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【Jリーグ第16節】FC東京 3-1 鹿島

■2022年5月29日(日) 15:00キックオフ
■味の素スタジアム

30度を超える暑い天気となった日曜日、ヴェスパで味スタに乗りつけた。前節3-0で清水に快勝、流れに乗りたいところだが相手は首位鹿島。どこまでなにができるか真価を問われる試合になる。シーズンも前半はあと2試合。中間決算といっていいだろう。

小川の海外移籍が発表され、リーグ戦では今日が最後の味スタでの試合となる。水曜日の清水戦からは一部のメンバーを入れ替えたが基本的にはイツメン。右ウィングには前節存在感を見せた渡邊が続けての先発となった。

フォーメーション

スウォビィク
長友 木本 森重 小川
安部 青木 松木
渡邊 オリヴェイラ アダイウトン

前半

試合開始早々、主審のインカムに不具合があった様子で試合が止まる。2、3分わちゃわちゃしていた。立ち上がり、ともに主導権を握ろうと中盤で激しい競り合いになる。鹿島がやや優位に見えるが、最終ラインではしっかり対応できており決定的な形は作らせない。

一方、東京もサイドを起点に組み立てようとするが敵陣に入ると鹿島の守備も固くフィニッシュまで持ちこめない。拮抗した展開でゴール前のシーンの少ない試合となる。26分、左サイドのアダイウトンから松木を経由して渡邊がパスを受け左足でシュートを放つが枠外に。これが東京のファースト・シュートとなる。

33分、左サイドの小川が中央の渡邉に斜めのパスを入れる。渡邊はオリヴェイラにボールを預け、ワンツーで裏に抜け出すと、ニアを抜くシュートを決める。東京が1-0と先制する。選手同士の意図が合い、最後のシュートも上手かった。

さらに42分、アダイウトンが左サイドで敵DFを抜いてカウンターで持ち上がり、最後は中央のオリヴェイラにパス。オリヴェイラが粘ってボールをキープし、右サイドの渡邉に落とすと、渡邊がこれを受けて今度はファーにシュート。これが決まり2-0とリードを広げる。アダイウトンの突破、オリヴェイラのキープ、渡邊のシュートのどれもが素晴らしかった。

前半はそのまま2-0で終了。序盤は決してゲーム・プランどおりではなかったと思うが、粘り強く戦ったことでチャンスを拾うことができた。暑く消耗が激しいなか、後半は選手交代を使いながらどう試合をコントロールできるか。紺野、永井、山下をベンチに置いているアドバンテージを生かしたい。

後半

後半立ち上がりの50分、アダイウトンがオリヴェイラの落としを受けて左サイドからエリアに侵入したところで敵DFに倒される。これがファウルとなりPKを獲得する。52分、オリヴェイラがいつものアレでPKを決め3-0となる。

敵DFはギリでボールに行けていたようにも見えたが、アダイウトンの足も刈っておりまあPKの判定はサポートできる。正直これで勝った感はあった。

ところが54分、右サイドから入れられたクロスを中央で落とされ、エリア外からシュートを決められ失点、3-1と再び2点差にされる。得点直後の失点だけにイヤな感じになる。ここからしばらくは鹿島が主導権を握り東京は自陣で守備に追われる時間が続く。シュートも打たれるが枠をはずしてくれて助かる。

61分、渡邊と長友に代えて永井と中村を投入、それぞれ右ウィング、右SBに入る。するとここから再び流れが変わり、守備の強度も上がる。63分、小川がボールを奪いアダイウトンを使うがシュートは敵DFがブロック。

71分、松木からのパスを受けてアダイウトンが持ち上がり、中央に切れこんでオリヴェイラにラスト・パス。しかしオリヴェイラのシュートは枠外に。

79分、オリヴェイラに代えて紺野を投入。東京は試合をコントロールしながら時計を進める。80分、木本と森重が自陣で交錯、二人とも倒れこむシーンがありヤバい雰囲気になるが二人とも立ち上がりプレーを続行する。

83分、木本、松木に代えて岡崎、東を投入。木本はやはり足が厳しいようだ。89分、再びアダイウトンが持ち上がりシュートを放つがこれもGKにセーブされる。今日はアダイウトンのシュートは決まらない日だ。

