最近読んでいるWeb(掲載)漫画 その二
web漫画とは言っても雑誌掲載しているのをweb公開してくれているのも含みます。
ここらへん意識していないとややこしいですね。
【となりの殺し屋ちゃん】
これなんてSPY×FAMILY?
流行りの作品のごた混ぜ感ありますが、ンなもんどうでもいいんだ俺は好きなんだよ。
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から一転
いいですよねこういうブッ飛んだ漫画的表現。
バトル漫画のこういうハッタリだらけのこじつけ屁理屈やったもん勝ち大好きです。
A子ちゃんもこのヤクザの兄貴もヨルさんも、この体格と体重でそんな膂力出せるわけねーだろとかいう無粋なツッコミは無しだ!
ちなみにそういうちゃんと現実的な考察の下に描かれている、最近連載が始まった漫画はサンオブバイオレンスですね。
でも現実的なバイオレンスってファンタジーに片脚突っ込んだバイオレンスより人選ぶからね……(SOVはSOVで面白いです)。
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あと日常のA子ちゃんがポンコツ可愛い。
日常と非日常の緩急ジェットコースター、
主人公にとっては日常の方が馴染めず非日常の方が本領を発揮する、
それでも否定されても平穏な日常に入り込みたい、
ってーお話は王道ですが、王道を面白く描くのは難しいものでして。
光ある眩しい世界に憧れて、ワガママを貫き通すA子ちゃんはポンコツ可愛カッコいい。
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敵もなんだか妙にキャラが濃いというか属性大盛りというか(一話の名も無いヤクザの兄貴ですらアレですし……)。
海凪ちゃんヤンデレでアレですけど可愛いから良し。
脳内CVは榊原優希とか村瀬歩とか。
【宇宙人のかくしごと】
そのうち感想書こうと思っていたら最終回迎えちゃいました。
でも単行本2~5巻くらいでサクッと終わる漫画好きです。本作はきっちり終わりましたしね。
第一話で主人公の委員長がハルに恋したきっかけが、最後にしっかりひっくり返ってきたあたり、短いながらも良い作品でした。
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本作は「宇宙人」という知性を持ち会話が通じるけれど、根元的に生態も文化も何もかも違うため起こるディスコミュニケーションが中心軸となるサスペンスものでしたが。
次から次へと委員長が勝手にしていた「理解」が「誤解」だったことが暴かれ「こうじゃなかった」が起こるハラハラ展開が続いていたのですが。
終わってみれば作品テーマを通じて「人間同士ですら好悪を軸としてディスコミュニケーションが起こり、それでも宇宙人のハルは委員長を好きになった」という皮肉な終わり方をしましたね。
そして「好き」の概念もまた我々一般人が思うソレとは絶妙にズレている。
嗚呼、虚しき誤解の積み重ねで築き上げられる摩天楼よ……。
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ちなみに「知性があって言語も通じるけれど、相手の方が高位生命体なので起こるディスコミュニケーション」というお話は結構好きです。
人間サマは所詮は動物の一種に過ぎないという持論を肯定してくれるからですかね。
中村恵里加先生はそのあたり一貫した作風で好きな作家だったんですが、昨今のラノベ業界でああいうのは求められていないのかサッパリ活動が見られないので残念ですね……。
ちなみに「宇宙人のかくしごと」のスクショが少ないのは……ホラ、グロいシーン多いからね?
忍者と極道はどんな絵面になってもギャグに片脚突っ込んでいるからさぁ……。
【頂のリヴィーツァ】
本作はpixivで掲載されていた「リヴィーツァ家の家庭教師」という作品の商業リブート……ということになっているんですが、キャラと設定が多少類似しているくらいでかなり別物になっています。
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開始2ページ目で書いてあるように、本作は「性善説と性悪説」がある程度テーマになっています。
……「宇宙人のかくしごとはグロいシーンが多いからスクショは控えめで」と書いたそばから、「頂のリヴィーツァ」のスクショはコレですがこの作品はこれでも控えめな絵面です。
・一話に一回パンモロは出る(チラどころの話ではないし最早R-18作品レベルの描き込みっぷり)。
・二話に一人くらいのペースで死人が出る(それもバリエーション豊かに無惨に死ぬ)
・未成年飲酒喫煙性的暴行は日常茶飯事
・メインキャラがアリス以外やベぇ奴しかいない(そのアリスも……)。
山座先生の性癖がたっぷり詰め込まれているよ!これが全年齢商業web掲載漫画できていることが不思議だよ!!!
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ちなみに私はヨハンナが好きです。
無垢に憧れ、無垢であろうとする健気な女の子ですよ。
マリーベルのために尽くして、保身のために切り捨てられて、それでも尽くし続けるのは純愛ですよ。動機が狂っているけどな!!!
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それでテーマなのですが「個人個人、人間そのもの、先天性か後天性かの善悪の有無」を問いかけて来ているんですよねこの作品。
それを本作では「無垢」か「不純」かで分けているんですが、無垢であるからこそ行動に歯止めが効かず、容易に他者を傷つけ恐るべき可能性を作り得るという子どもらしい残酷さ、共感性の欠如、人生経験の浅さがストーリーを展開させていっているのですね。
反転して共感性が完全に無い、最強チート主人公のシキブがまともに見えてきた昨今(そんなわけは絶対に無いのですが……)。
他にもセフィロやヨハンナなどもそうなのですが、生まれ持って高い能力を持っている娘の方が上手く立ち回って、抑え切れない自分の性癖と世間との付き合い方をよく理解しています。
世間ではそれをサイコパスの犯罪者とも言う。
突然ものすごい力を手に入れたカティや、突発的な行動で殺人を犯してしまったマリーベルなどの『無垢』な少女こそ、よりヤバい事態に持っていくわけでございまして。
善悪なんて本人の中でも、周囲においてもあまりにもちょっとしたきっかけで変わっていくものなのですね。
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pixiv掲載版の「リヴィーツァ家の家庭教師」ととくに違うのは、シキブというよりシャルロータの方だと思っています。
「リヴィーツァ家の家庭教師」のシャルロータはむしろ本作のカティの役回りになっていて、シャルロータは潜在能力をまだ発揮しきれていない正に眠れる雌獅子。
色々ヤバい作品なんですけどテーマも絵柄も性癖もグッとハマっちゃったんだから仕方ない。
【バイオレンスすぎるので……】
今回紹介した作品は少々バイオレンスに偏りすぎていたので、最後に気楽に読める作品を。
生物学の屁理屈と勢いで論破して無理矢理困難を解決するラブコメ漫画です。
ヒロインの口が本当に悪い。腹筋にも悪い。そりゃ妹とも喧嘩もしますわ……。
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正直こっちはweb掲載版を追っているわけではなく、コミックス派なんですけどね……。
原作がね。渡瀬草一郎先生でしてね。
さすがに20年作家やっている先生のお話は堅実に面白い……。
20年前の陰陽ノ京の頃から質実剛健堅実王道な作風だったような気もしますが。
コミックス版はルークさんが可愛い。
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こっちも正直コミックス派なんですけどね……。
昭和9年という、中々に絶妙な時代を選んだ日常漫画ですね。小物の描き込みが見事!
この手の時代が舞台の作品って戦争の影があったりするものなんですけど、本作は無くて気楽に読めますし、こういう側面もあったんだということを描いてくれるのは嬉しいですね。
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