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【Jリーグ第28節】FC東京 2-2 横浜

■2022年9月3日(土) 19:00キックオフ
■味の素スタジアム

家のエアコンから水が漏れるようになり困っていたが昼のうちに業者が来てくれて修理できたので晴れ晴れとした気持ちで味スタへ。ヴェスパでバックゲート側の第二駐輪場までアプローチを乗りつけるのが気持ちいい。

前節アウェイで柏に打ち勝ち、今節は首位横浜を味スタに迎える。手ごわい相手ではあるが我々の現在地を知るための試金石となる試合だ。松木をベンチに置き、インサイドハーフは塚川と安部の組み合わせ。中村が左SBで先発した。

フォーメーション

スウォビィク
長友 木本 森重 中村
安部 東 塚川
紺野 オリヴェイラ 渡邊

前半

キックオフ前にインカムの不調か主審が四審と話し合う時間が長かった。序盤は互いにボールを持って押し上げようとするぶつかり合いに。中盤で激しく主導権を争い、奪ったボールを交互に前線に展開する流れとなる。

立ち上がりやや東京に分があり、9分、ショート・カウンターから右サイドでボールを持った紺野が巻いたシュート(例のヤツ)で狙うが惜しくもバーに嫌われる。これが決まっていればというヤツだがまあ言っても始まらない。

12分、横浜のカウンターから持ち上がられ、対応した長友が敵FWと並走したが敵FWが倒れてPKの判定に。確かに長友が敵FWの肩に手をかけてはいるものの決定的な影響があったとは思えず、ファウル自体が微妙であるうえ、接触はエリア外にも見え納得のできない判定。

VARが介入し長い中断のあと、OFRなしで判定はエリア外でのファウルに変更され横浜のFKに。これは枠外となり胸をなでおろす。あらためてDAZNで見たがそもそもファウルの判定自体どうなんだというシーンだった。

時間の経過とともに主導権は徐々に横浜に。東京は自陣で守備に追われる時間が長くなる。27分、スルーパスに裏抜けした敵FWを飛び出したスウォビィクが倒してしまうがノー・ファウルの判定に。これもVARが介入し再び結構長い中断となる。

DAZNでの確認ではスウォビィクが遅れて敵をブロックした後でボールに触れたように見えPKでもやむを得ないと思ったが、どういうわけか不問となりここでもホッとする。判定が不安定なうえ試合指揮も今イチで荒れ気味に。中断が長くペースを作れない。

その後もボールを支配されながらなんとか持ちこたえ、31分には紺野のシュートもあったが、40分、敵の左CKからファーで押しこまれ失点、0-1と先制を許す。流れからは守れていたがセット・プレーからのもったいない失点。

さらに45分、右サイドからクロスを入れられ、DFの間から押しこまれて失点、0-2と追加点を与えてしまう。ラインはそろっていたが森重と中村の間に入りこまれるのをケアできなかった。

VARの中断も長かったためアディショナル・タイムが7分と長く、その間に枠を捉えたミドルを放たれたがスウォビィクがセーブ、0-2で前半を終えた。

前を向いて戦えており、序盤は拮抗した争いだったが、次第に横浜に流れを持って行かれ、前半終わり方に立て続けに2失点を喫した。局面では遜色なく戦えていただけに失点が残念だが、やろうとしていること自体は間違いなく、後半も臆することなくやり続けるしかない。まず1点がほしい。

後半

後半開始から中村に代えてバングーナガンデを投入、あらためて前に出る選択をしたようだ。すると53分、左サイドからのFKをバングーナガンデがけり、ファーにこぼれたボールを塚川がワントラップからシュート。これがDFの間を縫って決まり1-2と1点差に。塚川はJ1初ゴール。

この勢いを生かすべく、57分、オリヴェイラ、紺野、安部に代えてフェリッピ、アダイウトン、松木を投入。フェリッピがトップに、アダイウトンが左ウィングに入り、渡邊が右ウィングにスライド。松木は左のインサイド・ハーフに入り塚川は右にスライド。

58分、松木の左CKに森重が頭で合わせるがバーの上。東京が積極的に前に出る時間帯となる。63分、松木の右CKに塚川が頭で合わせる。これが決まって東京が2-2の同点に追いつく。塚川はこの試合2ゴールの活躍。