90分、敵FWがエリア内に切れこもうとしたところを小川が止める。敵FWは倒れたが笛は鳴らず。VARが介入したものの判定は覆らず。リプレイで見ると微妙な感じだったが、互いに手を使って競り合っておりイーブンと判断したのかもしれない。

このVARの判定待ちもあってアディショナル・タイムは10分近くとなるが、東京は敵陣で時間を使い危なげなく試合をクローズ。3-1で首位鹿島に勝利し2連勝となった。

戦評

立ち上がりはなかなかペースが作れず鹿島に主導権を握られたが、ゴールをきっかけに流れを取り戻し、後半立ち上がりにも加点。その後すぐに1点を返されて苦しい時間帯もあったが、ここを耐えて再び流れに乗り、最後は危なげなく勝ちきった。

特に1点を失って鹿島が勢いに乗った時間帯にしっかり耐えられたことが試合を決定づけた。選手交代で再び試合をコントロール、あとはうまく時間を使いながら試合をオープンにせず最後まで首位を抑えこんだ。

数字だけを見ればシュート数9-11、CK7-2、ポゼッション51-49と必ずしも東京が優位というわけではないようにも見えるが、前半のうちに2-0にできたことでうまく試合を運ぶことができた。

前節に続いて開幕から積み上げてきた意図のある攻撃面での連係が形になった。アダイウトンの単騎突破やオリヴェイラの前線での踏ん張りなど個人技が寄与している部分ももちろん大きいが、それを組みこみながらボールを動かして最後はいい形で流しこむというチームとしての意志がプレーで表現できるようになってきたと思う。

この試合では渡邊のシュートが2本とも素晴らしかったのと、海外移籍が決まってふっきれたかのような小川のプレーが目を引いた。また、自身のゴールはなかったが、鹿島からはアダイウトンが本当にイヤな存在に見えたと思う。効いていた。

オリヴェイラはこの試合でも流れからの絶好機を外すなどついてなかった面はあったが、PKながら久しぶりにゴールを決めたことで波に乗って行きたい。プレー全体としては献身的にチームを支えており、少々ゴールから遠ざかっていても重要な存在であることはなにも変わらない。

暑い中、リードした状態で終盤に入ったため、中盤の交代要員が少ないのが気になったが、前線を入れ替えることで前への圧を増やしつつ試合をマネージできたのはアルベル監督の用兵が当たった。中村も引き続き好調だった。

東京はこれで16試合を終了し7勝5敗4分、勝ち点を25(1試合あたり1.56)とし、順位は暫定ながら6位に。首位横浜との勝ち点差は6であり、上位も狙える位置にあらためてつけ直すことができた。次節でシーズン前半が終わる。ここまで、まだまだ何もできてはいないものの、それなりの結果を出しながら走ってこられたのは上首尾だ。

ここからインターナショナルなどで試合が途切れ、次のリーグ戦は3週間後の6月中旬となる。また天皇杯では富士大学との対戦が決まっておりこの試合が6月8日水曜日に味スタである(4日か5日の週末にやらせてくれればいいのに)。

今季は上位も取りこぼしが目立ち、全体としては混戦になりつつあるように見える。この機に乗じてしっかり勝ち点を積み上げたい。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
スウォビィク(3.5) 失点シーンはさすがに届かなかった。
長友(3.5) しっかり前を向いて仕事をした。
木本(3) ケガは心配だがパフォーマンスは高かった。
森重(3.5) 森重が帰って来てから明らかに失点が減った。
小川(3) 味スタ・ラスト・ゲームで印象に残る働き。
安部(3) 前への推進力になった。
青木(3.5) 青木を経由することでリズムができる。
松木(3.5) かなり研究されてきた感ある。
渡邊(2.5) シュートが上手い。
オリヴェイラ(3) PKだがこのゴールをトリガーにしたい。
アダイウトン(3) 敵の戦意を喪失させる持ち上がりが生きた。
===
中村(3) ガツガツした姿勢が見えるのがいい。
永井(3) 前線からプレスをかけチームを助けた。
紺野(-) 時間短し。役割は果たした。
東(-) 時間短し。
岡崎(-) 時間短し。

小川の走行セレモニーあるのすっかり忘れて試合終わったらそのまま帰ってきてしもた…。あとでDAZNで見ておく。


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