A KIND OF GRAFFITI 2 / 佐野元春プレイリスト(2)
今回は「A KIND OF GRAFFITI」の後半16曲。カセットテープの時代はB面にあたる部分だ。前半の16曲はこちら。
WONDERLAND
シングル『Sugartime』のフリップ・サイドに収録されていた曲。長くCD化されていなかったが、2002年にリリースされた「SOMEDAY Collector's Edition」にモノラルで収録された。ソニー・ウォークマンのCMに使われた2分強の短い曲で全編英語で歌われる。初期ビートルズへのオマージュ。この曲をB面の冒頭に置くのもずっと変わっていない。
Season In The Sun
アルバム「Café Bohemia」に収録されているが、ここではシングル・バージョンを。とはいえ実際大きな違いはない。シングル・バージョンはコンピレーション・アルバム「The Singles Epic Years」から。
ガラスのジェネレーション
2ndシングル。アルバム「Heart Beat」収録。ニック・ロウの『Cruel To Be Kind』を下敷きにした伊藤銀次のアレンジがポップでいいが曲のメッセージは硬質でありイノセント。
ビートでジャンプ
アルバム「Back To The Street」から。どうってことのないただのロックンロールだがそれがいい。これも伊藤銀次のアレンジが冴えている。
LOOKING FOR A FIGHT
シングル『Season In The Sun』のフリップ・サイド。片岡鶴太郎に提供した楽曲を自らカバーしたもの。オリジナル・アルバムでは聴けない割りきったポップ・ソングで、ダディ柴田の乾いたサックスが効いている。「The Essential Café Bohemia」から。
So Young
シングル『スターダスト・キッズ』のフリップ・サイド。コンピレーション・アルバム「No Damage」に収録される際に追加レコーディングが行われミックスもやり直されているが、ここでオリジナル・シングル・バージョンを。「SOMEDAY Collector's Edition」に収録。
愛することってむずかしい
シングル『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』のカップリング。アルバム「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」のアウト・テイクだろう。ピート・トーマスのドラムがキレッキレ。
Bye Bye Handy Love
シングル『SOMEDAY』のフリップ・サイド。コンピレーション・アルバム「No Damage」に収録される際に中間部が大幅に編集されサイズが40秒以上短縮された。ここではオリジナル・シングル・バージョンを。
Night Life
3rdシングル。アルバム「Heart Beat」収録。サックスをシンセでバックアップすることでリフに厚みを出し、R&Bのフィーリングを表現することに成功している。
枚挙に暇がない
アルバム「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」のアウト・テイク。2008年のコンピレーション・アルバム「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 限定編集版」に収録されて陽の目を見た。軽快なスカ・ナンバーで、埋もれさせておくのはもったいない。
十代の潜水生活
ザ・ハートランド解散後初めてリリースされたシングル。アルバム「FRUITS」に収録されたがミックスが異なる。大差はないがここではシングル・バージョンを。ブランクからの復帰が身もフタもないロックンロールだったのが本当に嬉しかった。
Rain Girl
アルバム「THE CIRCLE」収録。軽快なポップ・チューンであり、トヨタ・カルディナのCMに使われたがシングル・カットされなかった。CMには佐野も出演した。
ボヘミアン・グレイブヤード
アルバム「Sweet16」収録。タイトルは「ボヘミアンの墓場」、そこには何が葬られているのか。曲調は軽快でコミカルですらあるが、そのメッセージはシリアスであり、佐野の表現が成熟する過程で重要な曲。
マンハッタンブリッヂにたたずんで
オムニバス・アルバム「NIAGARA TRIANGLE Vol.2」収録。当初はアルバム「SOMEDAY」に収録予定であったが、レコーディング中に大瀧詠一がどうしても「NIAGARA TRIANGLE Vol.2」に入れたいと言いだし持って行っちゃったという。
だいじょうぶ、と彼女は言った
アルバム「Stones and Eggs」収録。シングルとしてもリリースされているがバージョンは同じと思われる。英文タイトルであり歌詞にも出てくる「Don't think twice it's over.」はボブ・ディランの『Don't Think Twice, It's All Right』からのインスパイアか。
君をさがしている
オリジナルはアルバム「Heart Beat」に収録されているが、伊藤銀次のアレンジでバーズ流のフォーク・ロックを目指しながらドライになりすぎ中途半端な仕上がりに終わった。2000年にホーボー・キング・バンドで佐橋佳幸の12弦ギターをフィーチャーし新たにレコーディングしたバージョンが素晴らしく、このコンピレーションのラストにふさわしいと考えた。コンピレーション・アルバム「The 20th Anniversary Edition」に収録。
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