受験教科が多い方が有利!?

こんにちは。布施川天馬です。

今日はこれから受験をする上で、志望校を決めかねている人向けの記事となります。

これから志望校を決める上でまず考えるべきなのが、「私大受験か国立受験か」です。
どちらも一長一短ですから、よく考えた上で決めてくださいね。

私大の方がラク?

さて、受験生の皆さんが一番気になるのはズバリこれでしょう。
一般的に私大受験は国立受験に比べても受験科目が少なくて済みます。

例えば、私立文系の大学を受験するなら、大体の学校は国語・英語・社会科目の3つ〜4つ程度で済みます。
慶應義塾大学の経済学部など、一部は理系科目(数学など)に差し替えることができる場合もありますが、私大文系受験なら先ほどあげた3教科で受験する人が多いのではないかと思います。

それでは、私大受験はメリットだらけなのでしょうか?
一見すれば、明らかに国立受験よりも負担は少なそうです。

でも僕は、「教科数が少ない=負担が少ない・ラク」とは言い切れないと思います。
以下に私大受験のメリット・デメリットを書いていきます。

メリット
・教科数が少ない。
・共通試験の結果に左右されない。

デメリット
・各教科に対してそれなりの練度を求められる。
・受験者が多く、倍率が高い場合がある。

私大受験のメリットとデメリット

まずはメリットから詳しく見ていきましょう。

単純に教科数が少ないというのは、特に国立受験者に比べて、各々の教科に割く事ができる時間が多くなるということです。
これはメリットに数えても良いと思います。

また、共通試験の結果に左右されないことも大きいです。
基本的に国立受験の場合は、共通試験の結果と二次試験の結果の両方を合わせた点数で合否が決まります。

ただし、真に恐ろしいのはそこではありません。
国立大学の場合、あまりに受験者数が多いと、センター試験の結果が悪い人の二次試験受験資格を剥奪する場合があります。
これはある一定の倍率を保つための処理で、俗に「足切り」と呼びます。

共通テストにも足切りが存在するかは不明ですが、受験倍率を一定に保つためにも、同じような仕組みが導入されることは予想できます。

足切りは大学によってまちまちで、全く行わない大学もあれば、毎年のように起こる大学もあります。
また、東工大のように、ある一定のラインを足切りとして設ける代わりに合否は二次試験の結果のみで判定する大学もあります。
東京大学の場合、その年度や科類にもよりますが、大体低くて7割、高くて8割5分程度で足切りが起こりました。

ですが、出願者数が少ないと足切りが起こらない場合もあります。
こればかりはその時になってみないと分かりません。
ただし、だからと言ってあまりにも低い点数で二次試験に挑んでも、不利なことには変わりありません。

ちなみに僕の受験年は足切りが730点ほどで起きました。
僕はセンター試験のような処理能力を測るテストが大変苦手で、どうしても85%を超えられませんでした(本番も765点でした)が、東大の場合は点数の傾斜が二次偏重だったので、なんとか滑り込むことができました。

センターが悪かったと言っても、「不利である」というだけで「合格は無理である」というわけではありません。
もし結果が芳しくなくても、諦めずに二次試験で大量得点を目指しましょう。

このように、国立大学を受験するためには、第一関門としてセンター試験があります。
先述の通り、この試験で結果が悪いと受験資格さえ失われてしまいますが、私大受験の場合はその心配はありません。
受検料を払い、然るべき手続きを踏んで出願すれば、基本的に誰でも受けることができます。

私大受験のハードルが低いと言われるのはこのような理由からです。
デメリットにも書いたように、このせいで、倍率が異常に高くなってしまう場合があります。
大学や学部にもよりますが、例えば早稲田大学の場合は、7割〜8割程度の得点率がなければ合格は難しいでしょう。

さて、デメリットも見ていきましょう。

私大受験においては科目数が少ないので、各教科にそれなりの練度が求められます。基礎知識のみならず応用・発展的な知識まで持っていることが求められるのですが……

単純に考えれば、一つ一つの教科に長い時間をかけることができる私大受験生の方が、他の教科(例えば文系受験生の数学や理科)に時間をかけなければならない国立大学受験生よりも、各教科への理解は深まるはずです。

それなのに、東大志望の人たちの多くは、早慶といった有名名門大学に滑り止めで出願し、あまつさえ合格をさらっていきます。
いったいなぜ彼らはそのようなことができるのでしょうか?
東大生は頭の出来が根本から違うのでしょうか?

いいえ、そんなはずはありません。
人には向き不向きがあるとはいえ、彼らも(僕も含めてですが)同じ人間ですから、根本的な能力が違っているはずありません。

聞きかじった話ですが、かの有名なアインシュタインの脳みそでさえも、我々の脳みそとさほど容量は変わらなかったと言います。
アインシュタインでさえそうなのです。
いかに国内では天才と持て囃される灘・開成の生徒でも、我々の脳みそとさほど作りは変わらないと見るべきでしょう。

では何が違うのか?
それは受験科目数です。

先ほどは一見すると不利になると言いましたが、それは間違いだと僕は考えています。
以下は私見ですが、理由は2つあります。

・一つの教科にそこまで長く集中できない(飽きる)。
・教科間の壁を超えて深く理解することが可能になる。

まず一つ目の理由ですが、これは僕だけかもしれません。
しかし、敢えて言います。一つの教科にそこまで長く向き合っていることが僕にはできません。正確には、飽きてしまってどうにも集中できなくなります。

僕が受験生だった頃は、基本は全教科の教科書やノートをリュックに詰めて学校に向かっていました。どんなに少なくても3教科は入っていました。
これは単に、一つの教科、一つの作業をずっと続けていると飽きてしまい、作業効率が落ちるであろうと分かっていたからです。

「飽きる?そんなの、甘ったれるな!」と思う人もいるでしょう。
確かにそうです。でも、飽きてしまうのは仕方ありません。
「気合い」で飽きを誤魔化して集中しているフリをしつつ時間を潰すのなら、「この教科はもう飽きた」と素直に認めて、次の教科に移った方が効率的ですよね?
ただし、あんまりにも移りすぎると今度はどれも中途半端になるので、「最低限ここまでは進める」という目標は毎回立てていました。

また、これは多くの受験生、特に中々偏差値が上がらずに悩んでいる子が陥りがちな考えですが、「各教科は独立していて、横のつながりはない」と考えていませんか?
確かに国語と数学に表面上のつながりはないでしょう。 
しかし、それは最初のうちだけです。

例えば数学だと、問題が難しくなればなるほど、「何をすることを求められているのか」「自分が何をすべきなのか」をハッキリさせるということが難しくなってきます。

これが、俗に言う「方針が立たない」と言うやつです。
これは国語で身につく力によって解決することができます。
国語で鍛えた読解力で「何をすべきなのか」を読み取り、記述力で「何をすべきなのか」をしっかり言語化してあげるのです。

逆も言えます。
数学は論理のジェンガのようなもので、一つ手順を間違えると証明が成り立たなくなる場合があります。
国語もそうで、論理関係をしっかり踏まえた上で考えなければ「要素は全部入っているけれど、要素Aと要素Bの因果関係が逆」のような引っ掛け選択肢に惑わされてしまいます。
そのような時に、数学で鍛えた論証力がいきてくる訳ですね。

さらに言えば、教科数が多いからこその「逃げ道」もあります。
国立は科目数が多く、その中での総合力勝負となるので、多少不得意な科目があっても、他の科目でカバーすることができるのです。
オールラウンダーではなくとも、突出した得意科目があれば、ごり押しできると言うわけですね。

例えば、僕は英語と数学が苦手でしたが、国語と社会科目は割と得意だったので、そこでカバーするようにしていました。
東大では英語は大体70点以上は取ることが望ましいとされていますが、私は64点でした。
その代わり、50点台で当たり前と言われる国語で70点をとったので、そこでプラマイゼロに収めることができました。

これが早稲田大学文学部の場合、英語75点・国語75点・社会科50点のうち、だいたい130点〜140点は取らなければなりません。
早稲田の社会科は難しく、相当に頑張って40点程度、普通は35点ほどが平均なのではないかだと思われます。

こうなると英語と国語で合わせて100点を取らなければなりません。
両方50点ずつでもギリギリです。やはり75%~80%を全教科でコンスタントにとっていくことが求められるのです。

僕の東大の友人には国語と英語を合わせても70点程度しか届かないのに、数学と理科でほぼ満点をとったので合格したと言う猛者もいます。
国立の場合は受験スタイルにある程度の自由が与えられるわけですね。

まとめ

さて、本日は私大受験と国立大受験の良いところ悪いところを比べました。
私大受験はハードルは低くとも、ライバルが多く、各教科について高い練度が求められます。
国立大受験の場合は、やることは多いですが、それを乗り越えれば各教科について深い理解が得られます。

また、これは各家庭で事情が異なるので書きませんでしたが、受験料もかかってきます。
よく「私大乱れ打ち」なんてことをする人がいますが、あれは乱れ打ちをする財力があってこそ出来る荒業です。

大抵の人は、受験料はまだ保護者の方に支払って頂いていると思います。
まずは、高額な受験料を支払って頂いていることに感謝して、一校一校を捨て石にせず、確実に合格を狙っていきましょうね。

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