見出し画像

【Jリーグ第1節】川崎 1-0 FC東京

■2022年2月18日(金) 19:00キックオフ
■等々力陸上競技場

いよいよ開幕

2022年シーズンがいよいよ開幕。他クラブに先がけて金曜日の夜に昨季のタイトルホルダーである川崎と対戦である。アルベル監督の初陣でありどんな戦いをするのか、我々の現在地を知り、今季進むべき方向を計るうえでは絶好の試合になる。思いきってぶつかりたい。

なんとかチケットを手に入れ、仕事を終えてから等々力に向かった。寒さに備え予備のダウンジャケットや使い捨てカイロ、マフラーまで用意したがそこまで寒くなく、ネックウォーマーと熱いコーヒー程度でしのげた。

COVID-19により6選手が欠場と事前情報があり、メンバーが読めない状況での開幕戦。森重、東、アダイウトン、山下らの名前が見あたらず。高卒ルーキーの松木がいきなりインサイド・ハーフでプロデビューを果たした。渡邊は右SBで起用された。

スウォビィク
渡邊 木本 トレヴィザン 小川
松木 青木 安部
レアンドロ オリヴェイラ 永井

押しこまれた序盤

序盤は川崎がほぼ一方的に押しこみチャンスを作る。東京はボールを拾っても丁寧につなごうとする途中でミスが出て自陣で奪われ、ショート・カウンターからゴールに迫られる苦しい展開に。

立て続けにゴールを脅かされるが最後のところで身体を張り、スウォビィクの好セーブや敵のシュート・ミスもあり、なんとかカツカツでゴールを守る。この時間帯は苦しく臨死体験多数。胃が痛い。ほぼハーフ・コート・マッチ状態。

24分、ようやくショート・カウンターから中央の永井が右サイドのレアンドロにパス、裏に出たレアンドロがフリーでボールを受けシュートを放つが敵GKがセーブ。これがファースト・シュートとなる。

徐々に東京のペースに

このあたりから東京がやや落ち着いてボールを持つことができるようになり、主戦場が東京陣内から中央かやや川崎陣寄りあたりに移動する。28分、敵陣でパスをつなぎ、最後はオリヴェイラが落としたボールを松木が正面から枠にシュートするが敵GKがセーブ。

38分にはトレヴィザンがドリブルで持ち上がりそのままアウトにかけたミドルを放つがこれも敵GKがセーブ。出しどころが見つけられないままスルスルと持ち上がったのはおもしろかった。43分にも小川からのパスを松木が落としオリヴェイラがシュートするが敵GKにセーブされスコアレスで前半を終える。

序盤は東京もパスが思うようにつながらず自陣でピンチを招いてヤバいシーンも何度もあったが、ここをなんとかしのぎきったことでボールを動かせるようになった。前半の途中からは東京が主導権を握り敵ゴールに迫ったが決めきれず。後半勝負になる。

後半も東京が主導権を握る

後半に入っても東京がボールを握る時間が長くなり、敵陣中心に試合を進めるが、川崎もボールを持てば攻撃の形は持っており、やるかやられるかの緊張感ある展開となる。56分、渡邉に代えて長友を投入、長友はそのまま右SBに入る。

60分、右寄りで得たFKをレアンドロが蹴り、永井が頭で押しこむがオフサイドの判定でゴールは認められず。VARチェックもはいったが判定は変わらず。リプレイで見た限り微妙。アウェイ側が最も盛りあがったシーンだったが。

72分、松木に代えて三田を投入。三田はそのままインサイド・ハーフに入った。松木はその直前のプレーで傷んでいたため、それもあっての交代か。

CKからの失点

81分、敵の右CKにニアで合わされファー・ネットにかかるゴールとなって0-1とリードを許す。前半の終わりからは大きな得点機は作らせていなかっただけに、セット・プレー一発での失点はもったいない。

86分、永井に代えて紺野を投入。紺野は右のシャドウに入り、レアンドロが左にまわった。88分、右サイドでボールを持った紺野が中央に切れこみながら左足でエリア外からマイて狙うシュートを放ったがファー・ポストをヒット、惜しくもゴールにならない。

7分間と表示されたアディショナル・タイムにも攻勢に。敵ゴール前で細かくパスをつなぎ最後は青木がフリーでシュートしたが敵GKがセーブ。その後も最後まで敵陣でゴールを狙いに行ったが届かず、開幕戦はアウェイで0-1での惜敗となった。

