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【Jリーグ第24節】FC東京 0-2 清水

■2022年8月7日(日) 18:00キックオフ
■味の素スタジアム

暑くはあるがそれほど不快ではない真夏の日曜日。前節広島にアウェイで勝ち、ACL圏内くらいなら狙えるんじゃないのかという野望を胸に臨む久しぶりのホーム・ゲーム。2連勝中の勢いが本物かどうか問われる。

スウォビィクが先発に復帰、レアンドロもベンチ入り。一方で渡邊は引き続きメンバー外となった。どこのクラブもコロナ感染者が多く人繰りに苦労しているなか、なんとかベスメンに近い顔ぶれを揃えることはできた。

フォーメーション

スウォビィク
長友 木本 森重 バングーナガンデ
安部 東 松木
アダイウトン オリヴェイラ 三田

前半

立ち上がりから拮抗した展開に。ボールを保持しながら押し上げたい東京に対し、清水は奪ったボールを素早く運ぼうとする。中盤で激しく主導権を争い、どちらにもチャンスが生まれる予断を許さない流れになる。

東京は前節から続いてリスクを取ってでも当てて落として前に走るという繰り返しの意識が見え、テンポよく前にボールを運べるシーンもあるものの、それをトリガーに敵のゴール前になだれこめるところまでは構築できていない。

39分、三田の左CKに森重が頭で合わせる。これは敵DFにブロックされるが、エリア内でこぼれたボールをアダイウトンがけりこみゴール。東京がいい時間帯に先制かと思われたが、アダイウトンのシュートの際に東がGKの前に立っており、これがオフサイドの判定となってノー・ゴールに。

東はボールに触れていないのはもちろん、GKの視界をさえぎってもおらず、プレーに関与したかどうかという点では異論もあり得ると思うが、結果としてこの試合の流れを決めたクリティカルな判定になった。アディショナル・タイムには足裏を見せて敵をタックルした東が警告を受けたが退場相当ではとの議論もあり。

五分のしのぎ合いだがねばり強く戦い流れは渡していない。こういう試合でしっかり勝ち点を取りたい。フェリッピ、レアンドロ、紺野とベンチに人はおり、交代メンバーに期待。

後半

しかし後半開始間もない58分、左サイドで松木が振りきられクロスを上げられる。これをファーから入りこんだ敵FWが頭で沈め清水が先制、0-1となる。

60分、三田と東に代えてレアンドロと塚川を投入。塚川と松木のダブル・ボランチで、レアンドロがトップ下、アダイウトンが左、安部を右のSHに押し出した4-2-3-1にシフトしたようにも見えた。

レアンドロにボールを預けて打開を図るが、先制点を得て自陣で守りを固めるようになった清水のブロックはなかなか崩せない。ボールは保持しているものの、バイタルでの試行錯誤ではなかなかゴールに迫れていない。

77分、安部とアダイウトンに代えてフェリッピと紺野を投入。紺野が右SH、オリヴェイラが左SHに入り、フェリッピが1トップか。東京がポゼッションを得て敵陣で試合を進め、たて続けにシュートを放つが決めきれない。

81分、紺野が右サイドから中に持ちこんでゴール前にクロスを上げると、ファーから走りこんだバングーナガンデが合わせるが枠に飛ばず。タイミング的には合っており絶好機だったが難しい形になってしまった。

すると85分、敵CKからの流れで一度はボールを確保したが自陣で裏返され、左サイドからクロスを入れら得る。これをゴール前で頭で合わされ失点、0-2となる。この時点でほぼ試合は決まった感があった。

86分、バングーナガンデに代えて鈴木を投入。鈴木は右SBに入り長友が左へ。89分には左寄り30メートルほどの位置でFKを得てレアンドロが直接狙ったがバーの上に。5分間のアディショナル・タイムも攻め続けたがゴールが遠く、結局0-2での完敗となった。

戦評

圧倒的な力の差があったわけではなく、どちらが勝ってもおかしくない試合だったが、決定機をモノにした方が勝ち点を手にする結果となった。数字的に見てもシュート数9-11、CK4-6、ポゼッション51-49とほぼ互角で、こうした試合で勝ち点を得られるかどうかは戦術とはまた少し違った話。この試合はそれができなかった。

ボールの運び方、ひとりひとりの位置どりと役割、プレー選択など組織的に前進するための方法論は確実に進化しつつあり、ただそれだけでオートマティックに勝てるほど完成しているわけでもないので、実戦のなかで形を作りながらも最低限の結果をどう積み上げるかという難しい課題に直面している。

今季はひとつひとつの勝敗に一喜一憂せず、内容本意で我慢強くつきあうしかないとシーズンの最初に覚悟を決めているはずで、今日の敗戦もその中では重要なレッスンであったと思う。やり続けて行く中で勝ちも負けもあり、重要なのはそのなかで続けるべきことと直すべきことをしっかり仕分けすることだ。

その意味で今日の試合は、徹底できていなかったこと、やろうとしたが力が及ばなかったことがまたいくつか拾えたと評価できるのではないか。あと、塚川が中盤の底で自信をもってボールをさばいていたのは頼もしかった。フェリッピはまだちょっとわからない。鈴木のスーッと伸びて行くアーリー・クロスには希望を見た気がした。

これで24試合を終了、10勝9敗5分で勝ち点は35のまま、1試合あたりでは1.46となったが、暫定7位は維持。勝てば上が見えた試合だったがここで詰めきれないのが今季の実力かもしれない。やり続けよう。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
スウォビィク(4.5) ハイボールは手堅く処理したが2失点は残念。
長友(4.5) 攻撃で何度かいい持ち上がりがあった。
木本(4) 安定感あり。最後は傷んでいたか。気になる。
森重(4.5) ボールが足につかず、リスクある対応もあった。
バングーナガンデ(5) 姿勢は買う。臆せずやり続けよう。
安部(5) 精度に問題を残した。
東(4.5) 一発退場のリスクあるプレーあった。オフサイド残念。
松木(4) 奪いに行く判断が鋭い。
三田(4.5) 好調だが最後のところがなかなか合わない。
オリヴェイラ(4) 彼が削られて得たチャンスは生かさないと。
アダイウトン(4) ゴールだと思ったが。
===
レアンドロ(4.5) 球離れの悪さが目立った。
塚川(4) 落ち着いてボールを受けた。
紺野(-) 時間短し。いいクロスはあった。
フェリッピ(-) 時間短し。シュート打てたのはよし。
鈴木(-) 時間短し。オレは推す。

今季も残り10試合、進歩はしていると思うがここからなにか残したい。

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