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【Jリーグ第19節】湘南 0-1 FC東京

■ 2024年6月22日(土) 19:00キックオフ
■ レモンガススタジアム平塚

微妙な天気の土曜日、東海道線に乗って平塚に遠征。年に一度来る街だ。早くもシーズン前半の最終戦となるが、1試合あたりの勝ち点1.50をボトムラインとするなら勝利が必要。勝ち点3が取れればシーズン後半が何とか見えてくるだろう。

トレヴィザンが警告累積で出場停止となり、岡がリーグ戦初先発。また、オリヴェイラと出場が続いていた安斎がベンチスタートとなり、松木、荒木が先発に。負傷離脱していた白井、前節メンバー外だった波多野がベンチ入りした。


布陣

野澤大
中村 森重 岡 長友
高 小泉
仲川 松木 俵積田
荒木

前半

湘南が出足よく攻め、東京は自陣で守備をする時間が長くなる展開に。両ボランチ、松木のところを徹底して押さえられ、自陣でもパスがつなげずにロストを連発、その都度ショートカウンターを浴びてチャンスを作られるが、湘南のシュート精度の低さに救われる。

10分、エリア手前で得たFKを荒木が直接狙ったが、枠に飛んだボールは敵GKにセーブされる。いい軌道だったが惜しかった。その後も東京の攻撃は散発、ビルドアップがままならず、一方の湘南は裏に放りこんでFWに拾わせる形で攻撃をしかける。

東京は仲川、俵積田を中心にサイドの単騎突破からのチャンスメイクを図るがフィニッシュまでもちこめない。44分、荒木からのスルーパスを受けた仲川が裏に抜け、GKと一対一になるがシュートはわずかに左にはずれる。絶好機だったが決めきれず。

45分、左サイドのポケットを取られ、戻しのクロスに中央で合わされてシュートを決められる。完全に崩されたシーンだったがVARが介入、OFRの結果、シュートが敵FWの腕に当たりゴールに入ったということでノーゴールの判定となった。

そのままスコアレスで前半終了。東京は主導権を握れず、湘南の攻撃に対して防戦一方で好機にも決められなかった。最後の湘南のシュートがVARの結果認められなかったのには救われたが、流れは湘南のゲーム。もう少しボールが持てないと苦しい。

後半

後半の立ちあがりとなる49分、左サイドから入れられたクロスにファーポストで合わされゴールにボールを押しこまれるがオフサイドの判定。VARがチェックを行ったが判定は維持された。これも完全にやられたシーンだったが助かった。

その後も湘南がボールを支配し前がかりに攻撃をしかける。東京は自陣で守備に追われる展開となるが、野澤大がファインセーブを連発しゴールは死守、なんとかスコアレスで時計が進む。なかなかこちらのペースにできない。

68分、荒木と仲川に代えてオリヴェイラと安斎を投入。するとオリヴェイラにボールが収まるようになり、東京がしかけるシーンが徐々に増え始める。74分、右サイドで得たFKを松木がけり、安斎が頭で合わせたがDFにブロックされる。

78分、俵積田と高に代えて徳元と原川を投入、徳元はそのまま左ウィングの位置に入った。すると直後の79分、敵エリア右サイドで密集となり、ここから抜け出した中村が中央にマイナスのパスを送ると、徳元がエリア外からダイレクトでシュート、これが決まって東京が1-0と先制する。

なかなか形がつくれないなかでワンチャンからの一発になったが、右サイドで人数をかけ、競り勝ってエリアにボールを持ちこんだ粘りがゴールにつながった。交代からのファーストタッチでゴール右隅に強いシュートを決めた徳元も見事だった。

その後は湘南があらためて前がかりにしかけてくるが、東京も身体を張って守りゴールは割らせない。90+2分には松木に代えて白井を投入、白井は右ウィングに入り、安斎が中央に。6分のアディショナルタイムもしのぎきり、苦しい試合ながら勝ち点3をもぎとった。

戦評

湘南の勢いに押され前半はほぼ主導権を握れず。ゴールネットも揺らされたがVARに救われ、なんとか前半をスコアレスで終えたことで視界がやや開け、後半、オリヴェイラの投入あたりから少しずつ流れを呼びこんで徳元の決定弾となった。

数字を見ればシュート数8-25、CK3-10、ポゼッション45-55とほぼ負け試合だが、耐えるべき時間を耐えきったのが大きく、なかでも野澤大のセーブに救われた。5点くらい取られていてもおかしくなかった。

湘南がしっかり東京のビルドアップをスカウトしており、つぶしどころ、奪いどころを予習してそれを愚直に突いてきた。そのため東京は中央でのボールロストを頻発、ビルドアップは外回りしかないが、俵積田は2枚で抑えられるなど対策を徹底された。

こちらが意図のある攻撃をすればするほど湘南の予習にばっちり当たってしまい、進研ゼミみたいに対策がハマってしまう悪循環。高と小泉も連戦でキレを欠き、クリーンシートで終えられたのは野澤大の貢献もあったものの僥倖というほかない。

勝ちはしたもののほめられた内容でなかったことは衆目の一致するところで、逆にそういう試合を勝ちきったことに意味があるというか、なんかそういう評価の試合になった。こういう試合で勝ち点を積み上げながら、内容を改善して行くしかない。

交代で入りファーストタッチで決勝点を決めた徳元は思いきりのよさが奏功。中村、バングーナガンデ、長友、白井らもいるなかで決して序列は高くなかったが、カップ戦や人繰りのなかでチャンスをつかみ結果を出した。好きな選手だけにこの活躍には泣けた。

プレーに迷いが見えることがあり、ボールを受けてもワンタッチでさばけないことが多いが、クリティカルなところに一発で刺しこむパスセンスは東京でも随一と思っており、キック力、なんならロングスローもある。今季残留したのは本人としても決意と覚悟があるはずで、もう個サポになりそう。

これでシーズン前半を折り返し。19試合を終えて8勝5敗6分、勝ち点30(1試合あたり1.58)で6位となった。首位との勝ち点差は9、4位から12位までは勝ち点差6のなかにひしめいている混戦でシーズン後半に向けて最低限の発射台は確保した。

試合は厳しい日程で進んで行く。やろうとしていることを見失わず、結果の出ないときも折れず、ここを我慢してやれるかどうかでチームとして、クラブとしてひとつ先へ行けるかどうかがかかっているように思う。次は味スタで勝ちたい。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
野澤大(2) 枠内シュートをことごとく止めた。
中村(4.5) 大外使われて苦労した。
森重(4) 敵FWをケアしつつ岡のカバーも。
岡(5) 吉本のデビュー戦より全然よかった。
長友(4.5) 俵積田との連係が今イチのような。
高(4.5) 中盤を厚くされて出口がなかった。
小泉(4.5) さすがにちょっと疲れてないか。
仲川(4.5) あれはせめて枠に行きたかった。
松木(4.5) 厳しいつぶしに遭い前を向けず。
俵積田(4.5) なんどか切れこんだがその先が。
荒木(4.5) 早いつぶしに遭い展開できず。
===
オリヴェイラ(4) 前で身体を張ってくれるの尊い。
安斎(4) 流れ変えた。いつの間にか主力に。
徳元(3) 迷いなく振りぬいた。
原川(-) 時間短し。このところ好調。
白井(-) 時間短し。復帰嬉しい。

アウェイながらファーストユニで戦ってくれたのがエモかった。

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