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落とし穴しかない

ご覧頂きありがとうございます!
今回は私の好きな本を紹介したいと思います📕
色んなジャンルの本を手当り次第読みがちなんですが、最近読んだ中で特に読みやすかった本についてお話します🗣💬


『#真相をお話しします』

ジャンル:ミステリ
著者:結城真一郎
出版:新潮社
頁数:221p
ISBN:978-4-10-352234-8


あらすじ


家庭教師派遣サービスで営業のアルバイトをしている大学生が営業先の家族の違和感を追い解き明かす「惨者面談」や、島に移り住んできた小学生三人組と、元々島生まれ島育ちの凛子という女の子の四人でYouTuberになろうと決めた矢先に、ある事件をきっかけとして島の人たちの態度がよそよそしくなります。数年後にYouTube配信で小学生だった彼らは昔起こった出来事の真相を話し始める「#拡散希望」など短編が5篇収録された短編集です。


読んでみて

すべてのお話に共通してすごく違和感のあるストーリーだと感じながら読み進めていると「そんなところに伏線があったなんて!」とラストのどんでん返しに驚かされることの繰り返しな作品です。ひたすらに読者を掌で転がそうという作者の強い意思が伝わってきます。現代的なワードが散りばめられている分、読んでいて自分の生活に身近に感じる話であると感じました。


「あんまり変な動画ばっかり観てるとバカになるんだよ」

あらすじでも紹介したYouTuberになりたい子どもたちのお話である「#拡散希望」で過度に暴走する人たちへのメッセージ性を強く感じました。

「#拡散希望」ではネットが発達した現代ならではの人の心理を使ったミステリが繰り広げられています。主人公の名前が渡辺珠穆朗瑪(わたなべちょもらんま)であったり、島の人や凛子と、島外から来たチョモ達の生活が同じ島の中で生活しているのに差があったりとYouTubeの中心にした人間心理を巧みにミステリへと落とし込み「こういう行動をしている人が確かにいるかもしれない」と感じさせます。


おすすめしたい理由

渡辺珠穆朗瑪というキラキラネームともいえる名前であったり、現代の小学生がテーマであるのにスマホを持たず、インターネットを知らず、テレビなど情報資源に触れる時間が極端に少ないことなどチョモ達の暮らしは細やかに描かれます。この、チョモ達の生活と私たち読者の知る小学生とのギャップが、作品内で描写がほとんどないチョモ達の身の回りの大人への違和感が引き立てます。

この作品は、とにかく馴染みやすい現代的なワードばかりであることから読みやすい作品です。文中に散りばめられている“違和感”から何となく続きが読めるけれどラストには想像以上のどんでん返しが待っていて読んでいて楽しい作品なのでおすすめです。


ほかにも

・変な家/雨穴


・笑うな/筒井康隆

・おれの眼を撃った男は死んだ/シャネル・ベンツ


さいごに🤝🏻

ひとつの本を紹介することは意外と大変なんだなと今回思いました😮‍💨でも読み込んでて「これ、何回読んでも面白いな…?!」って思いました💭
個人的には伏線たっぷりの長編も好きですが、短編集がサクサク読めて好きです😸
オススメあったら読むので教えてください👂🏻
ではまた〜💅🏻💖

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