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【Jリーグ第3節】C大阪 0-1 FC東京

■2022年3月6日(日) 16:00キックオフ
■ヨドコウ桜スタジアム

水曜日のルヴァンカップはもう選手もカツカツでの試合だったが、今日はそれよりはかなり出場できる選手が増えたようだ。リーグ戦は開幕戦以来2試合めだが、ここまで完成度はまだまだながら手ごたえは感じられる試合ができており、このへんで勝ち点3がほしい。

木本が最終ラインに復帰、オリヴェイラ、松木らも先発に戻ってきた。水曜日の試合で負傷交代となった青木も先発に名を連ねた。東が今季初めてベンチ入り。まだまだ万全ではないがなんとなく期待のできそうな布陣となった。

フォーメーション

スウォビィク
渡邊 木本 森重 小川
安部 青木 松木
紺野 オリヴェイラ アダイウトン

前半

試合は立ち上がりから東京がボールを支配、ボールを動かしながら敵陣でチャンスを作り、奪われたボールも早い切り替えで奪還をはかるなど、主導権を握って攻撃をしかける展開に。

15分、紺野が右サイドから入れたクロスは敵に触られ、こぼれたボールにアダイウトンがバイシクルで合わせるが枠には収まらず。18分には木本のロング・フィードを左サイドで収めたアダイウトンがしかけエリア外からシュートを放つが敵GK正面に。

22分、敵陣でアダイウトンと松木がボール・ホルダーにプレスをかけボールを奪う。アダイウトンが中央にクロスを入れるとニアのオリヴェイラがスルー、ファーで受けた紺野がボールを置き直してシュートし、これが決まって東京が1-0と先制する。ボール奪取が素晴らしかったし、紺野のシュートも落ち着いていた。

30分、敵陣でボール・ホルダーにチャレンジした青木がレイト・ヒットで警告を受ける。今村主審がカードを間違えてレッド・カードを提示したため東京サポが焦るが「今のなし」的にイエロー・カードを出し直した。一瞬「え?え?」ってなった。

その後も東京はボールを支配し敵陣で試合を進める。セカンド・ボールも回収できており、敵にほぼチャンスを作らせない。41分、右サイドからのクロスに中央で合わされヘディング・シュートを打たれるが、スウォビィクが鋭いリフレクションでセーブ、1-0のままで前半を終えた。

あと1点か2点は取れた感のある前半だったが、最少得点差とはいえリードして折り返せたのは大きい。ここからをどう戦うかが問われる。

後半

後半に入ると選手を2人代えてきたC大阪がパスをつなげるようになり東京がやや受けに回る。続けざまにシュートを打たれるなど、前半ほどボールを保持できなくなってくる。59分、紺野と安部に代えて永井と東を投入、永井が左ウィングに入りアダイウトンは右にスライドした。東はそのままインサイド・ハーフに。

61分、右サイドを破られ、やむなく対応に出た青木がスライディングで敵を引っかけてしまい、この日2回目の警告を受け退場に。中央を東と松木のダブル・ボランチにし、右SHにアダイウトン、左に永井、1トップにオリヴェイラを置いた4-4-1にシフトする。

ここからは一人多くなったC大阪がボールを保持し、東京陣内で一方的に攻撃をしかける展開となる。71分、オリヴェイラ、渡邊に代えて三田、中村を投入。三田が右SHに入り、アダイウトンが1トップに。

オリヴェイラはこの直前のプレーで傷んでいたが、当初示された交代選手がアダイウトンだったので、アダイウトンが「違うでしょ、傷んでるオリヴェイラでしょ」的な感じで必死に訴えかけていたのが彼の人柄を示していた。結局交代選手は変更された。

その後もC大阪の時間が続くが、中央は締め、シュートに対してはスウォビィクの好セーブもあってゴールは死守している。84分、アダイウトンに代えて山下を投入。アダイウトンはこのとき自ら担架を要求、疲弊する味方のことを考えてか、時間をかけてピッチを後にした。

その後も東京はほぼ防戦一方、クリアしてもセカンド・ボールを回収されて波状攻撃を受けるが、7分間のアディショナル・タイムもなんとか全員で守りきり、苦しいながらも1-0で今季公式戦初勝利を挙げた。

戦評

前半は前プレがしっかりかかっており、しっかりボールを支配しながらチャンスを作ることができていたし、実際先制もすることができたが、後半に入って流れが敵に傾きつつあったところに青木の退場で決定的に形勢が逆転してしまった。

ひとりの退場でそこまで変わるかと思うくらい急に押しこまれたが、リスク管理を優先して後ろでセットする守備に変えたからか。監督の指示なのか、選手らの判断なのか、ここのマネジメントはよく考える必要があると感じた。

速いネガティブ・トランジションから、そのまま前線でボールを奪い返す守備が本来の狙いだと思うが、その結果スライディングをかわされ、後ろに人がいない状態で抜け出されるシーンが散見されたのも改善の余地はあるように思った。

一方で攻撃に関しては、特に前半、強度の高い守備から繰り返し相手ゴールを脅かすことができており、それなりに形になっていた時間帯もあった。一方で最終ラインからのビルド・アップは長いボールに頼るシーンも多く、スウォビィクの足下にも不安があってまだまだこれから。

ただスウォビィクは決定的なシーンを少なくとも3本は驚異的なリフレクションでセーブしており、今季獲得して本当によかった。間違いなく試合を救ったMOMであり、足下が少々不安でも関係ない大きな貢献があった。

数字を見ればシュート数8-10、CK5-8、ポゼッション48-52となっているが、前半はまるで逆の数字が出ていて、前後半で様子がまったく変わった試合だった。本当は前半にあと1点でも2点でも取っておくべきだったが、それができなくても1点を守りきって勝てたのは結果として大きな自信になった。

ACLに出場するクラブが先行して日程を消化しているため、既に5試合を終えているクラブがある一方で、東京はCOVID-19の影響での試合中止もあってリーグ戦はこれが2試合め。1勝1敗の勝ち点3(1試合あたり1.50)で14位という状況。まだまだ星を読む時期ではないが、今日のように勝ち点を積み上げながら内容を改善して行かなければならない。

中止になった試合の振り替えも含め、しばらくはきつめの日程が続くので、しっかり試合を消化しながら態勢を整えて行きたい。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]
スウォビィク(1.5) 昨季仙台で見せられたセーブを目の当たりに。
渡邊(4) まだまだ不慣れで守備に課題。攻撃参加も改善の余地。
木本(3) 正確なフィードで存在感を見せた。
森重(3.5) ややキックの精度を欠いたがよく締めた。
小川(3.5) 攻守に安定感あり守備戦もやりきった。
安部(2.5) 前半のボール奪取からの展開がよかった。ケガ心配。
青木(3.5) 効いていたが退場で一気に劣勢に。
松木(3) 得点の起点となるボール奪取はデカい。
紺野(2.5) このスタイルに合っている。決勝ゴール。
オリヴェイラ(3.5) 今季も身体を張ってくれている。
アダイウトン(3) 惜しいシュートあり、貢献大きかった。
===
東(3.5) 苦しい流れのなかで焦らずボールを落ち着かせた。
永井(3.5) 守備の貢献で勝ち点3を守った。
中村(4) 彼らしいボール奪取もあった。
三田(4) 守備に忙殺され特徴は出せず。
山下(-) 時間短し。決めたいシーンあった。

来週はいよいよ今季初めての味スタ。内容の伴う勝利を。


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