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【Jリーグ第31節】FC東京 0-2 湘南

■2022年10月8日(土) 15:00キックオフ
■味の素スタジアム

久しぶりの味スタ。曇り空でやや肌寒い秋の気候となった。前節鹿島にアウェイで勝ち凱旋、リーグ戦3連勝を目指す。残留を争っている湘南は難しい相手になるが、こうした相手にも自分たちの戦いがしっかりできるか、今節も重要な修了試験になる。

出場停止の明けた森重が先発に復帰、中盤では松木をベンチに置き安部がインサイド・ハーフで先発。それ以外は前節と同じ布陣となった。中三日で水曜日にC大阪戦が控えているが大きなターンオーバーはなかった。

フォーメーション

スウォビィク
長友 木本 森重 バングーナガンデ
安部 東 塚川
渡邊 オリヴェイラ レアンドロ

前半

立ち上がりは湘南の出足のいいハイ・プレスに押され、ボールを支配できず自陣に押しこまれる展開に。シュートを打たれるが枠に収まらないものも多く難を逃れる。つなぎにミスが出て自陣でボールを失うことが多くバタバタした。

10分過ぎあたりから東京がボールを持つ局面が増えるが、中央をしっかり固められ、長いボールも使ってサイドの裏を狙いに行くがフィニッシュまでは持ちこめない。機会をうかがううちにボールを失いカウンターを受けるシーンも多い。

23分、レアンドロからパスを受けたバングーナガンデが左サイドで持ち上がり、戻しのクロスを入れるとオリヴェイラが中央で後ろに落とし、走りこんだレアンドロがダイレクトでシュートするが敵DFに当たり枠外に。

31分、森重からのフィードを右サイドから斜めに走りこんだ渡邊が裏で受け、クロスを入れるとファーに安部が飛びこんだがシュートは枠に入らず。渡邊の飛び出しがオフサイドの判定となる。

レアンドロ、オリヴェイラを核に、安部、バングーナガンデらがからみ裏を取ろうとするが湘南の守備も集中しておりブロックは固い。交互に攻撃をしかける時間帯が訪れる展開となるがチャンスは湘南の方が多い。どちらも決めきれないままスコアレスで前半を終えた。

湘南の3バックとフォーメーション的なかみ合わせが悪いのか敵を捕まえるのに苦労する一方でこちらの攻撃はふたをされている。それでもパスをつないでプレスをかいくぐり、前線での勝負に持ちこむ意図は見えるしチャンスは作った。どちらに転んでもおかしくない試合だが引かずに戦いたい。

後半

後半に入っても展開は変わらず。47分、レアンドロが倒されて得た左サイドでのFKをレアンドロが自らけるとニアの渡邊が頭で合わせるが敵GKがセーブ。

52分にはカウンターで攻め上がりオリヴェイラからレアンドロにラスト・パス。レアンドロはシュート・コースを作ろうと切り返したが敵DFに対応される。54分、渡邊が敵陣でボールを収め切り返しからシュートを放つが敵DFがブロック。

55分、塚川のクロスにオリヴェイラが頭で合わせるが枠外に。さらに57分、レアンドロのCKに森重がヘディング・シュートを放つが枠外に。この時間帯は東京が立て続けにシュート・チャンスを作ったが決めきれず。

その後は拮抗した戦いとなる。67分、オリヴェイラが足をつったか担架で退場、フェリッピがイン。そのままトップに。

70分、突然VARのチェックが入る。塚川の敵へのチャレンジが退場の可能性ありということだったようだが結果は警告に。主審がポケットに手を入れた瞬間スタジアムに緊張が走ったが出したカードが黄色だったので露骨に「よかった~」的な空気が流れる。

73分、レアンドロと塚川に代えてアダイウトンと松木を投入。78分、エリア正面手前の20メートル以上ある位置から強烈なミドル・シュートを打たれる。これがゴール隅に決まり先制を許す。0-1と重いビハインドを背負ってしまった。シュートがよすぎた。

