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本のはなし「独学大全」読書猿著

2020年に出版され、話題になった「独学大全」。
その分厚さからなかなか手が伸びなかったけれど、いざ開いてみると読みやすかった。
その理由は
 ・独学を始めたい主人公と師匠が独学について話しながら各章が展開される構成
 ・図が多く、文章を全部読まなくてもなんとなく理解できる
 ・注釈の解説がそのページ内ある(助かる!)
 ・ページに対しての文章が詰まっていないので、ページ数は多いけれどサクサク読み進められる

本によっては、初めのページから全て理解しながら読まないと次に進めず、
苦しい読書になることもあるが、本書はそうではない。辞典のような感覚で読むこともできる。
さらに、巻末にはヘルプに合わせてどこを読んだらいいのか記載されている。

内容
 ・第一章 なぜ学ぶのかに立ち返ろう…動機付け、時間管理など
 ・第二章 何を学べばよいかをみつけよう…知りたいことのテーマ探し
 ・第三章 どのように学べばよいかを知ろう…本・資料の読み解き方
 ・第四章 独学の「土台」を作ろう…国語・外国語・数学の学びなおし

ここでは図書館分類法を使った思考方法を紹介する。
一つのテーマを多角的に調べたいときに役に立つのが図書館の分類だ。
(なお、同様の内容は「図書館が教えてくれた発想法」 高田 高史著 2007年 にもある)

図書館には本を分類に分けている。
 (0類)総記
 (1類)哲学
 (2類)歴史
 (3類)社会科学
 (4類)自然科学
 (5類)技術
 (6類)産業
 (7類)芸術
 (8類)言語
 (9類)文学 

この図書館の分類(十進分類法)の考え方を頭に入れておくと抜け漏れが少なく、漠然としたテーマを絞っていきやすくなり、参考資料も探しやすくなるという思考方法だ。

例えば「サッカー」について調べるとする。
十進分類法を使って考えてみよう。
0類 サッカーの 総記
1類  〃    哲学
2類  〃    歴史
…といった具合に一つのテーマを幅広くとらえることができる便利な考え方だ。

ほかには「調べていてわからなくなったらどうするか」という項目で
「わからない」にも種類があるのでその整理の仕方も書かれている。

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本書は、独学の動機から思考法、文章の読み方、独学の土台の作り方まで網羅してある。
独学を始めたい人はもちろん、さまざまな方法を知っておきたい人にもおすすめ。
思考のフックが増えると、難しいと思っていたことも意外と対応できる気がする。

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