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【Jリーグ第12節】札幌 5-1 FC東京

■ 2023年5月6日(土) 14:00キックオフ
■ 札幌ドーム

ゴールデンウィークの連戦も最後の試合。福岡から中二日で札幌に転戦してのアウェイ2連戦は厳しい日程。自宅DAZN観戦。

ターン・オーバーということで最終ラインを全部入れ替えた他、前線もオリヴェイラと仲川をベンチに置いてペロッチとアダイウトンが先発。東慶は警告累積で出場停止となっている。特別指定の安斎がリーグ戦初出場となった。

布陣

スウォビィク
安斎 森重 トレヴィザン バングーナガンデ
小泉 松木
渡邊 安部 アダイウトン
ペロッチ

前半

例によってボールを握りながら押し上げたい東京と、高い強度でボールを狩りにくる札幌という展開に。東京は札幌のプレスをかいくぐって前線にボールを運びたいが、イージーなパスミスからのボール・ロストが多くリズムを作れない。

8分、中盤でボールを奪われると左サイドにボールを出される。対応した松木が逆を取られてエリアへの侵入を許すと、そのままシュートを決められ先制を許す。早い時間帯の失点で0-1と重いビハインドを背負ってしまう。

その後も東京は組み立てのパターンを札幌に読まれ、パスをカットされて逆襲を受けるシーンが続く。16分、松木の左CKに森重が頭で合わせるがボールは惜しくもバーを越える。これが東京のファースト・シュートとなる。

23分、アダイウトンがこぼれ球を拾って中央に持ち出しエリア外から狙うがGKにキャッチされる。26分、アダイウトンがドリブルで持ちあがりシュートを放つが枠外。27分にも松木からパスを受けたアダイウトンが左寄りからシュートを放ったがGKにセーブされる。

すると28分、中盤からのスルー・パスで縦を取られ、ここから逆サイドに出されたマイナスのパスをダイレクトにけりこまれて失点、0-2と追加点を許す。オフサイドにも見えたがセルフ・ジャッジで対応が遅れた感あり。

33分、アダイウトンの浮き球パスを受けて裏に抜けた渡邊がシュートを放つがミートしきれずGKがセーブ。いくつか一発モノのチャンスを作るものの決めきれない。

35分、エリア内で敵FWがバングーナガンデと交錯し倒れる。そのままプレー・オンとなったがVARが介入し、OFRの結果、バングーナガンデがアフターで敵FWをトリップしたことが確認されPKに。38分、このPKを決められて0-3とビハインドが広がる。

42分には左サイドでの競り合いのこぼれ球がファーに流れたところに松木が詰めてシュートを放つが惜しくもバーを直撃、さらにこのこぼれ球にアダイウトンが詰めるがバーを越える。0-3で前半を終了。

札幌の守備に苦しみながらも前にボールを運ぶ意志は見えたが、不用意なボール・ロストからの失点を重ね、前半を終えてみれば3点のビハインドを背負った。前を向いて戦うことはできており、スコア関係なく攻めきるところからやってまず1点を返したい。

後半

後半開始から安部、ペロッチ、渡邊に代えて青木、オリヴェイラ、仲川を投入。松木を一列上げてトップ下に配置、仲川が右ウィングに入った。

しかし後半も立ち上がりから札幌にチャンスを作られる。スウォビィクの好セーブもありゴールを死守していたが、50分、左サイドで密集になり、絞ったところでファーにボールを振られ、これをけりこまれて失点。0-4と出鼻をくじかれる。

55分、安斎に代えて徳元を投入、徳元はそのまま右SBに入る。57分、松木の右CKに森重が頭で合わせるが左に外れる。これも惜しかった。

その後はもはやリスクを取る必要のない札幌に対し東京が前に出る時間帯になったがフィニッシュまではたどり着けない。73分、アダイウトンが右サイドで敵をかわしてドリブル突破、中に運んで折り返すと、中央の仲川が流しこみようやく1-4と1点を返す。

このゴールで、交代を準備させていた俵積田をいったん下げたが、77分、アダイウトンに代えて俵積田を投入、左ウィングに入る。その後は試合がオープンになるなか、東京がリスクを取って前がかりに攻める時間帯となる。

81分、バングーナガンデからのアーリー・クロスに松木が頭で合わせるが惜しくもバーを直撃、86分にはゴール前の混戦からトレヴィザンが強烈なシュートを放つがこれも敵DFにブロックされる。ここでVARが介入、このブロックがハンドではないかとの検証に。

リプレイで見たところ、確かにわずかに敵DFのヒジに当たっているようにも見え、PKかとも思われたが、OFRは行われないままノー・ハンドで検証は終了。

これはファウルを取ってほしかったが腕には当たっていないとの判断なのか、あるいは不自然に身体を大きく見せたわけではないとの判断か。ボールのコースに張り出したヒジが当たったのではないかと思ったが厳しい判定となった。

