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【Jリーグ第18節】FC東京 1-1 磐田

■ 2024年6月16日(日) 18:00キックオフ
■ 味の素スタジアム

むし暑い日曜日、ヴェスパで味スタに乗りつけた。前半はまだ日があってまぶしかった。ルヴァンカップ、天皇杯をはさんで2週間ぶりのリーグ戦となる。前節は鳥栖に辛勝しており、ホームで久しぶりの勝ち点3を取りたい試合。

代表招集から戻った長友、野澤大が先発、松木、荒木がベンチ入り。代表をケガで離脱と発表のあったバングーナガンデはベンチ外、また波多野もメンバー入りしなかった。


布陣

野澤大
中村 森重 トレヴィザン 長友
小泉 高
安斎 仲川 俵積田
オリヴェイラ

前半

東京がボールを握るが、磐田がコンパクトな守備でボールをからめとる流れになる。5分、エリアからこぼれたボールを高がシュートしたがDFがブロック。9分安斎のFKのこぼれ球を拾った仲川が至近距離からシュートするがミートしきれず枠におさまらない。

磐田の攻撃は散発で怖さはさほどないものの、スルスルと前線までつながれて最後のところではね返すシーンも多い。19分には安斎が右サイドからしかけシュートを放つがDFにブロックされる。東京もスペースが見つけられず攻撃は個の力によるしかけが中心に。

すると21分、左サイドからのCKに中央から頭で合わされ失点、0-1と先制を許す。固い展開で互いに大きなチャンスを作れないなか、セットプレーからの失点で痛いビハインドを背負ってしまう。後ろから入ってきた敵FWをゾーンで捕まえきれず。

東京はその後もボールを保持しながら攻撃をしかけるが決め手を欠く。33分、俵積田が左サイドから切れこんでシュートを放ち、ファーに安斎が飛びこんだがボールはそのまま枠外に。38分には中村のクロスから安斎がシュートを放ったがこれも枠外に。

チャンスは作ったが決定力を欠き、セットプレーからの失点でのビハインドを背負って前半を終えた。クリティカルなシーンはほぼなく、点差は最小で勝機はあるが、こちらも流れからゴールができていないのは深刻。やり続けたい。

後半

後半立ち上がり早々の47分、俵積田が左サイドから切れこんで(以下略)。55分、小泉からのスルーパスを追って裏に走ったオリヴェイラがエリア内で敵DFをかわし、フリーでシュートしたが右ポストをヒットして外にはずれた。絶好機だったが惜しかった。

直後の56分、オリヴェイラと仲川に代えて松木と荒木を投入。前への推進力が増強されるが磐田の守備も固く、中盤で激しい競り合いが繰り返される。67分、小泉に代えて原川を投入、そのままボランチに入る。72分、右CKを中村がファーで折り返すと、中央の松木がジャンピングボレーでねらったがバーの上。

さらに78分、俵積田と長友に代えてシルバと徳元を投入。81分には左サイドの徳元のクロスをGKがクリアしたこぼれ球に高が詰めるがエリア外からのダイレクトシュートは敵DFに当たって枠外へ。

すると84分、左サイド深いところからのFKを徳元がけると、ファーの安斎が頭で押しこみゴール。終盤になって東京がようやく1-1と同点に追いつく。磐田の選手らが抗議していたのはなんだったのか。

勢いに乗った東京はその後も逆転をねらって攻撃をしかける。87分、安斎がドリブルで右サイドからしかけ、エリアに入ろうとしたところで競った敵DFに倒される。PKかとも思われたがわずかにエリア外との判定でFKに。

90分、このFKを原川がけりトレヴィザンが頭で合わせるがGK正面に。アディショナルタイムは8分と表示され、東京が主導権を握って攻め続ける。最後は徳元のロングスローも繰り出したが結局磐田のゴールが固く、1-1での引き分けとなった。

戦評

東京が終始主導権を握った試合だったと思うが、前半の速い時間帯にセットプレーから失点、追いかける展開になったのが苦しかった。後半、選手交代でリズムを改善、終盤になんとか同点にしたものの逆転するには時間もアイデアも体力も足りなかった。

数字を見ればシュート数12-7、CK8-3、ポゼッション61-39と見た目は東京の試合だったが、チャンスは作っても決め手を欠き、こちらも結局はセットプレーからの1点のみ。流れからゴールできずに追いつくのが精いっぱいになってしまった。

前半は磐田の守備がコンパクトで出しどころがなく、ビルドアップに時間がかかり外回りが多かった。中央に縦を刺すことがほぼできず、高、小泉に預けても外に振る繰り返しでにらみ合い。この時間帯は無失点でしのぎ、後半勝負にしたかった。

後半、松木、荒木を投入、エンジンを取り替えて、前への推進力をアイデアをリニューアルしチャンスも作ったが、ここでも決めきれず。FKから安斎が意地で押しこみなんとか格好は整えたがこの試合でも結局流れからのゴールはなかった。

やろうとしていること自体が間違っているとは思わないが、戦術の落としこみが進み動き方が共有されて行くにつれて力加減が互いにやりやすいレベルに収斂してきて、結果として型どおりのボールの動かし方になり、同時に強度が落ちてきているように思える。

そのぶん相手にもわかりやすい理にかなった攻撃になってしまい、つぶしどころもしぼられやすくなっているのではないか。やりやすい攻撃は相手も守りやすい。慣れてしまわず厳しい要求をし合って相手の想定を裏切る動かし方をしないとゴールにはならない。

後半、松木からのパスを荒木がワンタッチでスペースに飛ばしてチャンスになったシーンがあったように、スピードも強度もまだまだ上げなければならないし、ダイレクトプレーで敵の対応より早くボールを前に運ばなければならない。

やろうとしていることはまだまだ入口を入ったばかりで、ここで投げ出すわけに行かない。戦略が間違っているわけではないし、それに合った選手が足りないわけでもない。ケガ人が多く人繰りが苦しいのは事実だが、ここは成長のための踏ん張りどころだ。

地道に勝ち点を拾いながら、やりかけたことを信じて地道に積み上げて行くしかないし、その過程で足踏みや手戻りは当然想定されること。立ち止まっているヒマはない。今月残り3試合、ホーム2試合と、アウェイも湘南で日帰り圏内。ここでしっかり基盤を固めたい。

これで18試合を終えて7勝5敗6分で勝ち点は27(1試合あたり1.50)となり順位は8位に後退。引き分けの次の試合に勝てるかどうか今日の試合の価値も決まる。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
野澤大(3.5) 失点以外は手堅くゴールを守った。
中村(4) 復帰後初めての90分、強度は落ちなかった。
森重(5) ヤバいボールロストあった。
トレヴィザン(4.5) ハイリスク守備に今日も助けられた。
長友(5) リズムに乗れなかった。
高(4) 後半よくなった。
小泉(4.5) さすがに疲れが出てないか。
安斎(3.5) 働きが報われてよかった。
仲川(4.5) 空回り感あった。
俵積田(4) 怖さがすり減ってきた。
オリヴェイラ(4.5) 交代直前のアレは決めたかった。
===
荒木(4) 次節は先発でいい。
松木(4) 空気感を操れる男。
原川(4) 中盤でしっかり落ち着かせた。
シルバ(-) 時間短し。悪くなかった。
徳元(3) 存在感大きかった。ナイスアシスト。

次の試合でシーズン前半も終わって折り返し。

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