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【Jリーグ第33節】名古屋 2-1 FC東京

■2022年10月29日(土) 15:00キックオフ
■豊田スタジアム

名古屋はアウェイ遠征圏外だが今季最後のアウェイ・ゲームとあってムダに気が大きくなり新幹線で日帰り遠征することにした。しかし豊田スタジアムは名古屋から遠く、駅からも遠い。もうちょっと近くにならないか。天気がよかったのが救い。

3週間ぶりの試合。シーズン残り5、6試合くらいから今季の修了試験のつもりで見ているが、ここまでもちろん課題はありつつも、初年としての成長を感じさせる及第点の出来だと思う。あと2試合、アウェイとホームで今季の到達点を厳しく問われる試合になる。

オリヴェイラがケガの治療のためブラジルに帰国してしまったのでフェリッピがトップで先発。ウィングは右に渡邊、左にレアンドロ。

フォーメーション

スウォビィク
長友 木本 森重 バングーナガンデ
塚川 東 松木
渡邊 フェリッピ レアンドロ

前半

立ち上がりからボールを保持して敵のプレスをかわしながら押し上げたい東京に対して、奪ったボールを素早く前線に展開し自陣ではしっかりブロックを形成する名古屋がガッチリ組み合う流れに。3分、クロスからのシュートを枠に飛ばされるがスウォビィクがセーブ。名古屋の方がストレートにゴールに向かってくる分怖さがある。

10分、右サイドの深いところでFKを与える。距離の短いCKのような位置からゴール前に放りこまれたボールを正面でヘディングされ失点、早い時間帯に0-1と先制を許す。難しい相手に対して難しい試合展開になってしまう。

その後も東京はボールは持つものの名古屋の固いブロックを打開できず、逆に引っかけられたボールでチャンスを作られる流れに。セカンド・ボールも名古屋が回収するケースが多く、局面で競り負けている感が強い。

それでも時間の経過とともにボールを持って敵陣に攻めこむシーンが増える。24分、松木からの縦パスを受けたレアンドロがドリブルで持ちこんでシュートを放つがDFにブロックされる。26分、正面30メートルのFKをフェリッピが直接狙うがDFに当たる。

28分にはカウンターからゴール前でボールを受けた渡邊が敵DFにからまれながらも反転してシュートを放つがDFにブロックされる。チャンスは増えるが名古屋の守備も厚くなかなか決めきることができない。

36分、再び中央でFKを得る。今度は25メートルほどの距離でレアンドロがけったがボールは敵GKの正面に飛んでしまう。名古屋のプレスをかいくぐってボールを前に運ぶところまではできているが、最後を決められないまま0-1で前半を終えた。

序盤、試合の入りが重いところで名古屋に主導権を握られセット・プレーから失点。その後徐々に盛り返したものの追いつけていない。流れは取り返しつつありこのままやり続けたい。

後半

後半開始から間もない49分、左サイドで松木とのコンビネーションから裏に抜けたバングーナガンデがクロスを上げる。いったん敵DFにクリアされたが、このボールを右サイドから上がった木本が拾い、エリア手前からシュートを放つとゴール右隅に決まり1-1の同点に。ここまで上がってコンパクトな振りから強烈なシュートを決めた木本をほめるしかない。

その後はややオープンな展開になりつつも、追いついて流れを引き寄せた東京がボールを支配し敵陣で波状攻撃をしかける。セカンド・ボールをことごとく拾い、ボールを動かして一気に逆転を狙いに行くが、名古屋も必死でブロックを組んで抗戦、バチバチのやり合いになる。この時間帯に決めておきたかった。

62分、レアンドロに代えて紺野を投入。紺野は右ウィングに入り渡邊が左にスライドした。このタイミングでアダイウトンかと思ったが交代意図はどうだったのだろうか。アダイウトンに頼らずに打開を試みたということか。

