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イリオモテヤマネコを発見した体験から生きるヒントを得る

西表島でイリオモテヤマネコを見た
そんな私の体験から生きていく上での大切なヒントを得ました。

気づけば3000文字ほど書いてしまいましたが、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。

梅雨明け間近の西表島を訪問

先日、西表島を訪れました。西表島は東洋のガラパゴスと呼ばれており、本島では見られないさまざまな生態系が生息しています。

実際に訪れてみるとまさにジャングルです。気温は高温多湿、島内を流れる川は無数のマングローブ林に囲まれています。街灯もはほとんどなく夜は真っ暗で満点の星空、朝は聞いたことのない鳥たちの鳴き声がぎーぎーと響き渡る、そんな島です。

西表島マングローブ

ちょっとした小話ですが、私が宿泊していた部屋にゴキブリが出ました。虫が大の苦手な私はパニックになりましたが、なんとか殺虫剤を使うことなく外に追い出すことができました。

ゴキブリも一つの生態系。我々人間の都合で殺してしまうのはなんだか申し訳なく感じました。

さて、本題に戻りますが、このnoteは3日間ほど滞在でイリオモテヤマネコを発見した体験談です。はじめに断りを入れておくと、私はイリオモテヤマネコの専門家でもなく、ジャングルの専門家でもなく、ただただ観光目的で西表島を訪れた普通の一般人です。そして今回が初めての訪島でした。

イリオモテヤマネコって?

みなさんイリオモテヤマネコはご存知でしょうか?なんか昔、社会の教科書で見た気がする、名前だけは聞いたことある、という方も多いかもしれません。私もまさにそんな状態でしたが、少しばかり知識を得たので簡単に説明します。

イリオモテヤマネコは沖縄県離島の西表島だけに生息するネコです。国指定特別天然記念物に指定されており、かつ絶滅危惧種にも分類されています(絶滅危惧種の中でも最も絶滅の恐れが高い分類にいる)。現在島内には100頭ほどしか生息していないようです。

ヤマネコ

画像: 西表野生生物保護センタ―ホームページより

こんな見た目です。特徴的なのは太いしっぽ(写真では見えない笑)、丸い耳、そして目周りの白い線です。

そんなヤマネコ(現地ではこのように呼ばれるようです)ですが、その希少性から、遭遇できる確率は極めて低いみたいです。島内に住んでいる人でも見たことのある人は多くなく、ツアーガイドでもさえも年に1~2回みるかみないかくらいのようです。

一言で言ってしまうとめちゃくちゃ希少なネコです。専門家でさえも見つけるのが難しい野生のネコなため、ふらっと観光にいった者が見れる確率は限りなく0に近いわけです。

そしてそんなヤマネコをふらっと観光でいった私が発見したという話です。

とりあえず可能な限り情報を集めてみる

今回の訪島は、イリオモテヤマネコを見つけることが目的ではありませんでしたが、その希少性を知るとなんだか自分の目で見たくなってきました。ポケモンでいうと伝説のポケモンを探し回るようなそんな気分です。わからない方はすみません。宝探しのような感覚だと思ってください。

そしてせっかく来たのだからと思い、少しでも生の情報を集めようと思いました。島内初日、夕食後に宿でイリオモテヤマネコについて解説してくれるサービスがあったので参加。ヤマネコの数は年々減少しており、その主な原因は交通事故によるもの。ヤマネコに取って一番の敵は人間のようです。

解説の中で西表島内ではヤマネコを守る活動がいろいろされていることを知りました。①島内は時速40kmに制御されている(ヤマネコが飛び出してきても止まれるように)、②ヤマネコが目撃された場所には「この先、ヤマネコ注意」といった看板が設置される、③自動車の音をヤマネコに知らせるようにゼブラゾーン引かれている(タイヤの音が連続的に鳴る)、④目撃した時は西表野生生物保護センターに連絡する、などなど。

