線にいいようにやられた。
森重(5) チームを鼓舞して引っ張ることができず。
小川(5) 残念な最終戦になった。海外での活躍を期待。
安部(4.5) ケガが心配。安部を失って強度は落ちた。
青木(5.5) 微妙なボール・ロスト多く反応鈍かった。
松木(5) 対戦が2巡目に入ったところで真価問われる。
永井(5) 武器を生かせず。ゴールがほしい。
アダイウトン(4.5) 最近よくGKに当ててる。
渡邊(5) シュート決めたかった。
===
レアンドロ(4.5) 枠へ行きたいシュートあった。
長友(5) 流れ変えられず。
東(4.5) 縦にいいボールを入れるシーンはあった。
山下(5) 形はどうでもいいので早くゴールほしい。
岡崎(-) 時間短し。

今季は人間性が磨かれる心地がするなあ。


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