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バイオ? バイオマス? プラスチックとは

こんにちは。7月1日よりレジ袋が有料になり、バイオマスプラスチックという単語を聞くようになりました。バイオプラスチックなのか?バイオマスプラスチックなのか?ややこしいので、メモしました。

バイオ、バイオマスプラスチックの定義

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国際環境経済研究所HP」より引用

日本バイオプラスチック協会の定義では、

・バイオマスプラスチック(上図の緑色の部分):原料にバイオマス(有機資源)由来の物質を含む
・生分解性プラスチック(上図の青色の部分):分解されると二酸化炭素と水になる。原料は化石資源由来でも問題なし。
・バイオプラスチック(上図の緑青色の部分):バイオマスプラスチックと生分解プラスチックの総称

*酸化型分解性プラスチチック:光や熱の作用により細分化されるプラスチック。生分解性はないです。

認証ラベル

バイオマスプラスチック

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バイオマスプラスチック導入ロードマップ検討会資料2−1」より引用

左の2つはよく見るのではないでしょうか?認証マークの数字が示すとおり、多くの製品は原料の一部に植物由来物質が使用されています。

生分解性プラスチック

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バイオマスプラスチック導入ロードマップ検討会資料2−1」より引用

日本では「グリーンプラマーク」1種類ですが、海外では分解可能な条件により表記が異なります。認証制度ごとに規格が異なりますが、所定の期間内にプラスチックが全て分解されないといけない訳ではありません
規格の国際標準化は進んでおり、ISO規格と対応するJISは日本バイオプラスチック協会HPで確認できます。JISは詳細を日本産業標準調査会HPで無料で閲覧できました。

国内の生産量

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バイオマスプラスチック導入ロードマップ検討会資料2−1」より引用

2019年の国内バイオプラスチック出荷量推計は約4.7万トンで、バイオマスプラスチックが約4.2万トン、生分解プラスチチックが0.4万トンでした。バイオマスプラスチックの約40%をバイオPETが占めました。

世界の生産量

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バイオマスプラスチック導入ロードマップ検討会資料2−1」より引用

2019年の世界のバイオプラスチック生産能力は211万トンでした。バイオマスプラスチックが94万トン、生分解性プラスチックが117万トンでした。

日本のバイオプラスチックに対する方針

2020年5月31日にプラスチック資源循環戦略が発表されました。そこでは2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入と記載されております。この数字は2016年の地球温暖化対策計画が元になっていると思われます。この計画では、カーボンニュートラル(二酸化炭素の排出がないこと)に着目しているため、バイオではなく、バイオマスプラスチックという表記になっているのかと思います。

2019年5月7日には海洋生分解性プラスチック開発・導入普及ロードマップが発表されました。こちらは具体的な数値目標はありませんが、2025年に向けて量産する方針が示されています。

編集後記

ISO規格の詳細を見ようと思ったら、有料なんですね。知らなかったです。今のところ唯一の海洋分解性認証のTUV AUSTRIAの要求事項が廃止されたASTM D 7081に基づくことも知りませんでした。

レジ袋の有料化についてはこちら↓

プラスチック資源循環戦略についてはこちら↓

参考資料

国際環境掲載研究所:プラスチック資源循環とバイオプラスチック
日本バイオプラスチック協会:バイオマスプラ入門
日本バイオプラスチック協会:グリーンプラ入門
日本バイオプラスチック協会:酸化型分解性プラスチチック
日本バイオプラスチック協会:グリーンプラ識別表示制度
日本産業標準調査会:JIS検索
環境省:バイオマスプラスチック導入ロードマップ検討会(第1回)配布資料
環境省:プラスチック資源循環戦略の策定について
環境省:地球温暖化対策計画
経産省:海洋生分解性プラスチック開発・導入普及ロードマップ

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Photo by Alyani on Unsplash

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