VW ID.4の充電戦略を考える(2)
昨年のID.4納車直後に充電戦略に関するnoteを書いたが、その後にいろいろ状況が変わってきたので再考してみることにした。前提条件として、私の自宅は集合住宅で充電設備がないため、基礎充電を外部の充電器に頼らなければならない。
この1年の状況変化
前回の充電戦略の結論は次のとおりであった。
2023年はVW充電カード(eMP)とPCAの充電サービスの2つの無料分で賄う
2年目以降は日産ZESP3(eMP)のプレミアム10に切り替え
ID.4購入特典のVW充電カードとPCAの無料分はあと2~3ヶ月で終わりを迎えてしまう。その後は日産ZESP3への切り替えを予定していたが、ZESP3のプラン改訂により、日産車以外では利用できなくなってしまったところが最も大きな状況変化だ。
また、プラン改訂のメインの変更点は値上げである。ZESP3以外の各社の充電カードも軒並み大幅に充電単価が上がっているので、改めて新しいプランで今後の充電戦略を検討する必要がある。
もう1つ大きな状況変化として、普段から利用させていただいているコワーキングスペースの目の前の施設に、エネチェンジの6kW普通充電器が設置されたことだ。そのコワーキングスペースにはいつも8時間は滞在することになるので、その間充電すれば単純計算で約50kWhの充電量となる。基礎充電を急速充電器に頼っていることがバッテリー保護の観点でずっと気になっていたので、この普通充電器の設置はとてもありがたい。
急速充電
ID.4納車後の10ヶ月でメインで利用した急速充電器は、最寄りのVWディーラーにあるPCAの90kW充電器と、eMPの90kW充電器の2箇所だ。それぞれの充電器の特徴は次のとおり。
PCA (90kW)
自宅から車で10分程度の場所にある
新電元のプラグ1本の急速充電器
ID.4だと平均68kWと高出力で安定してくれる
PCAを利用できるユーザーは少なく、今のところ空いていないことがない
eMP (90kW)
自宅から車で5分程度の場所にある
ABBのプラグ2本の急速充電器
ID.4だと平均54kW程度(SoCが50%を超えたあたりで失速するのと、1本が別の車両で利用されているケースが多い)
充電費用の比較
現状、上記のどちらかで月あたり60〜90分の充電を行うことが多い。メインは高出力で安定するPCAの方だ。PCAは月額¥1,800円の月額会員と、月額料金はかからないが充電単価は高めの都度会員の2つのプランが用意されている(PCAウェブサイトより)。
ID.4オーナーが利用できるeMPネットワークの充電カードは、日産のZESP3が利用できなくなってしまったので、eMP・JTB・VWの3種類が選択肢。または、充電カードを契約せずに、ビジター利用するという選択肢もある(eMPネットワークの各充電カードのプランについてはGoGoEVさんのまとめが参考になる)。
それぞれのプランが月の充電時間(分)に応じてどのようになるかをグラフにしてみると次のとおりとなる。
このグラフと最寄りの充電器の特性、そして月あたり最大90分程度の利用であることを考えると、急速充電においてはPCAの月額会員プランに加入して普段使いするのが良さそうだ。
この場合、PCA充電器の設置数が少なく、旅先での充電が心配となるが、次のような月額料金のかからない方法をとることで、固定費を最小限に抑えることが可能だ。選択肢もたくさんあるので、保険として用意しておくと良い。
eMPネットワークの急速充電器をビジター利用する
利用方法は eMPのビジター利用ガイド を参照
利用料金は最大出力90kW以上の充電器で¥77/分、それ以外で¥55/分(詳細は公式の利用料金表を参照)
eMP設置の充電器であればアプリで比較的簡単に利用できる
エコQ電の急速充電器を利用する
公式アプリかEV充電エネチェンジのアプリで充電器の空き状況も確認できる
ENEOS Charge Plusの急速充電器を利用する
公式アプリで充電器の空き状況も確認できる
WAONカードを作ってAEONの急速充電器を利用する
普通充電
基礎充電として利用価値のある普通充電器は前述のとおりEV充電エネチェンジの6kW充電器一択となる。ただ、エネチェンジの充電器は公式アプリでの充電に加えて、eMPネットワークの充電カードも利用できるため、eMPとJTBの普通充電専用プランとアプリ利用の3つが選択肢となる(VWにも普通充電専用プランがあるがID.4では利用できないし、急速・普通の併用プランはとても割高なので割愛)。
それぞれのプランが月の充電時間(分)に応じてどのようになるかをグラフにしてみると次のとおりとなる。なお、エネチェンジの充電器は場所によって充電単価が異なるようだが、¥55/10分であることが多いのでそれでグラフ化している。
おそらく月1回程度、最大500分くらいの充電利用となりそうであることを考えると、アプリで都度払いするのが最も良いだろう。
まとめ
以下、今回の検討内容のまとめである。
PCAの月額会員プラン(¥1,800/月)に加入して普段使いする
普通充電はEV充電エネチェンジの充電器をアプリで利用する
旅先では月額料金のかからないサービスを利用する
これは私の充電に関する次のような前提条件によるものであり、すべての方にお勧めできるものではない。
自宅での充電設備がないので基礎充電を外部に頼らなければならない
月の走行距離はだいたい1,000km未満で、90kW以上の急速充電器を月あたり60〜90分程度利用すれば賄える
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?