さらに82分、前がかりになったところで連係のミスからボールを失い、左サイドを縦に持ち上がられる。ドリブルを止められずそのままエリアに入られ最後はスウォビィクとの一対一から冷静に流しこまれて失点、0-2と決定的な追加点を与えてしまう。これも敵FWの個の力でやられた。

83分、安部と長友に代えて紺野と中村を投入、紺野は例によって右ウィングに入り渡邊がインサイド・ハーフに落ちたか。終盤はリスクを取って圧をかけたが湘南の守備が堅く寄せも早い。アディショナル・タイムは7分あったがゴールは遠く、結局0-2で完敗となった。

戦評

主導権を握りきれないなか、互いに自分たちのスタイルを表現した試合で、どちらが勝ってもおかしくはなかったし、試合自体はインテンシヴで面白かったが、終盤に一発モノのゴールを決めた湘南がダメ押しも決まってゲームを持って行った。

数字を見ればシュート数5-9、CK5-7、ポゼッション59-41と、東京がボールは持ったもののチャンスの数では湘南に上回られた試合だったことがわかる。それが結局ゴールの数に表れてしまったということだろう。

ボールを支配する時間を長くし、パスをつなぎながら前線で勝負する意図ははっきり表現できたが、湘南は湘南で自らのゲーム・プランをしっかりと実行してきて、そのぶつかり合いの中でできたこととまだできていないこと、フォーメーション的にかみ合わない部分などがあったということだろう。

気の抜けたプレーをしていたわけでもないし、目的ややるべきことを見失っていたわけでもない、意図をもって取り組んだが当然うまく行かない部分もあり、拮抗した渡り合いのなかでどちらに転ぶかわからない部分もあり、結果を敵に譲ってしまったということ。

出足がよくやることがはっきりしているチーム、特に3バックのチームには相性が悪いところがあり、我々のスタイル、フォーメーションを貫こうとするときにこれをどうするかは今季の大きな課題として残っている。

今日はそのなかでも終盤までガチでやり合いできており、最後はオープンになったところでやられはしたものの、シーズンを通じての成長は見ることができたと思う。修了試験としては合格とはいえないが、現在地を示すことはできた。

今日はレアンドロがせっかくパスを受けながら収めきれず簡単にボールを奪われるシーンが多く、研究されていると感じた。オリヴェイラもポストしたところを執拗に詰められていたし、さすがにこのへんは対策される前提で考えなければならないということか。

これで東京は31試合を終了、13勝11敗7分で勝ち点46のまま、1試合あたりの勝ち点は1.48となり暫定順位は7位に落ちた。残り3試合(ホーム2試合、アウェイ1試合)で勝ち点をどこまで伸ばせるか、修了試験は続く。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
スウォビィク(3.5) 先制点は敵のシュートがよすぎた。
長友(4) 敵の寄せが早く前にボール運べず。
木本(4) 敵のハイ・プレスに手を焼いた。
森重(3.5) 貫録のフィード、シュート、対人を見せた。
バングーナガンデ(3.5) アラはあるが特長は出せている。
安部(4) 果敢に前に出たが前節の再現はならず。
東(3.5) ブロック固くなかなか縦に通せなかった。
塚川(3.5) 要所でリスクをつぶしたが警告受け交代。
渡邊(4) ムラが多く空回りもあった印象。
オリヴェイラ(4) ゴール決めさせてやりたい。
レアンドロ(4) 球離れの悪さが今日は悪い方に出た。
===
フェリッピ(4.5) なじみつつあるがまだ本領は出てない。
松木(3.5) ベンチ・スタートは水曜日に備えたか。
アダイウトン(4) 今日は無双を見せられず。
紺野(-) 時間短し。
中村(-) 時間短し。

端的にいえば湘南がよかった。我々もやることはやった。

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