無題

米大統領選2020 民主党予備選の展望

※この文章は大学でアメリカ現代政治を学んだだけの、素人に毛が生えた程度の人が書いています。ファンがプロ野球の順位予想をしている時に向ける温かい目を持っていただければと思います。

 アイオワに続き、ニューハンプシャーでの予備選挙も終わった。ここまでの結果に関しては、以下のサイト(https://www.fnn.jp/posts/00050241HDK/202002131000_FNN_HDK)が分かりやすい。アメリカでは州ごとに投票を行い、それぞれに割り当てられた代議員を獲得していく。

バイデンの指摘する通り、まだ99%の代議員が残っている。しかしここまでの2戦は例年、選挙戦の大部分を左右する。だからこそ、ブティジェッジは最初の2州に集中して活動を行い、かなりの成果を残した。ニューハンプシャーの投票後に撤退したアンドリュー・ヤンも、無名の状態から3%程度の票を獲得し、ある程度「目立つ」ことに成功した。若い政治家にとって重要なことである。

2戦を終え、予想以上の勢いを見せたブティジェッジとクロブシャー、伸びきらなかったものの強さを見せたサンダースはいい滑り出しだろう。一方でウォーレンは伸び悩み、本命と見られていたバイデンは大きく出遅れた。また、これから本格的に参戦するブルームバーグがどこまで支持を広げるかも注目だ。

政治思想で言えば、大雑把だがブティジェッジとクロブシャー、バイデンが中道、サンダースとウォーレンが左派といえる。ブルームバーグは過去共和党員だったが、ニューヨーク市長時代の経歴を見る限り中道に思える。ブティジェッジとクロブシャーはバイデンの支持層を奪ったためにここまで伸長したと考えられる。一方で、ウォーレンの票はサンダースだけでなく、女性票としてクロブシャーに流れたのではないか。結果として、現在は三つ巴の様相を呈している。

ウォーレンは既に厳しくなってきただろう。世論調査では首位に肉薄したこともあるが、知名度で勝るサンダースとの違いをあまり示すことができなかっただろうか。バイデンも正念場だ。これから行われる州では支持率トップのところも多いが、2戦の結果を踏まえたらどうなるか。

この後は2/22にネバダで、2/29にサウスカロライナで投票が行われたあと、全体の1/3の代議員を同日に選出する3/3のスーパー・チューズデーが待っている。今後の個人的な注目ポイントを、いくつか書いていきたい。

①ブルームバーグがどの程度まで伸ばすか
 RealClearPolitics(https://www.realclearpolitics.com/)によれば、ブルームバーグは最新のデータで15%程度まで支持を伸ばし、サンダース、バイデンに続いて3番手につけている。スーパー・チューズデーから参戦し、トランプを超える巨額の選挙資金を投入する彼がどこまで票を集めるかは、不透明な部分が多い。

②バイデンが盛り返せるか
 スーパー・チューズデー前に行われるサウスカロライナ州の予備選挙だが、2月初めの世論調査ではバイデンが他候補を10%以上リードしている。ここで勝利を収めない限り、かなり厳しいことになるだろう。とはいえ、勝つことができれば一気に勢いに乗る可能性もある。

③バイデン・ウォーレンがいつ撤退するか
 可能性は低いが、スーパー・チューズデーの前に2人が撤退すれば選挙戦の様相が大きく変動する。バイデンはほぼ撤退しないだろうが、ウォーレンなら可能性はある。ウォーレンが撤退した場合、左派はサンダースの下で一本化することになる。その場合、二分または三分されている中道は不利になってしまう。その場合、「中道を勝たせる」ために、中道内での争いが起きるだろう。

既に白熱している予備選だが、最大の問題は「トランプに勝てるかどうか」であることを忘れてはならない。民主党の主流派は、左派色が強いと勝利のカギとなる無党派層を取り込めないと危惧している。
予備選の段階で党内の不和が高まれば、大統領選で勝つことはできないだろう。

個人的には、サンダースに期待している。思想に関係なく若者を取り込む彼の姿勢があれば、トランプに勝利する可能性があるのではないかと思っている。

これからも予備選の行方は注視していきたい。スーパー・チューズデーが終わったあたりでまた更新できればと思う。


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