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「結婚相談所」

結婚相談所で働く女。6年付き合った男に振られる。とても時間がかかった。

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母からのお見合いのお誘いLINEを閉じる。
結婚相談所で働く今日子(34才)。
6年付き合った男(医者)に振られる。
理由は「今日子との結婚は考えられない」オワタ。
パソコンの「結婚相手に求める条件」を眺めている。
「家事」「包容力」「性格」どいつもこいつも若さが前提だ。
鼻で笑ってデリートボタンを押しまくる今日子。

同僚に心配され、上司に「死んだ笑顔を直せ」と言われる。
相談相手との面談。何人か。
「料理は出来た方が良いです」「そうですか」
死んだ心でパソコンに打ち込む。

家に帰って、ウーバーイーツを頼もうとして止まる。
料理を作る。が、久しぶりすぎて下手くそ。
彼の家に置いていた荷物を取りに行こうと連絡するも、
LINEは削除されていたのか、既読がつかない。
冷めた料理をレンジで温める。ブレーカー落ちる。
あげる気力がない。
暗闇の中、無心で食べる。無味。
母にLINE「お見合いする」

お見合い。
相手の職業を聞くと「医者」
「あ、無理です」
激怒する相手の両親。自分の両親は平謝り。
声が遠く聞こえ、倒れる。

病院。
見合い相手の病院。
気遣ってくれる。
胃潰瘍。あまり食べていなかった。
「ちゃんと食べた方が良いです」など言われる。
「別に、謝らなくて良いですから」
相手の両親に頭を下げに行き、今後も何度か会える事になる。

デート。彼とはすごく気が合う。
不思議と安心する。
コレを期に良い女になろうと努力する。家事、包容力、性格。
やっているうちに、楽しくなってきて、生活が充実していく。
特に料理。お弁当を作って持っていき、喜ばれる。
仕事も順調。バチバチ成立させる。
LINEも続く。

夜のドライブデートに誘われる。
気合いを入れて料理の下準備をしておく。
うちに来るかもしれない、との期待。
掃除、完璧。料理、完璧。どこからどう見ても良い女だ。

ドライブデート。夜景。
「うちくる?」と勇気を出して誘う。
が、「実は付き合っている子がいる」と言われる。
写真を見せられる。相手は男。
すごく謝られるが、耳に入ってこない。
「親に家をつげ、と言われている。ちゃんとした結婚をしろ、と言われている。今日子さんとはすごく気が合うから友達でいて欲しい」など。
曖昧に返事を返す今日子。

家。身体に力が入らないが、料理の下準備が目に入り、料理をする。
ものすごくうまい。

後日。
職場で合コンに誘われる。相手は銀行員。
「あー、今日はちょっとすみません」と、断り、帰る。
ウキウキな足。
下ごしらえしていたスペアリブを食べる。
「うーま、たまらん」

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読んでいただきありがとうございます。血が沸騰していますので、本当にありがとうございます。