さぁ、頑張ろうぜ!【白血病】
自分の闘病記録は、自分自身の備忘録として記録しているのはもちろんだが、記事に触れた身近な方や自分とは縁のなかった人に、『何かを感じてもらえる』ことを希望として投稿を続けている。記事自体の濃淡はあれど、気が付けばその記事は160本を超えた。約2年半で160本、5日に1本以上のペースで記事を投稿している計算になる。我ながらよくもこんなに続いているなと感心している。
今回はその中で、自分の闘病を目の当たりにし、実際に活動を始めた親友の活動を、より多くの人に知ってもらいたいと思い記事にしようと思う。
なお、本人からは「あくまで趣味の延長だから、俺の個人情報は直接書かないでくれ」と頼まれている。とは言え、自分の友人でこんなことができる人間は限られている。気づく人は気がつくかもしれないが、この親友が誰なのかを詮索することは控えてほしい。あくまで活動について知ってもらいたい。(もちろん個人的に教えてほしいという方がいればこっそり連絡してほしい)
▶newnormofficialcomという存在
彼は上記のInstagramアカウント”newnormofficialcom”(以下、newnorm)で今年の6月くらいから活動を行っている。『日常にささやかなサプライズを』をテーマに、あくまで趣味の延長線上で活動を行うデザイナーだ。
本人曰く、「デザイナーなんて大層なもんじゃない」ということだが、自分で目的をもって服飾のデザイン、製作を行っている時点でデザイナーだと思う。
▷newnormとの出会い
自分のInstagramも夏ぐらいにフォローされていたが、あまりに匿名性が高いアカウントだったので、本人から伝えられるまで「なんでこんなお洒落なアカウントが俺をフォローしてんだろ?」と疑問に感じて放置していた。
彼は6月に活動を始めてから、すでに数点の作品を世に送り出している。基本的には「こんなのが欲しい」とか頼まれて作成することもあれば、本人のイメージを具現化して製作されたものもあるようだ。あくまで趣味でやっているそうで、販売なんかはあまり考えていたわけではなかったようだが、そこはSNSの世界、興味を持った方から「売ってほしい」という問い合わせが来て、初めて価格をつけて売る、という行為を行ったそうだ。趣味に没頭する彼らしいスタートだなと笑った。
▷事の起こり
10月上旬に自分が現状の報告を受け、残りの人生の時間がそう長くない可能性を知った時、久しぶりに直接彼に連絡をした。
↓↓↓↓↓↓↓↓当時の記事はこちら↓↓↓↓↓↓↓↓
説明をしたとき、最初は淡々と返答があったものの、途中からすっかり黙りこくってしまった。話し終えた時、彼は嗚咽混じりで号泣してしまった。自分より大きな反応をされてしまうと、こちら側はかえって冷静になってしまう現象のおかげで、伝えたいことはきちっと伝えることができたと思う。
その時に、「事前にLINEで連絡があった時から、そういう予感がしていた。その中で自分に何ができるのか考えていたが、それを行動に移そうと思う。」と伝えられた。そこでnewnormが彼の趣味のアカウントであることも教えてもらえた。
その活動が、今回紹介したいと思った『meibou project』である。
▶meibou project
▷活動の起こり、その目的
現状報告の電話をしてから約半日、彼はこの活動を開始することを高らかに宣言した。到底自分にはまねできない速度だ。即断即決、彼らしい行動力に舌を巻いた。
▷活動の名付け親
彼から、「この活動の名前を考えてもらいたい」と依頼された。
要望は2つ。
単純でわかりやすい、裏読みが必要ない名称
彼の作品テーマに漢字が多かったので、アルファベットで書いても違和感のない名称
「俺が気に入らなかったら全却下だから」と軽く脅された気がしたが、彼なりの発破かけだったのだろう。
この活動の話を彼から聞いたときから、『紡(ぼう-つむぐ)』の字は必ずひっかけたいと思っていた。冒頭に書いた『何かを感じてもらえる』というところから更にもう一歩発展し、活動が始まる。まさに自分の想いと彼の決意が紡がれた結果の活動。
この『紡ぐ』という言葉が自分は好きだ。1本では弱い素材をよりあわせることで強靭な繊維になっていくようなイメージ。それが人と人とをより強く繋げていき、壮大な何かを起こすことを連想させる。
紡の字をあてるとして、もう少し意味を明確にしたかった。最初に思いついたのは『纏(てん-まとう)』という文字をあてて纏紡(てんぼう-tenbou)。
想いが紡がれて製作された服を纏うことで、誰かを支援する、という意味合い。
でもどうにもしっくりこなかった。この活動は服を着てもらうことが目的ではなく、その売り上げの一部を募金することで、困っている方を少しでも支援するための活動だ。この名前では少し意図が異なるなという感覚がぬぐえずにいた。
思いつくままに、漢字の意味を調べた。彼からはアルファベットでもおかしくないようにしてほしいとの注文だったが、自分としてはこういう時は熟語のような、意味のある漢字の組み合わせから作り上げたいなと思っていた。
困っている人を支援する。その最善の結果は命を救うことだ。そこで改めて『命(いのち-めい)』という漢字を調べた。単純な生命としての命という意味のほか、めいという読みには『めぐりあわせ』という意味があるそうだ。
直感的にこれだと思った。自分と親友の出会い、活動の起こり、いつか困った人を救う可能性。それらとのめぐりあわせを示すのにこの字がいいなと感じた。そしていつかこの活動が誰かの『命を紡ぐ』という結果につながってほしい。まさにこの活動にふさわしい。そこで命紡(めいぼう-meibou)という造語を作った。
後付けではあるが、meibou(めいぼう)は名方(めいほう-meihou)にもかけているつもりだ。名方は実在する言葉で、優れた処方や薬そのものを指している。この活動が、いつか誰かを救う薬のような存在になってほしいという願掛けだ。
数時間かけて以上の経緯をたどり、名前を考えた旨を伝えたところ、
すぐに「採用」の2文字。こいつ多分却下する気なかったんだろうな笑
▶現在の活動状況
いま、自分は闘病を続けている。順当にいけば12月4日が移植の当日となる。彼は使用する素材やデザインを検討しながら試作品の完成を進めている。「今回の移植はこれを着て臨みたい」と、こちらからも発破をかけた。もちろん間に合わずとも構わない。自分が嬉しいのは彼から服を受け取ることではなく、この活動を始めてくれたことそのものだ。
デザイン面でなかなか難航、というよりは満足できていないようだ。病院での生活と、院外でのおしゃれ着を両立させるのはかなり難しいだろうというのは自分でもわかる。自分も何点か素人なりにアドバイスさせてもらった。病院でも着ることを想定している以上、入院患者の声も反映してもらいたい。
だが、1番大事なことは、彼自身が満足できるかどうかだ。これは彼の趣味の延長線上である。本人が楽しめない、納得できない作品では、きっと今後の活動のモチベーションにも響くだろうと思う。
どんな作品が出来上がるのか、その作品に袖を通すことが楽しみで仕方ない。
11月下旬時点ではまだ完成しておらず、受注を開始しているわけでもない。それでもどうか彼の心意気に何か感じる方がいれば、アカウントをフォローしていただき、その動向に注視してもらいたい。きっとワクワクが始まると思う。そして気になる作品があればDMしてみてほしい。ぶっきらぼうだが、堅い芯を持つ彼という存在を、その作品を、もっと多くの方に知ってもらいたい。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました!