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馬鹿正直に英単語学習する人は大体無間地獄へ落ちる
「先生!英語の成績が全然伸びません!何すればいいですか!?」
うん、君は英単語とか英文法の勉強ってやってるかな?
「めんどくさいのでやってません!!」
…………は?
よくいる"ダメ"学生
僕は塾講師をアルバイトとはいえ3年以上続けてきましたが、こんな感じの生徒には、それこそ二進法を使っても両手で数えきれないほどあってきました。
英語ができない!やばい!でも英単語は全然やってない!
こちらからすれば、「あ、そう。お帰りはあちらからどうぞ」としか言いようがありません。
まぁ気持ちはわかります。
かくいう僕も英単語の暗記なんて大嫌いです。
面倒くさいことこの上ない。僕が東大受験を志さずに適当な指定校推薦で良い大学に入れるような身分だったら、間違いなく受験勉強なんてしていませんし、英単語を覚える機会なんてのもなかったでしょう。
僕の言い分はこうです。
嫌いなのはわかる、でもやらなきゃ死ぬ瞬間というのがこの世にはあって、それが遠い未来に待ち構えているのなら、いま多少の苦行をとってでも未来の栄光を掴みに行った方がよくはないか?
対して彼らの言い分はこうです。
「そうはいってもめんどうくさい」
簡潔。シンプルイズベスト。最高ですね。
話はどこまで行っても平行線。
非ユークリッド空間でもない限りは交わることはありません。
こんな経験ってありませんか?
英単語暗記はめんどくさい?
でもこれ、前提として「英単語の暗記はめんどうくさい」という事実が共有されています。
そもそも、果たして本当に英単語の暗記はめんどうくさいのでしょうか?
少し考えてみましょう。
英単語の暗記をするということは、存外簡単なことで、単語一つに対して代表的な日本語の意味を一つ紐づけてしまえば終わり。簡単です。
一つだけなら2秒で終わります。
英単語の暗記をめんどうくさいものにしているのは、その量。
ネイティブの英語話者の語彙量は、非インテリ層だとしても一万を優に超すと聞きますから、非ネイティブの我々が追い付くには相当の努力が必要になります。
そもそも文章を読み書きするというのは、実はかなりの高等技術です。
発話される音と、表記たる文字とが自分の中でリンクしていないと読み書きなんて到底できません。
そして、そのためにはまず自分の中にそれなりの量の語彙を蓄えたうえで、それらを文法的につなげていくといった作業が必要になります。
いま僕が書いている(そしてあなたが読んでいる)この文章も、実は相当の語彙を用いて書かれています。
これを非日本語ネイティブの外国人に読ませようとしたら、相当苦労することでしょう。
そんなわけで、そもそも外国語彙を得るといっても1つや2つではお話になりません。
それこそ1,000や2,000というような膨大な数を得てこそ、初めて力になるというのが英単語学習という分野です。
だからこそ、100程度覚えたくらいでは効果が薄いうえに、そもそも量が膨大すぎる!
この辺が「英単語嫌い」を生む要因なのではないかなと思います。
そのつらさの源が自分で自分の首を絞めているだけだとは知らずに。
英単語学習はサボりながら
大学受験の参考書だと単語量は2000程度になるでしょうが、そんな量の単語に向かって真正面から挑んでいくような脳筋心理でいたら、いつまで経っても終わりません。
そりゃそうです。海の水をコップですくっているようなもの。永遠にさまよう羽目になります。
真正面から単語帳に挑み続けるのは愚策も愚策、ありえません。
正しいやり方は、サボりながら学習するのです。
サボりながらといっても、本当に英単語学習をサボタージュするわけではありません。
これはただの比喩です。
やり方をこれから説明しますが、注意点として、第一週目は誰でもまともに挑まなくてはいけないので、そこのめんどうくささは覚悟してください。
筋トレと同じですよ、やらなきゃ始まらない。
さて、僕の見る限りでは、英単語学習をするといったときに、多くの人は復習の方法がなっていない。
毎回100単語を覚えるとか範囲を決めてやる、これはいいのですが、これを定着させるための方法がよくない。だからめんどうくさいのです。
めんどうくささを抜くためのキーワードは「短期間で効率よく周回」です。
とにかく短いスパンをもって周回しまくります。
これで無理やり記憶に定着させます。
具体的には、第一週目をした直後に100語まとめて小テスト。
次にそれから3時間くらい経ったらまた小テスト。
その日の寝る前にも小テスト。
次の日の朝起きて、すぐにまた小テスト。
その日の夜寝る前にも小テスト。
このように、英単語を覚えた日とその翌日とで5回以上の小テストを行います。
これは「赤シートで隠して意味を言えるかどうか試す」くらいの簡単なもので良いですが、意味を思い出すのに2秒以上かかったらアウトです。
たとえ思い出しても失敗扱いにしましょう。
それで、間違い/失敗となった単語の横には「正の字」で印をつけていきます。
なぜ正の字なのかといえば、これは間違えた回数がカウントできるからです。
人は覚えやすい単語、間違えやすい単語をそれぞれ持っていますが、それらは人によって様々です。
なので、まず行うべきは「自分が覚えている単語と覚えていない単語の仕分け作業」なのです。
この非常に細かな小テスト作業と間違いマーキングにより、「自分がどうしても覚えられない、覚えにくい単語」が浮き彫りになります。
あとはこれを中心として「間違えたものだけ」を定期的に見直せばよいでしょう。
大事なのは、「覚えているもの」の復習に時間を割かないこと。
そんなことしているから時間がいくらあっても足りないし、かけた時間に対して英単語テストの成績が伸びなくなるのです。
受験に限らず、テストというものは勝つためのムーヴではなく、負けないためのムーヴの方が重要視されます。
どう立ち回れば自分は勝負に負けないかということを考えて、それを求めて学習していくということの方が重要だったりするのです。
ですから、できることを伸ばすのも確かに重要ですが、できないことがはっきりしているのであれば、まずはその弱点を塞ぐべきでしょう。
そこから勉強というものは始まります。
馬鹿正直に英単語学習する人は大体無間地獄に落ちる
この記事のタイトルでも言いましたが、これはまじめな人ほど引っ掛かりやすいトラップです。
あれもこれも、範囲の全部を復習しなきゃ、なんて思うから成績が伸びないのです。
むしろ逆で、英単語学習なんてサボれるところは存分にサボって、やるべき部分にだけ全力を尽くせばよい。
できる単語を眺めてにやにやしているのはコレクターと一緒。
満足はするでしょうが、実用性はありません。
僕はこのnoteなどで「英単語学習はそんなにやらなくても大丈夫」といっていますが、これだってTARGET1900レベルの単語帳を一冊仕上げることを最低条件としています。
そうした上で、わからない単語が出てきたなら、文脈と字面から推測することも不可能じゃないよね?
だからそんなに躍起になって単語を覚えなくてもいいよ、と言っているだけで、英単語学習を捨てていいという意味ではありません。
そもそもこの推測だって、あくまで保険でしかありません。
これは万能の施策ではありません。
致命傷を受けそうなときに、どうにか全治三か月くらいで済ませることができるかも……くらいの緊急回避の技術です。
ですから、単語を覚えているに越したことはないのです。
めんどうくさいという気持ちはわかりますが、適度にサボりながら効率よく進めていけば、意外と大変じゃありません。
毎週200単語進めていけば、2000単語程度なら10週もあれば終わります。
英単語学習は、とにかく継続です。
焦らず、騒がず、できるところからしっかりと潰していきましょう。
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