ヤマネコを見やすい時間等を聞いてみると人気の少ない早朝や深夜が多いとのこと。ヤマネコを探すナイトツアーなどもあるみたいです(もちろんツアーでも遭遇確率は低いようですが)。ヤマネコは森で生息していますが、目撃情報が多いのははやり道路のようです。

ただ黙々とヤマネコを探す

私はヤマネコを探すツアーには参加していませんでしたが、いろいろと得た情報を頼りに島内の移動時はヤマネコを探してみました。

ヤマネコ注意の看板を見つけては「ここにいるかもしてない!」と思い血眼になって探しました。

そんな中、私がヤマネコを見つけたのは島内の二つの港である上原港から大原港にバスで移動しているとき。島内を移動する道は1本しかなく、1時間ちょっとでそれぞれの港を行き来できます。

私はバスの窓からずっと外を眺めながらヤマネコを探していました。ヤマネコ注意の看板やゼブラゾーンを通る度に、「ヤマネコがいるかもしれない」と期待しながら茂みの中を目で追いかけ続けました。

視界に入ったのはほんの一瞬でした

黒っぽくて胴長短足のネコが茂みに入っていく瞬間を目撃しました。見た目は銅像や写真でみたヤマネコそのまま姿で、間違えようもないくらい"ネコ"でした。

ヤマネコを発見したのは偶然か?必然か?

さて、だらだらと体験談が長くなってしまいましたが、私がヤマネコを発見できたのは偶然だったのか、それとも必然だったのか。

ヤマネコについて少し調べれば、「観光で西表島に行き、ヤマネコと遭遇する」、これはほぼ不可能だということがわかります。

だけどそこで諦めて、「探す」という行為そのものをやめてしまうとそれこそ本当に遭遇できる確率はゼロなってしまいます。

私は遭遇確率が低いことは十分わかっていました。

けれど、ライトを照らして夜道を探したり、ヤマネコ注意の看板が出てくれば血眼になって探しました。ネットの情報を見て「ヤマネコを見つけるのは無理か」、と諦めるのではなく、ガイドさんにどんなところで遭遇しやすいのか聞いたり、宿のサービスを使って現地で少しでも多くの情報を得るための努力をしました。

そして何より実際に自分の目で探し続けました。

私がヤマネコを発見した際、そのバスには10名ほど乗っていましたが、ヤマネコを見たのは私だけだったはずです。

つまり、同じ環境にいてもチャンスを掴める人とそうでない人がいるということです。そして前者になれる人は自らアクションを起こした人だけです。

で、私は少しでも遭遇確率を高める努力をした上で、実際に探したんです。
運が良かったのは言うまでもありません。島内在住者でも見たことのない人がいるヤマネコを、たった3日滞在しただけで目撃することができたのですから。しかし、この運を手繰り寄せたのは紛れもなく私自身の行動だったとも思います。

みんなヤマネコに会いたい!と思いながらも、その確率の低さから結局探さないんですよね。そもそも時速40kmで走るバスの窓からずっと探すのも大変ですから。

ヤマネコを探すことなくたまたまバッタリ遭遇、こんなシチュエーションはそれこそ0に近いでしょう。けれど、可能な限り確率を高くしてあきらめずに探すことで私のように実際に発見できるということもあるわけです。

ヤマネコの姿を見た時、奇跡だなあと思いながらも人生で大事なヒントを得たような気にもなりました。

それは

どんなに確率が低いことでも、その確率を少しでも高めるためのアクションを起こし続けることでチャンスは訪れる、運を手繰り寄せることができる

ということです。

多くの人が諦めて最初からやろうともしない。そんなことも地道にコツコツと成功の確率を上げていくことで万が一が、千が一、百が一、十が一・・になっていくわけです。こんな言葉はありませんが十が一までいったらかなり高確率ですよね。10回の施行で1回は成功するのですから。

ヤマネコ発見から得た生きる上でのヒント、皆さんの参考になれば幸いです。


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