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VW ID.4の充電戦略を考える

2022年末にフォルクスワーゲンの電気自動車であるID.4 ローンチエディションが納車された。

ただ、自宅はマンションで充電設備はないため、自宅以外での基礎充電を確立する必要がある。


前提条件

充電戦略を立てるためには、まず自分たちのライフスタイルの中でどのくらい車を運転するのかが前提条件となる。

僕たちは夫婦二人で車は一台。僕は自宅でフルリモートで仕事をしており、妻もフリーランスで自宅で仕事をしているので、日常的に車に乗る必要はなく、月の走行距離は500kmくらいしかない。ID.4はProエディションで77kWhの大容量バッテリーを備えており、WLTCモードではフル充電で561km走行できることになっている。おそらく実電費では500km近くは走るはずである。

急速充電器を使っても一度にフル充電はできないので、月に2回どこかで急速充電を行うようなイメージだろう。

充電の手段

e-Mobility Power提供の充電ネットワーク

フォルクスワーゲンで勧められるのは、フォルクスワーゲン充電カードだ。これは、e-Mobility Power(以下、eMPと記載)が提供する日本全国に設置された充電ネットワークを利用できるものだ。普通充電に加えて、CHAdeMO(チャデモ)規格の急速充電器も充実している。

eMPネットワークの充電器は日本全国に多数設置されており、EVsmartGoGoEVのような充電スポット情報を提供してくれているサービスのスマートフォンアプリで調べれば、近くにすぐ充電スポットを見つけることができる。

自宅付近だと車で5分くらいの場所に、日産ディーラーの90kWの急速充電器があり、日産以外の車も受け入れてくれるのでそこを利用させていただくことにする。フォルクスワーゲンのディーラーにも急速充電器の設置予定があるが、こちらはeMPではなく後述のPCAというサービスで利用できるようになる。

eMPネットワークを利用できる充電カードは、eMP社が提供しているものに加えて、フォルクスワーゲンを始め、各自動車メーカーが提供するものがある。ただ、自動車メーカーのものは自社のEVを所有する人しか加入できないことがほとんどで、唯一日産のZESP3カードだけが自社以外のEVオーナーでも加入できる。そのため、僕が加入できるeMP充電カードは次の四つしかない。

eMPの充電器にこのカードをかざせば充電を開始できる。充電料金はカードの種類によって変わるため、それらの月額料金や付帯する無料枠、そして充電時間あたりの単価を加味して、自分に最適なカードを選ぶことになる。

フォルクスワーゲンはID.4のローンチエディション購入者へのスペシャルオファーとして、VW充電カードを利用開始から1年間だけ年会費と毎月90分までの急速充電器の利用料金を無償で提供してくれる。前提条件の通り月あたり500kmの走行距離の場合、90kW急速充電が90分あればほとんど賄えそうだ。

フォルクスワーゲン充電カード
フォルクスワーゲン充電カード

※ eMPカードについては次のリンク先にしっかりまとめられているため、自分に合ったカードを探す場合に便利だ。

PREMIUM CHARGING ALLIANCE

ポルシェとアウディが日本に充電ネットワークを広げるために提供しているPREMIUM CHARGING ALLIANCE(以下、PCAと記載)という充電サービス事業がある。2022年11月にはフォルクスワーゲンも参画することになった。

3社の全国のディーラーで90kW、150kW級の急速充電器を設置予定で、これらのメーカーのオーナーであればどのディーラーの充電器も相互利用できる。

充電には専用のスマートフォンアプリを使用する。アプリに車両識別番号(ポルシェ、アウディ、フォルクスワーゲンの車しか登録できない)とクレジットカードを登録すれば、アプリから充電を開始できるようになっている。

フォルクスワーゲンはID.4ローンチエディションの購入者に、このPCAについても年会費と毎月60分までの充電を無償提供してくれる。ただし無料になるのはフォルクスワーゲンに設置された充電器のみのようだ。

今のところ最寄りのフォルクスワーゲンディーラー2件にはPCAの急速充電器は設置されていないため、どちらかで設置されてから登録する方が良さそうだ。無料期間もアプリの登録から1年とのことだ。

VW充電カードとPCAの無料期間が終わったら

VW充電カードとPCAの無料期間が終わる2年目以降はどうするか。VW充電カードは月会費が他と比べて割高で、その無料分と単価の低さはあるものの、充電頻度が低いとお得感がない。そこで、90kW充電器で月当たり100分くらい、最大でも150分充電する前提で各カードの月会費込みの費用比較してみることにした。結果は次のグラフの通り。

充電費用グラフ
月会費と無料分を加味した充電費用グラフ

結果としては、僕たちの走行距離からすると日産ZESP3のプレミアム10が最もお得に運用できそうだ。

その他の充電手段

eMPやPCA以外の充電手段についても調べてみたが現実的ではなさそうだ。

  • アウトレットモールなどの大型店舗に設置されている無料の充電サービスもあるが、自宅の近場にはないので難しい。

  • 先日試したEV充電エネチェンジの充電器も急速に増えてはいるがまだ近くにはない(目的地充電をカバーするサービスなのだ)。先日マンション向けのサービスも開始しているので、何とか自宅マンションに導入できないものかと画策中。

  • WeChargeというサービスもオフィスやマンションなどに設置する充電サービス。こちらも自宅マンションへの設置候補となるが、そもそも管理組合が新しいものに驚くほど消極的(自室へのNURO光導入すら認められなかった)なので先は長そうだ。

  • ガソリンスタンドのENEOSが、ENEOS Charge Plusという充電サービスを開始しているが、現時点では僕の住む県内にはない。

ID.4の充電戦略まとめ

ID.4を急速充電
ID.4を日産の急速充電器で充電する

ということで今後の充電戦略は次のとおりである。

  • 2023年はVW充電カード(eMP)とPCAの充電サービスの2つの無料分で賄う

  • 2年目以降は日産ZESP3(eMP)のプレミアム10に切り替え

  • eMPネットワークの充電には、最寄りの日産ディーラーの90kW急速充電器をメインに利用する

  • タイミングを見て自宅マンションに充電器設置を提案してみる

ただ、現時点ですでに運転が楽しすぎて走行距離が伸びそうな感じなのであった。

VW ID.4の充電戦略を考える(2)

(2023年9月15日追記) その後、2023年中盤の環境変化も踏まえて改めて充電戦略を見直した。


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