その後は互いにチャンスを作りながら決めきれない。東京はアダイウトンの単騎突破やフェリッピへのフィードもからめて攻撃するが簡単にはゴールできない。73分、足をつった塚川に代えて木村を投入、3バックにしたようにも見えたが、木村を左SBにしてバングーナガンデを1列前に出したのかもしれない。

43分にはアダイウトンがフェリッピからのパスを受けてワントラップからの反転ボレー・シュートを放ったが枠外に。さらに44分には渡邊からのスルー・パスにアダイウトンが抜け出してシュートを放つが敵GKにセーブされる。

アディショナル・タイムには敵のシュートがバーをヒットするシーンもあり肝を冷やしたが試合は結局そのまま2-2で終了した。

戦評

前半、力負けする形で2点を失ったが、後半は交代カードもうまく使いながら追いつき、さらに逆転を狙った。互いに最後まで勝ち点3を狙いに行き、ヤるかヤられるかのシビれる展開となったが、勝機もあった一方で負けていてもおかしくなく、結果としての引き分けは妥当だった印象。

シュート数10-13、CK6-8、ポゼッション48-52と競ってはいるもののやはり少しずつ上回られたのは実感と合っている。ボールの動かし方には横浜に一日の長があり、苦戦することは覚悟のうえだったが、昨季の大崩壊やアウェイでの競り負けに比べれば、自分たちのやり方で正面から挑戦し、苦しみながらも2点差を追いついて勝ち点1を得たことは進歩と見ていいのではないか。

ホームでの勝ち点1に満足するわけには行かないし、勝機もあっただけに引き分けは悔しいが、フェアに見れば勝ち点1をもぎとった試合であり、自分たちの現在地を知るという点では大きな意味があった。誇っていい結果だと思う。

ハイプレスを受けながらもパスをつないでいなし、前にボールを持ちだすシーンも増え、やろうとしていることは確実に形になりつつある。

もちろんまだまだ危なっかしい部分もあるし、実際バタつき気味の時間帯に立て続けに2失点するなど前節を思い起こさせるシーンもあったが、この試合を見て「つたなさ」や「ほころび」の話をするのか、「勇気」や「挑戦」の話をするのか、もちろんどちらもしなければならないのだが、まずは「勇気」の話から始めたくなる試合だった。

これで戦績は26試合11勝9敗6分、勝ち点は39(1試合あたり1.50)となり順位は暫定8位とひとつ後退したが、1試合あたりの勝ち点では7位、到達できる最大の勝ち点では5位(3位とは5差)とまだまだ上は狙える。

まだ川崎、鹿島、C大阪といった上位との対戦を残しているが、その分地力で上に行ける可能性もあり、今季どこまで行けるか見てみたい。その足がかりとなる大きな勝ち点1であり、次節からの関西アウェイ2連戦が楽しみだ。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
スウォビィク(3) 前半最後のファイン・セーブで試合を救った。
長友(4) あやうくPKを取られそうになったが判定に疑問。
木本(3.5) 敵のハイプレスにも敢然と立ち向かった。
森重(3.5) 熱く戦ったがヘディングは決めたかった。
中村(4) 裏抜けしたヤツはシュートまで行きたかった。
安部(4) 果敢にボールを追い続けたがチャンスにはからめず。
東(4) 今日はいい縦パスが少なかったが安定感はあった。
塚川(2.5) 中盤で時間を使える。2ゴールは嬉しい。
紺野(3) 敵からしたら絶対イヤな選手。シュート惜しかった。
オリヴェイラ(4) あまりボールが来ず精彩を欠いた。
渡邊(3.5) アルベル東京の中枢になりつつある。
===
バングーナガンデ(4) 成長している。使い続けたい。
フェリッピ(4.5) 生きる局面が限られている感。
アダイウトン(3.5) 決まらなかったが十分脅威になった。
松木(3.5) チームを前に導いた。代表で不在になるの痛い。
木村(-) 時間短し。落ち着いてプレーできていた。

3万人に配布されるはずの手首に巻くライト、入場者29,000人だったのにもらえなかった。あと炎が上がる演出が(物理的に)熱かった。


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