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【Jリーグ第14節】鹿島 1-1 FC東京

■ 2023年5月20日(土) 15:00キックオフ
■ 県立カシマサッカースタジアム

クルマで日帰りするつもりでチケットも買っていたが、先週の週末は関西に帰省していたので今週は家でゆっくりすることにして、チケットは鹿島サポの友人に譲り自宅DAZN観戦することにした。

鹿島はこのところ5連勝と好調で難しい試合になることは当然予想されるが、東京も前節国立で川崎に勝ち調子を上げており、アウェイとはいえ勝ち点を持ち帰りたい。先発は前節と同じメンバー、ペロッチがメンバー外となった。

布陣

スウォビィク
長友 木本 森重 徳元
小泉 東 安部
仲川 オリヴェイラ 渡邊

前半

立ち上がりから鹿島がシンプルに前線にボールを放りこみ、セカンドボールを拾って攻撃をしかける。6分、右サイドの深いところに縦パスを入れられ、ここからのクロスにニアで合わされて失点。0-1と早い時間帯にビハインドを背負う。木本がマークを外して敵FWをフリーにしてしまった。

その後は守備に比重を移す鹿島に対し東京がボールを持つ時間が長くなるが、鹿島のブロックが堅く、またCBの空中戦の強さが際だち、チャンスは作るもののフィニッシュまではもちこめない。

16分、徳元の左CKに森重が頭で合わせるが敵GKにセーブされる。GKがファンブルしたボールを安部が押しこもうとするがこれはオフサイドに。東京のファースト・シュートとなる。

22分、右サイドの長友からのクロスに中央のオリヴェイラが頭で合わせるがこれはバーの上。25分、エリア内でパスを受けたオリヴェイラが敵DFに倒されファウルの判定。PKを得る。それほど激しい接触ではなかったが手を使って突き倒されたように見え、VARによるチェックの結果判定が支持される。

28分、オリヴェイラが自らこのPKを決め1-1と同点に追いつく。こないだ外してるのでちょっとドキドキしたが(オリヴェイラのPKはいつもドキドキするが)きれいに右下隅に転がした。

その後は激しく主導権を争いながら互いに攻撃をしかける展開になるが決定力を欠き神経質な試合になる。37分、徳元のロング・スローから中央で混戦となり、最後は仲川がバイシクル・シュートを放つがゴール左に外れる。鹿島の選手が審判に執拗に抗議していたがなにが問題だったのかわからなかった。

結局前半はそのまま1-1で終了。立ち上がりの失点はヤバかったが、いただきもののPKで前半のうちに追いつけたのが大きい。引き続きセンシティブな戦いになりそうだが我慢強くプレーしたい。隙を見せた方がヤられる感じのテンション高い試合になっている。

後半

後半から仲川に代えて塚川を投入。渡邊が右ウィングにスライドし塚川は左ウィングに。52分、左サイドで得たFKを徳元がけるとゴール前で混戦となり、最後は右に開いたオリヴェイラがシュートを放つがGKにセーブされる。

前半に引き続き交互に攻撃をしかけるが堅い守備に遭って攻撃権が移る展開に。ボールは往復するもののどちらも決定機は作れない。守備のバランスが拮抗しており選手の交代も難しい神経戦が続く。

74分、長友とオリヴェイラに代えてバングーナガンデと俵積田を投入。渡邊の交代が準備されていたが、直前にオリヴェイラがおそらく腿裏の違和感を訴えたため交代が差し替えになる。徳元が右SBにスライドしバングーナガンデが左SBに。また俵積田は右ウィングに入り塚川が偽トップになる。

83分、左CKをバングーナガンデがけったボールはいったん中央でひっかかり、こぼれ球に安部が詰めたが敵DFにブロックされる。

さらに84分、同様に左CKをバングーナガンデがけると、ニアの渡邊が頭で伸ばし、ファーの塚川がダイレクト・ボレーでたたきつける。ワンバウンドしたシュートはGKの頭を越えたが惜しくもファー・ポストに嫌われる。この試合で最も勝利に近づいた瞬間だった。