ビルドアップはまだまだ危なっかしい

序盤は押しこまれて決められていてもおかしくない展開だったが、ここを生きのびてからは東京もやりたいスタイルが徐々に表現できるようになった。切りかえが早く強度の高い守備から奪ったボールをしっかりつなぎながら敵ゴールに迫るという意図は十分窺え、実際その形から何度もチャンスを作ったことは今日の大きな収穫。

一方で最終ラインからのビルドアップにはまだまだ課題があり、敵のプレスをかいくぐってボールを運ぶには危なっかしさしか感じなかった。ここがしっかりできないといつまでたっても裏に蹴りこむ戦術以上のものは望めない。プレスをかけられ、苦しまぎれに「頼む、受けてくれ」的な切ない希望にすがるように出した中途半端なパスが案の定カットされるシーンが序盤は何度か見られた。

前半途中からボールが持てるようになったのは、ある程度割りきって奥の味方にボールをつけに行ったからで、ポジショニングでボールを動かし敵のプレスを1枚ずつはがして行くという境地にはまだまだほど遠いと思った。

勝ち点3の授業料を払う価値のあった試合

しかし、数字を見てもシュート数12-9、CK12-5、ポゼッション53-47と川崎に押し負けていなかったことがわかる。堅守速攻というリアクションではなく、自分たちのやりたいスタイルを試して昨季の優勝クラブと正面から打ち合い、セット・プレーからの1失点のみという試合内容は悪くない。ただ、チャンスを多く作りながら決めきれなかったのは、まだこうした流れを最終的に勝ち点につなげるだけの何かが我々にはなかったのだと、今の時点ではそう思うしかない。

勝てた試合だったし、勝ちたかったし、負けたことは悔しいが、今我々がなにをどこまでできていて、なにがまだ課題として残っており、この先どちらに向かうのかが見えた試合で、勝ち点3の授業料を払う価値はあった。この試合をシーズンを通じてどう生かし、どう意味を持たせるかは最終節のホームでの川崎戦で答え合わせをすることになるだろう。

森重、東、アダイウトン、山下らがいない中でもこれだけ戦えたこともいい材料だ。チームとしての伸びしろはまだまだ大きく、かつ思っていた以上にそれなりの形はできつつあるようにも見え、ここからどう洗練して行くかが楽しみになる試合だったと思う。

松木は合格点以上

ルーキーの松木は、枠に飛ばした強烈なシュートを含め堂々とプレーしていて、大きな戦力になっていた。今日の起用がCOVID-19で欠場した選手のバックアップなのか、それともポジションを任せる趣旨なのか気になるところだが、与えられたチャンスで合格点以上のアピールはできた。

試行錯誤のシーズンを覚悟はしているが、最低限の結果は必要で、そのためにはまず1勝が必要だ。水曜日にはルヴァンカップ、次の土曜日にはリーグ戦のホーム開幕となる名古屋戦と試合は続いて行く。この挑戦を続けて行きたい。

評点(評点はドイツ式 [1が最高、5が最低]):
スウォビィク(3.5) ファインセーブあったが配球に苦しむ場面も。
渡邊(4) プレーで特徴出すには至らなかったがまずは無難。
木本(4) 落ち着いてボールをさばいた。安定感あり。
トレヴィザン(4) 序盤はパスミスもあったが調子を上げた。
小川(3.5) 安定してボールを受けた。飛躍の年にしたい。
松木(3) 強度の高いプレーでチームを引っ張った。
青木(4) 中盤の底でボールを動かしリズム作った。
安部(3) 相手のいやがる中盤の守備ができていた。
レアンドロ(3.5) オフサイドになったFKはもったいなかった。
オリヴェイラ(3.5) 動き続けボールを触り続けた。今季も健在。
永井(3) クレバーさ、器用さを見せた。
===
長友(3.5) アンダーシャツはユニと同色でなければならない。
三田(4) 今イチ試合に入りきれなかったか。
紺野(-) 時間短し。あのシュート入ってりゃな。

長友が交代で入ったとき、長そでの黒いアンダーシャツが半そでユニの下から出る格好だったが、白のセカンド・ユニ着用だったので主審に注意され脱いでいた。アンダーシャツはユニと同色でなければならないという規定の抵触と見られる。ベンチでだれも気がつかず注意もしなかったのか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?