アディショナル・タイムにも俵積田が左サイドからカット・インしてシュートを放ったがバーの上。さらに徳元のロング・スローを受けた仲川がゴール前にもちこんでシュートを放つが敵GKがセーブ、さらにこぼれ球をもう一度押しこもうとしたがバーの上に。

すると最後に、裏へけり出されたボールから札幌のカウンターとなり、手薄な背後を突かれて持ち上がられ、そのままけりこまれて失点、1-5に。敢えてリスクを取り前がかりになっていたところを裏返されたのでやむを得ない失点だった。

試合はそのまま終了、1-5の大敗でゴールデンウィークのアウェイ連戦は2連敗となった。

戦評

早い時間に失点したことから後手にまわる展開で、決定機に決めきれず、逆にキツい時間帯に着々と加点されて流れをひっくり返すことができなかった。終盤リスクを取って押しこんだ時間帯もあり1点は返したが、最後に後ろをやられて4点差での完敗。

つないで前に行こうとするのはいいが、プレスをはがそうと前に出したボールをことごとくカットされ、そこからひっくり返されて自陣に押しこまれた。弱点がはっきりしていて、そこを的確に突かれるとこういう結果になるということだろう。

点差ほど内容が悪かったとは思わないが、ターン・オーバーを実施したこともあって意図が通じ合わず、ムダにバタバタした部分もあり、このスタイルで完成度を高めることや、前にしかけながらも後ろのリスクを管理することのむずかしさを痛感させられた。

数字からはシュート数15-14、CK3-2、ポゼッション52-48と拮抗した内容だったように見えるし、実際チャンスも作りシュートの意識も高かったが、いかんせん失点を重ねすぎて最後まで流れをつかめず札幌のペースで進んだ試合だった。

ビルド・アップやリスク管理、強度などいくつかの課題をバランスさせる必要があるが、あちらを立てればこちらが立たない状態で、また相手にも当然スカウトされているので、一度通じた手がその後も有効であり続けるわけでもない。

先制されて流れを持って行かれたときの修正力も乏しく、ゲーム・マネジメントがハマっていない。全体の底上げを図りながらバランスよく成長するのはむずかしく、ベスト・ミックスを探る旅はまだまだ続くと思っていた方がいい。

その過程でうまく行く回数が増え、次第に再現性が見られるようになってくるというのが想定するプロセスで、いきなり完成形が出現したりはしない。結果を出しながら内容を磨いて行くしかなく、もどかしい時期があっても投げ出すわけには行かない。

この2連敗は星勘定としては痛すぎるし今日の負け方は悔しいが、すべてを否定するような試合ではないしそういう局面でもない。まだまだやらなければならないことは多く、それをやりきってなお何の希望も見えないなら方向を考えなければならないが、我々はまだそこまでなにかを達成したわけでもないだろう。

下を向いている時間はないので、課題を拾って丁寧につぶして行く以外に方法はない。やり続けよう。

12試合を終えて4勝5敗3分と負けが先行、勝ち点は15のままで1試合あたりの勝ち点は1.25に下がり順位は暫定で11位に。次節国立での川崎戦までに戦い方を整理する必要がある。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
スウォビィク(4.5) 5点取られたが同じくらいは止めた。
安斎(5) 特徴も見せたが悔しいデビュー戦になった。
森重(5.5) 守備を統率できず敵に振らされた。
トレヴィザン(5.5) オフサイドのセルフ・ジャッジはいただけない。
バングーナガンデ(5.5) 守備で対面の相手にことごとくやられた。
小泉(5) ひとりですべてをカバーするのはさすがにムリ。
松木(4.5) バーやポストとの相性が悪かった。
渡邊(5) リスクを取ったプレーが味方と通じ合えず。
安部(5) よく走ったがさすがにお疲れか。
アダイウトン(4.5) ゴールへの意識は高かった。
ペロッチ(5.5) ほぼなにもできず。これでは厳しい。
===
青木(5) 後半は小泉とともに中央を締めた。
仲川(4) あと1点取れてた。いてくれてよかった。
オリヴェイラ(5) 身体は張ってくれたが流れは変えられず。
徳元(4.5) 右もできることを実証。
俵積田(-) 時間短し。戦う姿勢は示した。

今日は先発で渡邊(11)、ペロッチ(22)、トレヴィザン(44)が揃っており、俵積田(33)がベンチにいたのでゾロ目ビンゴかと思われたが、ペロッチが前半で退いたので完成せず。次のチャンスを待ちたい。

それにしても、他のクラブが軒並み中三日で日曜日に試合をするのに、この試合ともう1試合(名古屋×G大阪)だけが中二日の土曜日開催で、しかも4クラブのうち東京だけが中二日のアウェイ連戦、それも福岡から札幌という無茶振りなのは、別にそのせいで負けたとは言わないものの納得しがたい。

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