69分、自陣でFKを与えると、名古屋がこれをクイック・リスタート。スルー・パスを深い位置に通され、そこからのクロスはスウォビィクが触れたがファーで押しこまれ失点、1-2と再び勝ち越しを許す。気が抜けていたわけではないが対応が後手に回った。

75分、塚川と渡邊に代えて安部とアダイウトンを投入。それぞれそのままの位置に入る。その後は東京がボールを握り、紺野が何度か単騎でエリアにしかけるなど反撃したが名古屋の守備網を突破できない。87分、松木と長友に代えて三田と中村を投入したもののそのまま試合終了、今季最後のアウェイ戦は1-2での敗戦となった。

戦評

序盤にセット・プレーから失点、その後なんとか試合の流れを取り戻し後半開始早々にはいったん追いついたが、その後の押せ押せの局面で一気に逆転することができず、またしてもセット・プレーから勝ち越されて悔しくも勝ち点を持ち帰れなかった。

シュート数11-10、CK6-4、ポゼッション67-33と数字的には東京が支配していた試合だったが、名古屋にうまく守られ効率よく得点を挙げられた。

手も足も出なかったわけではないし、ガタガタに崩されたわけでもない。先制はされたがゲームプランが機能しなくなったわけでもなかった。1点は取り、チャンスは作りシュートも放ったが、セット・プレーから2点やられた。

こういう試合をどうやってこちらの試合にするかは、戦術とはまた別の話として考えなければならないし、上位を狙うのであれば必要なことだ。この試合は内容的にそこまで悪くなかったが、それを結果につなげられなかったという点で、修了試験として大きな課題を残した。

個別に見れば、レアンドロがワンタッチでボールをさばいた結果、敵に簡単にボールを渡してしまうシーンが何度もあった。そこから一気に状況が打開できることもある一方、ボールをプレゼントして失点に直結することもあるわけで、これをどう考えるかは難しいと思った。

一方でフェリッピが敵を背負いながらボールを受けてしっかりキープし味方に渡してくれるいいポストを再三披露し、ゴールはなかったもののチームにフィットしてきていることを感じさせた。来季は残ってくれるのだろうか。

33試合を終了して14勝12敗7分、勝ち点49(1試合あたり1.48)で順位は6位に落ちた。またACLの可能性のある3位には届かないことが確定した。

次節は開幕戦で負けた川崎とのホーム・ゲーム。川崎は優勝の可能性を残しているが、そのためには勝つ必要があり、我々が川崎に勝てば目の前で優勝を決められることはない。我々の成長を図る絶好の試合であり、優勝の可能性を残して味スタに来てくれるのは歓迎だ。最高の修了試験になるだろう。

すでに最終節の味スタは完売。川崎には悪いが味スタでシャーレを掲げるのはあきらめてもらおう。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
スウォビィク(3.5) 厳しいシュートも止めた。失点はノー・チャンスか。
長友(4) 長友から東にボールが付けられるといいのだが。
木本(3) シュートは能力の高さを示した。今季の東京のMVP。
森重(3.5) 最終ラインでボールを預かり攻撃を組み立てた。
バングーナガンデ(4) 裏へのしかけが生きた。成長が見える。
塚川(3.5) 気の利いた動きで必要な場所にいつもいた。
東(3.5) 中盤のリスク管理の要。いいパスも出した。
松木(3.5) よくボールにさわったが微妙なロストも。
渡邊(4) 窮屈ななかでも存在感は見せたが決定機にはからめず。
フェリッピ(3.5) いいポストで流れを作った。フィットしてきている。
レアンドロ(4) 簡単にボールを失うことも多かった。
===
紺野(4) しかけはしたがやりきれず。
アダイウトン(4) この日は不発。かなり警戒されている。
安部(4) フレッシュさはあったが効果は限定的。
中村(-) 時間短し。
三田(-) 時間短し。

豊田スタは見えてからが遠い。あと巨大建築すぎて高所恐怖症的にちょっと怖い。三階席のいちばん前で手すりがじゃまだったのが残念。

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