89分、渡邊に代えてアダイウトンを投入、守備面のリスクを取ってでも勝ち点3を取りに行くというメッセージだと理解。その後はボールをアダイウトンに集めようとするが思うように行かず、結局1-1の引き分けに終わった。

戦評

序盤のうかつな失点からPKで前半のうちに追いついたところまではよかったが、その後は互いにリスク管理を意識しながらのナーバスな戦いになり決め手を欠いた。内容的には妥当な引き分けというべきだろう。

好調の鹿島に勝ち越しを許さず、集中を保って最後までガチで渡り合った結果、最低限の勝ち点1を持ち帰ることになったのはポジティブに評価していいと思う。勝ち点3が取れなかったのは残念だし、取れるチャンスはあったが、一方で気が抜けたらそこで試合終了の感がある試合でここまで戦えたのは収穫だ。

数字的にはシュート数7-8、CK7-3、ポゼッション55-45と東京がボールを持ちながらも全体としては拮抗した殴り合いの感が強い。前節に続いて強度でやり負けなかったことで見るに値する試合はできた。

オリヴェイラのPKは敵DFのプッシングによるもので接触は確かにありダイブではない。そこまで強い接触ではなく、流されても受け入れるしかなかったが、手を使って押し倒したように見えるのがいかにも悪印象だし、接触がある以上、VARも主審の判定をサポートするしかなかったと思う。

フットボールで手を使うということはボールにはまったく関係のないファウルだということであり、強弱は本来関係ない。10回あったら5回くらいは流されそうなシーンで、PKはラッキーな感はもちろんあるが、少なくとも誤審とか不当な判定というのとは違う、サポートできる判断だった。

松木、熊田がU20代表招集で不在のなか、微妙に人が足りないのはしかたないが、交代は正直首をかしげざるを得なかった。ハーフタイムでの仲川の交代がそもそもナゾだったし(ケガでなければいいが)、オリヴェイラを下げたのはスクランブルとはいえ塚川のトップ起用はどうだったのか。

たとえばダブル・ボランチにして渡邊をトップ下に、安部をトップにして、俵積田を左に置くなど選択肢はあったし、青木を入れて中央を安定させ、東を上げる手もあったかもしれない。アダイウトンを使いにくい展開だったが、なんかこんなに人いなかったっけと思ってしまった。あとなんで長友下げて徳元右にまわしてまでバングーナガンデを入れる必要があったのかはナゾ。

試合展開としては前半のうちに追いつけたのが大きかったが、得点はPKだけで、流れからゴールが奪えていないこと、開始5分ほどでサクッと失点してしまったことは受け止めなければならない。課題はまだまだあるが、今日の強度を保ちながら戦術の落としこみと見直しのサイクルをまわして行けば底上げはできてくるはずなので、焦れずにやり続けたい。

これで14試合を終えて5勝5敗4分、勝ち点は19(1試合あたり1.36)となり10位に。4位から12位の9クラブが勝ち点差5のなかにひしめいており、今は順位より勝ち点を積み上げてこのグループから上に抜け出すことを考えなければならない。この引き分けの価値は次の試合の結果で決まる。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
スウォビィク(3) 安定したセービングで勝ち点を守った。
長友(4) ベテランらしく気の利いた動きで試合を締めた。
木本(4.5) しぶとくプレーしたが失点シーンだけが残念だった。
森重(3.5) 読みのよさでピンチの芽を摘んだ。
徳元(4) 動きが整理されていてバランスがいい。
安部(4) 基準の難しい判定に悩まされ続けた。
東(4) ここ一番でボールを落ち着かせた。
小泉(3.5) ポジションを捨てる判断ができる。
仲川(4) なぜ前半で交代だったのか。悪くなかったが。
オリヴェイラ(3.5) 前線で敵の守備を引っ張った。
渡邊(4) いるべき場所の見極めができている。
===
塚川(4) あれが入ってれば…。
俵積田(4.5) 特徴出せず。
バングーナガンデ(4.5) 最後のCKはちょっとがっくり。
アダイウトン(-) 時間短し。一発を期待したが。

水曜日にルヴァンカップがあるので、うまくターンオーバーしながらチームの状態を整えたい。

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